司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

債務整理一般

1月 12 2018

銀行預金を差押えられた後の入金は、どうなるのか。

借入金や税金の滞納で銀行預金を差押えられることがあります。この場合、差押えられた後に給料や年金などが同じ口座に入金されたら、どうなってしまうのでしょうか。このような質問を良く受けます。

結論から言うと、「差押後に入金された金額には、差押の効果は及ばない」ことになります。従って、差押の後に入金された給料や年金は問題なく引き出せるということです。

これが給料の差押との最大の違いになります。給料の差押の場合、差押金額に足りない場合、給料の一部がずっと差し押さえられたままになります。差押金額分が差し引かれるまで、給料の差押は終わりません。

一方、銀行口座の差押は、差押が入った瞬間に口座に残っていた金額以外には効果が及びません。その後の入金は関係ないのです。

これは差押をする方にとってもリスクがあります。もし差押をした時に銀行口座がゼロだった場合、差押は空振りに終わり裁判費用が無駄になります。だから、もし給料と口座の両方が分かっていた場合、債権者はほぼ間違いなく給料の差押を選択します。

差押には、このような特徴がありますので覚えておきましょう。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/credit/kyosei/

1月 31 2017

債務整理(123) 業者から裁判に訴えられた場合の対処法

借金の相談に来た段階で、既に一部の業者から裁判に訴えられている場合があります。事情を聞くと、請求を放置していたら訴えられたので、それがきっかけになって相談に来たというケースが多いです。

本音としては、訴えられる前に相談に来て頂ければ、そもそも訴えられることも無かったでしょう、というケースが多いのですが、それを今さら言っても仕方がありません。法律家としては、現実に訴えられている以上、対処するしかありません。

この場合、債務整理の種類によって対処法は違ってきます。
(注意)過去5年間、取引が無い場合は消滅時効で解決できる可能性があります。その場合は、時効のページをご覧ください。

最も対処がし易いのが、自己破産と個人再生の場合です。
自己破産と個人再生の場合、開始決定まで手続が進むと、それ以降は例え判決で負けても差押をすることが出来なくなります。差押が出来なければ、判決は怖くない訳ですから、この場合は、とにかく早く破産や再生を裁判所に申し立てて開始決定を獲得することです。

そして、もう一つ重要な裏ワザがあります。破産や再生の手続を早くするのはもちろんですが、それと同時に、訴えられた裁判をなるべく長引かせる必要があります。

借金について業者から訴えられた裁判は必ず負けます(過払金が発生していた場合は、そもそも業者は訴えることが出来ません。訴えられている時点で過払金は発生していないということです)。相手方に契約書などの証拠がある訳ですから勝ち目はありません。

しかし、裁判に慣れている法律家ならば、引き延ばして判決が出るまでの期間を長引かせることは可能です(具体的な方法に関しては企業秘密です)。私も依頼人が破産や再生をする場合は、出来るだけ引き延ばして、その間に開始決定を得るように手続を進めます。

ちなみに、上記の手法は既に判決が出てしまって給料等の差押がされている場合にも応用できます。素早く破産や再生の手続を進めて、開始決定を得れば、開始決定以降の差押は中止されます。(開始決定以前の分は、あきらめるしかありませんが)

一方、任意整理の場合は、自己破産や個人再生のように差押をストップする法的な効果はありません。

従って、正攻法を取るしかありません。直接、裁判の口頭弁論期日に出頭して、「現在、一括で支払える状態ではないので、何とか分割払いにしてもらえないか」ということを相手方と裁判官に対して主張するのです。

ここで注意しなければならないのは、基本的に通常の裁判では分割は認められていないということです。例えば民事裁判における判決には分割はありません。もし、分割にしたかったら必ず判決ではなくて和解で終わらせなければなりません。和解と言うことは、相手方の了解がいるということになります。

ただ、日本の裁判官は和解決着を好む傾向がありますので(理由は長くなるので、ここでは述べません)、裁判官に「分割でなければ払えない」という事情を強く訴えれば、裁判官がなるべく和解で終わらせるように相手方に働きかけてくれることが期待できます。(あくまで期待であって絶対ではありません)

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/jikohasan/
http://www.hashiho.com/debt/kojinsaisei/
http://www.hashiho.com/debt/ninniseiri/

7月 20 2016

和歌山訴訟 最高裁判決について

平成28年6月27日に司法書士の代理権の範囲についての裁判として注目されていた通称「和歌山訴訟」の最高裁判決が示されました。このブログでも以前、和歌山訴訟について取り上げていたこともあり、今回、最高裁判決の内容と私なりの意見を書いてみたいと思います。

まず、最高裁判決の内容ですが、一部の報道では一方的な司法書士側の負け判決であるかのように報じられているようですが、判決を詳しく読めば司法書士と弁護士の主張のバランスを取った内容で、一勝一敗の引き分けというのが客観的な見方だと思います。(何故、司法書士敗訴のような報道が目立つのか不思議です。メディアに登場するのが弁護士が多いのが原因なんでしょうかね)

まず争われていたポイントを整理してみましょう。争点は二つです。(前提知識として、司法書士の代理権の範囲は140万円以内というのを覚えておいて下さい)

一つ目の争点は、債務整理事件について、総額説と個別額説のどちらを採用すべきかという問題です。

例えば、依頼人が3社に対して、それぞれ50万円ずつの債務を負っていた場合、あるいは50万円ずつの過払金を請求する場合を考えてみましょう。総額説では3社合計の150万円の事件だから140万円を超えているため司法書士は代理できないという主張です。
一方、個別額説では3社はそれぞれが独立した事件と考え、1事件が50万円で140万円以内なので3社とも司法書士は代理できるという主張です。

二つ目の争点は、債権者主張額説と受益額説のどちらを採用すべきかという問題です。

例えば、依頼人が200万円の債務を負っていて、司法書士が間に入って交渉して80万円の債務に減額した場合を考えてみましょう。債権者主張額説では、債権者が請求する200万円を基準として判断するので140万円を超えているため司法書士は代理できないという主張です。
一方、受益額説では依頼人の経済的利益を考え、この場合、依頼人は200万円の債務が80万円に減ったのだから120万円の利益を得たと考えます。そこで依頼人の利益120万円を基準として判断するので140万円以内であり、司法書士は代理できると言う主張です。

二つの争点を明らかにしたところで最高裁の判断は以下のとおりです。

まず一つ目の争点については、個別額説を採用しました。従って、この争点に関しては司法書士側の勝利となっています。

続いて二つ目の争点については、債権者主張額説を採用しました。従って、この争点に関しては司法書士側の敗訴と言えるでしょう。

客観的に見る限り、これは引き分けだと思うのが普通の感覚だと思いますが(最高裁も、どちらかを一方的に勝たせたくなかったのかなとも推測できます)、繰り返しになりますが、「司法書士が負け」のようなイメージの報道が目立ちました。これはフェアではないと思いますね。

以上が客観的な事実関係です。ここから先は司法書士としての私の意見となります。

まず、この判決が実務に与える影響ですが、正直なところ、ほとんどありません。この点は、まるで実務に大きな影響を与えるかのような報道が一部にありましたが、全く現場の感覚とずれています。同僚の司法書士と、この話をしても、心配している司法書士は私の知る限りいませんでした。

何故なら、司法書士が負けた争点である債権者主張額説が登場する実務の現場というのは非常に少ないからです。実際の実務の現場では、多くの貸金業者が債権者主張額説を以前から主張していて、それらの業者では任意交渉の場では債権者主張額説に沿った和解しか認めていなかったという現実があります。従って、受益額説に沿った和解が結べるケースというのは現実には極めて少ないのが実情でした。だから実務的には今までと、ほとんど変わらないと言う認識です。

一方、もう一つの争点である個別額説ですが、もしこの争点で司法書士が負けていれば、実務に甚大な影響が出たのは間違いありません。債務整理に係わるほぼ全ての司法書士が個別額説に基づき実務をしており、争点に係わる事件数も多いので、まさに現場は大混乱に陥ったことでしょう。従って、こちらの争点で勝ったことの意味は非常に大きく、「客観的に見れば引き分けだが、現場の感覚では司法書士の勝利だ」と言う司法書士もいるほどです。

最後にネットなどに挙げられている、このような意見に対する個人的な反論をしてみたいと思います。たまにネットに以下のような意見が見られます。
「司法書士が勝手に解釈していた主張が、今回否定された。当然だ」というものです。
これは、司法書士が負けた受益額説に対しての意見だと思われますが、はっきりと主張しておきますが、受益額説は「司法書士が勝手に解釈していた主張」などでは決してありません。ちゃんと証拠もあります。
テイハンという出版社が発行している「注釈 司法書士法」という書籍がその証拠です。この書籍の作者は、司法書士の代理権の範囲を定めた司法書士法の法案の作成に係わった法務省民事局の官僚です。いわば法案の立案担当者であり、立法趣旨(どのような趣旨で法案を作成したか)を誰よりも良く知っている人物です。その書籍の97頁に以下のような記述が出てきます。
「債務整理事件について、司法書士が裁判外の和解について代理することが出来る範囲は、債務弁済調停事件や特定調停事件における代理権の範囲と同様の基準によって判断する。従って、「紛争の目的の価額」の算定には、残債務の額ではなく、弁済計画の変更によって債務者が受ける経済的利益による。」

実は、上記の書籍は有力な証拠として裁判に提出されています。従って、受益額説は立法担当者の意思だったということであり、今回の最高裁判決は法務省民事局の立法担当者の意思に逆らって(立法趣旨に逆らって)出された異例のものであるということが分かってきます。
しかも、実際の裁判所の運用でも、例えば私の地元の名古屋簡裁の特定調停の受付では、受益額説により申立を受け付けていました(今回の判決により変更されるでしょう)。これは、裁判所の担当者レベルでも、受益額説を採用していた何よりの証拠です。

個別額説と総額説の争いで総額説を採用した場合、現場の実務で大混乱が起こることは容易に想像できます。個別額説で実際に行われた裁判の件数が、ものすごい数になるからです(特に過払金請求訴訟)。当然、裁判所を総括している最高裁はそのことを分かっているでしょうから、この件で総額説は採用しづらいでしょう。だからと言って、もう一つの争点である、債権者主張額説と受益額説でも、立法担当者の意思が受益額説であると明確に示された書籍が出版されています。普通に考えたら、二つともが司法書士側の勝利になっても全くおかしくない裁判だったと個人的には思っています。しかし、最高裁は弁護士側の面子も考えたのではないでしょうか。最高裁まで上がってきた裁判で両方とも負けてしまっては弁護士側の面子は丸つぶれでしょう。まあ、あまり思いたくはないですが、裁判官と弁護士は同じ司法試験を通ってきて、同じ司法修習所で研修を受けてきた仲間です。このことが全く影響しなかったと考えるのは少数派ではないでしょうか。

3月 31 2016

裁判所から書類が届いたら絶対に放置してはいけません

よく悪徳商法の撃退法を紹介するテレビ番組などを見ていると、「知らない業者からの請求は無視して返事をしないように」とアドバイスをしていることがあります。もちろん普通の請求ならば、これも真実なのですが、場合によっては大変なことになってしまうこともあります。例えば、以下のような事例です。

ある日、Aさんに裁判所から書類が届いた。原告の欄を見ると、全く覚えの無い業者の名前が書いてある。そう言えば、身に覚えの無い業者から請求されたら無視しろと、テレビで言ってたのを思い出した。それで放置したら、しばらくしたら判決書が届いた。そこには原告の請求を全て認める内容が書かれていた。その後、業者から電話がかかってきて、「Aさん、支払ってくれないと、判決に基づいて給料の差押をしますよ」と言われた。一体、どうしてこんなことになったのだろう。

以上は実際に相談された事例に基づいて書いたものです。Aさんは何が間違っていたのでしょうか。

まず、「債権は債権譲渡されることがある」、ということがあります。
債権譲渡とは、最初Bという業者からお金を借りていても、BがCという業者に自身の債権を売却してしまい、その後は、債権者がCに代わってしまうことを言います。

この際、「BがCに債権を売った」という情報は、お金を借りている債務者に必ず通知されます。しかし、この通知書を良く読まないで、うっかり捨ててしまう人がいるのです(あるいはポストに入ったまま引っ越してしまったとか)。こうなると、AさんはCと言う業者の名前に覚えが無いということになってしまいます。例えCから訴えられたとしても、「知らない業者だから無視しても構わない」という認識になりかねません。

裁判では、放置すれば必ず負けるような仕組みになっています(民事訴訟法に、そのように規定されています)。民事訴訟においては、「何も反論しない場合は相手の主張を全面的に認めたものとみなす」という規定があるのです。従って、裁判所から届いた書類を無視してしまうと、相手の勝ち判決が出てしまいます。勝ち判決が出れば、相手は給料や銀行口座の差押をすることが出来るのです。

従って、裁判所から書類が届いたら、例え身に覚えの無い業者からであっても、絶対に放置してはいけません。放置すれば、あなたは裁判で負けてしまいます。

裁判には特有のルールなどがあって、対応を間違えると取り返しがつかない部分もありますから、裁判所から書類が届いたら、出来るだけ早くに専門家に相談に行かれた方が良いでしょう。

(ご注意)
通常の民事訴訟(書類のタイトルが「訴状」となっているもの)の場合は、反論までの期間が1カ月くらいあるのが普通ですが、書類のタイトルが「支払督促」となっているものが届いたら注意が必要です。支払督促は反論までの期間が民事訴訟よりも短く2週間しかありません。支払督促と書かれた書類が届いたら、一刻も早く専門家に相談に行きましょう。

3月 16 2016

どうしても自己破産はしたくない人へ

「借金が高額になって返すあてがない。もう、司法書士や弁護士に相談するしかない。でも、自己破産だけは、どうしてもしたくない。自己破産をすすめられるかもしれないので、相談に行く勇気がわかない。」こんな風に悩んでいる人は大勢いるかもしれません。

私は、このような人に対して、「個人再生が可能かどうかを確かめてから決断しても遅くないですよ」と言いたいです。

債務整理をうたっている多くの事務所で、個人再生も可能であるにもかかわらず選択肢として提示せず、自己破産や任意整理を提案されているケースが非常に多いという現実があります。これには以下のような理由があると思われます。

(1)自己破産や任意整理の方が手間がかからない
債務整理の中で個人再生が最も手間がかかります。出さなくてはならない書類も多いですし、手続期間も長めです。大量の案件を抱えて短時間で効率的な処理をしたい事務所にとっては、出来れば個人再生は避けたい手続なのです。

(2)そもそも経験が少ないので手続に慣れていない
上記のような理由で個人再生が避けられているからかもしれませんが、個人再生の件数は自己破産の10分の1以下です。実際には破産には無いメリットがあるにもかかわらず、この少なさは異常だと私は思います。結果として、経験者が少ないという現実があります。債務整理を売りにしている事務所でも、実際には個人再生の経験は非常に少ないのです。経験が少ない手続は、やりたがらない傾向があるのは、ご想像のとおりです。(医者でも、経験の少ない治療法はやりたがらないものです。法律家も同じです)

(3)個人再生に偏見がある
私は一部の司法書士や弁護士から、「個人再生などやっても意味が無い」、「何故、破産を選ばないのか理解に苦しむ」、「任意整理でダメなら、破産をすすめるのが正しいやり方だ」という発言を聞いたことがあります。特にひどいと思ったのが、個人再生最大のメリットである「住宅を維持したまま他の借金を減額できる」という部分に対してさえも、「例え住宅ローンを抱えていても、住宅をあきらめて売却して破産するようにすすめるのが、債務者の為になる」と真顔で言っていた人もいることです。私は今まで何件も個人再生を手がけてきて感謝の言葉を頂いているので、このような発想の方がむしろ理解できません。

これらの理由により、個人再生という選択肢があるにもかかわらず、その存在すら知らされずに人生における重要な決断を下してしまっている人が多いのが現実です。もちろん条件に合わずに個人再生が利用できない人もいます。しかし、条件に合っていて自己破産を避けたいという希望を持っている人がいたら、これは説明すべきでしょう。

もし今、借金の返済に行き詰まっていて、自己破産はどうしても嫌だと思っている人がいたら、一度、個人再生が可能かどうかを検討してから判断することをおすすめします。

12月 04 2015

特定調停①

債務整理の中で、あまり目立たない手続として特定調停があります。債務整理と言えば、自己破産、個人再生、任意整理、過払金返還請求が有名で、特定調停の存在自体を知らない人もいるかもしれません。では、何故、特定調停は、それほど知られていないのでしょうか。

その理由は、任意整理でカバーできるケースが多いからです。
任意整理とは、司法書士や弁護士が間に入って、債権者と分割払いの交渉をする手続です。決着すると和解契約書を交わして、契約書どおりの分割払いをしていくことになります。

一方、特定調停は、裁判所が間に入って、債権者と分割払いの交渉をする手続です。決着すると調停調書が発行されて、調書に書かれている通りの分割払いをしていくことになります。
いかがでしょう。似ていると思いませんか。

双方にあまり違いが無い場合、今まで司法書士や弁護士は任意整理を選択することがほとんどでした。それは、裁判所に申立をする必要が無いので、全て事務所で解決できるため、手間がかからなかったからです。確かに解決できるなら、その選択は間違いとは言えません。

しかし、最近では、必ずしも任意整理では解決できないケースも増えてきています。例えば以下のような事例です。

①そもそも分割払いに応じない。強硬に一括払いを主張してくる。何とか分割をお願いしても、2回とか3回とか、到底、支払えない回数を主張する。

②分割には応じてくれるが、将来利息の請求をしてくる。今までの任意整理では、将来利息は一切無しが常識でした。最近は、大手でも将来利息の請求は珍しくありません。

何故、このような事態になったのかと言いますと、過払金請求が激増したことが背景にあると言われています。
過払金請求が激増した結果(最近は減少傾向にあるようですが)、貸金業者の資金繰りが悪くなり、回収できるものは徹底的に回収するという姿勢に変化してきたのです。

実際に上記のような主張をされてしまうと任意整理では、どうすることも出来ません。何故なら任意整理とは、あくまで任意交渉であり法的な強制力はありません。実は先ほど取り上げた①や②の事例は、法的に見れば、貸金業者の方が正しいことになっているのです。

驚く方もいるかもしれませんが、貸金業者が司法書士や弁護士の任意交渉を断って民事訴訟に持ち込んだとしたら、裁判所は貸金業者の主張通りの判決を出します。法的には、請求金額を分割にする義務は貸金業者にはありません。

ようするに任意整理が成立するかどうかは、あくまで貸金業者次第なのです。業者が強硬な態度に出た場合、交渉は打ち切るしかありません。

そこで新たに注目を浴びてきたのが、今まで目立たなかった特定調停です。

特定調停の場合、裁判所が間に入っている為、任意整理よりも強制力があります。貸金業者も無視するわけにはいきません。また、特定調停では将来利息は付けないのが原則なので、この点でも、最近の任意整理よりも有利と言えます。

実際に任意整理ではまとまらなかった分割交渉が、特定調停ではまとまったという事例はあります。今後は徐々に特定調停が増えていくのではないかと個人的には思っています。

5月 22 2015

アイフルの不当請求

またも、新たな債権者から、消滅時効期間経過後の請求の相談がありました。請求名義はアイフルですが、元の債権はライフカードです。

株式会社ライフは、結構メジャーなクレジット会社だったので、ご記憶の方も多いでしょう。ここは、アイフルに吸収合併され、旧ライフの債権はアイフルの名前で請求されています。

恐らく、ライフカードのようなクレジット会社の方が、アイフルなどの消費者金融よりもイメージが良いと感じている人は少なくないと思われますので、ライフから借りたつもりがアイフルから請求されたというのは、本人にとっては驚きかもしれません。

それにしても、消滅時効期間経過後の請求は、もはや特定の悪質な業者に限ったことではないようです。まさに「仁義なき戦い」のようになってきていますね。

前のブログでも説明しましたが、例え時効期間が経過していても、請求すること自体は違法ではありません。だから、当事務所では不当請求と呼んでいます。貸金業者側は、ダメもとで請求しておいて、その中の1割くらいが気づかずに支払ってくれればもうけものだと思っているのでしょう。

何しろ放っておけば1円にもならない債権ですから、少しでも支払ってくれれば大きな利益になります。それで大手も含めて請求に精を出しているのでしょう。

繰り返しになりますが、請求自体は違法ではないので、請求を止めるには法的にきちんとした時効援用通知を相手方に送る必要があります。何もしないで放置しておくと、そのうちに自宅への訪問や、裁判所への訴状の提出などの次の段階に進む恐れがありますので注意が必要です。

今のところ、私が作成した時効援用通知で全ての債権者の請求が止まっています。ご心配な場合は法律専門家に通知を出してもらいましょう。

より詳しい情報をお知りになりたい方は、以下をクリックして下さい
http://www.hashiho.com/aiful/

5月 11 2015

シーエスジーの不当請求

時効期間満了後の不当請求は、ギルドやアビリオ債権回収だけではありませんでした。何だか貸金業界も、なりふり構っていられなくなっているようです。今回、ご紹介するのは「株式会社シーエスジー」という債権回収業者です。

この業者は北海道が本拠地なんですが、私が受けた依頼では、非常に複雑な経緯で債権が移っていました。

元の債権はアイクという貸金業者です。アイクは、ディックファイナンス及びユニマットライフと合併してCFJという業者になります。この名前は結構聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。
そして、CFJの債権がクリバースという業者に譲渡され、さらにクリバースの債権がシーエスジーに譲渡されました。

経緯は複雑ですが、明らかに消滅時効期間が満了しているにもかかわらず不当な請求をしているという点に関しては、ギルドやアビリオ債権回収と何ら変わりはありません。

債権回収業者は元の貸金業者よりも強引なところがありますから、シーエスジーもアビリオ債権回収のように、放置しておくと裁判に訴えてくる可能性もあります。ご心配な場合は、法律専門家の名前で時効援用通知を出してもらいましょう。

2月 25 2015

アビリオ債権回収の不当請求 その2

前回もお伝えしたアビリオ債権回収の不当請求ですが、何と裁判になっているケースもあります。裁判になった場合、より注意が必要なので、詳しく説明しましょう。

まず覚えておいて頂きたいのが、「裁判所は勝手に時効について判断してはくれない」という事実です。
例え時効期間が経過していても、裁判所がアビリオに対して、「あなたの請求している債権は既に時効なので請求できません」とは決して言ってくれないということです。
債権の消滅時効とは、あくまで、請求された側が「既に時効期間が経過しているから支払いません」と、はっきりと相手に向かって主張しないと(出来れば証拠の残る形で)効果が無いのです。
従って裁判所も、被告(民事訴訟における訴えられた側)が何も言ってこないと、そのまま原告(この場合はアビリオ)の請求を認めた判決を出してしまうのです。判決が一旦出てしまったら、次には強制執行が可能になり、アビリオが、被告の給料や銀行口座などを差し押さえてくる可能性があります。

民事裁判では、何も反論しないと相手の主張を全て認めたものとみなされることになっています。ところが、一般の人は裁判になじみが薄いため、裁判所から書類が届いても、そのまま放置している場合が意外に多く、後で取り返しがつかなくなることがあります。
裁判における反論には一定のルールがありますので、一般の人には難しいかもしれません。訴えられた場合、「○○までに答弁書を出すように」という期限もあります。5年以上取引が無いのに、アビリオに訴えられたことに気付いた場合は、一刻も早く法律専門家に相談に行った方が良いでしょう。

より詳しい情報をお知りになりたい方は、以下をクリック

http://www.hashiho.com/guild/

1月 29 2015

アビリオ債権回収の不当請求

アビリオ債権回収という会社があります。
この会社は、大手の貸金業者だった三洋信販という会社の債権を譲り受け、新たな債権者として請求をしているようです。(他の貸金業者からも譲り受けている可能性があります)
しかも、悪名高いギルドと同じように、既に消滅時効期間が経過し、支払う必要の無い債権の請求までしているようなのです。(実際に相談に来られた方がいらっしゃいます)

この場合、注意する点も対策もギルドと同じです。念の為、繰り返しになりますが説明しておきます。
まず、以下の条件が成立していれば消滅時効が成立していますので、支払う必要はありません。

① 過去5年間、借入も返済も一切していない。

② 貸金業者から裁判を起こされたことがない。(支払督促や訴状などの裁判所から届いた書類は無い)

この二つを満たしていれば、消滅時効が成立している可能性は高いと思われます。

時効が成立していることが分かったら、その後、絶対に払わないことが肝心です。払ってしまうとギルドのところでも説明しましたが、後で消滅時効が主張できなくなる可能性があります。

このような業者は、支払うまで請求書を何度も送りつけてきたり、場合によっては自宅に訪問して取り立てに来ることもあります(相談者で自宅に来られたという人も何人かいます)。あるいは、裁判に訴えてくることもあります。

法的には、消滅時効が成立していても訴えることは可能です。しかも、裁判に訴えられた場合、何も反論せずに放置してしまうと貸金業者側の言い分が認められてしまい、取り返しのつかないことになる可能性があります。(本人には時効を主張する意思が無いと裁判官に判断されてしまうのです)

時効とは勝手に効果が出るものでなく、相手方に「時効が成立しているから支払わない」ときちんと主張して始めて効果が出るものなのです。

請求に対して不安を感じている人は、一度、法律家に正式な書面を送ってもらった方が安心できるかもしれません。今のところ、私が書面を送ってから、再度請求してきたケースはありませんから。

より詳しい情報をお知りになりたい方は、以下をクリックして下さい
http://www.hashiho.com/guild/

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