司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2017年12月

12月 25 2017

残業代請求⑰ 残業代の時効期間は変わらない

2020年4月から民法が改正されます。その中で短期消滅時効の規定が大幅に改正されて、5年に統一されることになっています。

今までは、飲食代のツケやホテル代などは1年、塾や習い事の月謝は2年、医療費は3年など、バラバラに決められていて、複雑で分かりにくいとされていた為です。

では未払い残業代の請求権の2年という時効期間は、どうなるのでしょうか。

実は、未払い残業代に関しては、時効期間は2年のまま変わりません。何故でしょうか。

理由は、残業代の時効期間は民法ではなく労働基準法の規定だからです。労働基準法が改正される訳ではないので影響を受けないのです。

ですから、2020年4月からは5年分請求できるのでは、と思った人には残念ですが、残業代の請求期間は今までどおり2年間となります。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/overtime/

12月 14 2017

時効(28) 引田法律事務所の「通知書」

前にも本ブログでご紹介した引田法律事務所ですが、「受任通知書」が届いた後、しばらく放置していると、次に「通知書」という書類が届く時があります。

この通知書、以下のような文章が書かれていることが多いです。

「当職は、株式会社日本保証(以下、「通知会社」という)の代理人弁護士として、貴殿に対し通知します。
過日、当職において貴殿宛に受任通知を発送しておりますところ、遺憾ながら現在に至るまで貴殿との間で話し合いによる解決に至っておりません。
当職としましては、基本的には話し合いによる解決を念頭においております。よって、本書面回答期限であります、平成〇年〇月〇日までにお支払い、又はご連絡をお願い致します。
回答期限内に連絡を頂けない場合、通知会社の判断により、貴殿の資産(不動産・預金など)に対する仮差押、訴訟提起等の法的手段を講ずることもありますので、本書面をお読みになりましたら、速やかに当職宛にご連絡を下さいますよう、お願い申し上げます。」

法律事務所らしく、法的に正確な表現には気を使っているので、読み取れることがあります。途中にある「仮差押」や「訴訟提起」という言葉に注目して下さい。
この言葉からは、過去に裁判手続は行われていない可能性が高いことが分かります。何故なら、行われていれば判決等が出ていて、次に行われるのは「差押」になるからです。

あと、通知書の2枚目にも重要な情報があります。
「支払の催告に係る債権の弁済期」という項目と「最終貸付年月日」という項目が見つかるはずです。

この二つの日付の両方ともが5年以上前だった場合、消滅時効で解決できる可能性が非常に高くなります。
該当すると思われた場合は、業者に連絡する前に、時効に詳しい専門家に相談しましょう。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/shometsu/

12月 06 2017

個人再生(39) どうしても自己破産したくない人へ

多くの人が、借金で困った時に、一度は頭をよぎるのが自己破産だろうと思います。法律が改正され利率が下がった為、以前に比べて過払金で何とかなる人は、右肩下がりで減少しており、最近では自己破産が増加傾向にあります。しかし、自己破産以外にも個人再生という債務整理の手段があることは、あまり知られていません。これは非常にもったいないことだと私は思います。

自己破産には様々な制約があります。例えば以下のようなものです。

(1)「同時廃止」と「管財事件」という2種類があり、管財事件に回されると裁判所に払う費用(弁護士・司法書士費用とは別です)だけで40万近くかかります。また、破産管財人が選任されて、管財人によって細かい財産調査を受けることになり、期間も長くなります。一方、同時廃止の場合は、裁判所に払う費用は通常5万円以下で、破産管財人も選任されません。

(2)上記のような理由で同時廃止を望む債務者が多いのですが、裁判所は同時廃止をなかなか認めない傾向があります。特に最近はその傾向が強くなっています。

(3)同時廃止にする為には、手持ちの財産総額(現金・預貯金・保険・車・退職金の一部・不動産など)が40万円以内であることが最低の条件になっています。また、浪費・ギャンブルなどが借金の大半を占めている場合も認められないケースが多いです。

(4)過去に自営業や会社の経営者になっていた場合も、同時廃止が認められないことが多いです。現在、自営業や経営者の場合は、ほとんどが認められません。

(5)同時廃止であっても、裁判所に債務者が呼び出され、裁判官と面談することが2回もあります。(1回ですむこともたまにありますが、最近は少ないです)

これらの理由により、自己破産は使いにくい制度になっているのが実情です。他にも「イメージが悪い」というのも、自己破産を避けたい大きな理由の一つになるでしょう。

これに対して個人再生は現在、非常に使いやすい制度になっており、お薦めです。具体的に説明すると以下のとおりです。

(1)個人再生とは、借金を5分の1、または100万円まで強制的に減額して、無利息3年36回払いで毎月支払っていくという非常にお得な制度です。

(2)裁判所に支払う費用は通常5万円以下です。たまに(1割くらい)、これ以上になる場合がありますが、それでも15万円以下です。最近は、高額になるケースが減少傾向です。自己破産は高額になるケースが増加傾向なので、逆になっています。

(3)通常は、債務者が裁判所に呼び出さることは1回もありません。書類の提出だけで進行していきます。たまに(1割以下)、呼び出されることがありますが、非常に少ないです。

(4)借金の原因は問われません。全額ギャンブルや投資の損失などでも借金を減らすが出来ます。

(5)同時廃止のような手持ちの財産制限がありません。財産を換金する必要もありません。ただ減額した借金の額と財産総額を比べて、財産総額の方が高かった場合は、分割払いの支払いが多くなることはあります。

(6)住宅ローンがある人は、住宅ローンをそのまま払い続けながら、他の借金だけを減らすことが可能です。ようするに、住宅を失わずに借金を大幅に減らすことが出来るのです。これは、個人再生だけに認められている大きなメリットです。

このように個人再生は自己破産にはないメリットがたくさんあります。しかし、比較的新しい制度なので、経験している専門家が少なく、自己破産ほど知られていません。丁度、医療で言えば、最新の治療法のようなものだと思って頂けると近いと思います。「最新の治療法を使えば、今まで救えなかった人も救えるようになる」というイメージです。

専門家も、自分があまり経験していない制度はすすめにくいという事情もあるでしょう。しかし、債務者にはそんな事情は関係ありません。

「専門家に相談に行ったら、自己破産をすすめられた。しかし、どうしても破産は嫌だったので、セカンドオピニオンを聞くつもりで、他の事務所の無料相談を受けてみた」。このような方が私の事務所にはよく訪れます。そして、個人再生の話を聞くと、「そんな方法があったんですか、全然教えてもらえなかった。」と言って、驚かれる方が多いです。

どうしても自己破産が嫌な人は、一度、個人再生で解決できないかを検討してみることを強くおすすめします。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/kojinsaisei/