司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2018年1月

1月 31 2018

時効(31) アビリオ債権回収の期限の利益喪失日は間違っている場合がある

以前にアビリオ債権回収は、訴えてきた場合、支払督促を多用する業者であるという話をしました。この支払督促で非常に問題のある事例がありますので紹介しましょう。

支払督促には通常、「請求の趣旨及び原因」というページに「期限の利益喪失日」という項目があり、この日付から5年以上が経っていれば消滅時効が完成しているというのが一般的な取り扱いです。従って、この日付を目安にして、専門家に頼むか頼まないかを決めている人も多いのです。

しかし、アビリオ債権回収が送ってくる支払督促の中に、この期限の利益喪失日が間違っているものがあるのです。明らかに5年以上経っているにもかかわらず、5年以内の日付が記載されているのです。これは故意にやっていたとしたら非常に悪質です(真相は分かりませんが)。

例えば、最後の支払いが10年以上前なのに、アビリオが債権を譲り受けた最近の日付が記載されていた支払督促を実際に見ています。こんな単純なミスをするものだろうかと疑いたくなるのは私だけでしょうか。

従って、アビリオ債権回収から支払督促を受け取った人は期限の利益喪失日だけを見て判断するのは危険です。

私がおすすめするのは、支払督促の後ろの方に必ず添付されている計算書を見ることです。これは取引の経過が詳細に書かれています。計算書の最後の取引(貸付または返済)の日付から5年以上経っていたら消滅時効の可能性はあります。あきらめてはいけません。

このようにアビリオ債権回収からの支払督促には注意が必要です。自分では良く分からないので心配だと思われた方は、支払督促が届いた時点で、まずは時効に詳しい専門家に相談しましょう。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/guild/

1月 29 2018

時効(30) クレディアの「最後通告書」

静岡県に本社がある株式会社クレディアから「最後通告書」というタイトルの書面が届くことがあります。書面の内容は、だいたい以下のようになっています。

最後通告書
日頃弊社をご利用頂きまして誠にありがとうございます。
再三の請求にもかかわらず、未だ貴殿よりお支払頂いておりません。長期にわたり債務不履行の状態が継続しております。貴殿にも相当なご事情があるものと察しますが、このままの状況が続きますと、法的手続等の検討をせざるを得ません。つきましては、平成〇年〇月〇日までに「ご請求金額欄」に表記しております金額をお支払い下さい。また、期日までにご返済が困難な場合、返済計画のご相談を承りますので、弊社窓口までにご連絡願います。尚、本書は、平成〇年〇月〇日現在で作成しておりますので、本書と入れ違いにご入金されている場合は、ご容赦願います。

注目して頂きたいのは、上記の文章の後の「ご融資の契約内容」という欄と、「本書作成時点での残存債務の額」という欄です。

まず、「ご融資の契約内容」の中に「最終貸付年月日」という項目があります。あと、「本書作成時点での残存債務の額」の中に「約定返済日」という項目があります。

この最終貸付年月日と約定返済日の両方ともが5年以上前ならば、借金の消滅時効期間が過ぎている可能性が高いです。ただし、消滅時効期間が過ぎていても借金の請求は法的に可能なので、法的に正確な時効援用通知を送らないと請求は止まりません。放置すると、訴えられる可能性もあります。

5年以上経っている場合は、消滅時効に詳しい専門家に急いで相談して下さい。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/shometsu/

1月 22 2018

任意整理(25) 夫が個人再生、妻が任意整理で解決

以前に夫の個人再生で借金を5分の1に減らして解決した方の妻から2年ぶりくらいに連絡があり、「実は私も最近、借金が増えてしまったので何とかならないか」という相談を受けました。

夫の個人再生の時点で家計簿をチェックしていたので、その時は妻の借金はそれほどでもなかったのですが、その後、夫が転職したらしく、しばらく給料の無い時期があり、その際に妻の借金が増えてしまったようです。

具体的には、クレジット会社が5社、消費者金融が1社で、合計残高が約143万円でした。業者はUCSカード、楽天カード、セディナ、イオンクレジット、三井住友カード、アイフルです。

せっかく夫の個人再生が認可されて、あと1年ほどで支払いが終わる状況だったので、今のままでは夫の支払いも滞ってしまうので何とかしたいという強い要望でした。

相談を受けた直後は妻も個人再生をしたらどうかと提案しましたが、一つ問題がありました。自動車の名義が妻だったのです。

個人再生の方が借金の減額は大きいので支払いは楽になります。しかし、自動車ローンが残っている状態で個人再生を行うと、自動車はローン会社に引き上げられてしまいます(これは自己破産の場合も同様です)。ローンが無い状態なら自動車は残りますが今回は違いました。また、妻名義の自動車を夫が通勤に使っているという事情もありました。

こういう場合、引き上げられた後、中古車を購入するという手段がありますが、夫婦とも新たなローンが組めない状況なので一括購入しかありません。そんな資金はとても用意できないので、他の方法を考えてほしいと言われました。

そこで、支払額は個人再生より増えますが、自動車の引き上げはしなくても済む任意整理を提案しました。

殆んどの業者が利率の低い時期に借りているので、利息制限法に引き直しても、ほとんど残高は変わりません。ただ、司法書士が代理人となって任意整理をした場合、分割払いに対して利息が付きませんので(無利息分割)、トータルの支払額はかなり減ります。

また、司法書士が受任通知を出してから、和解契約が成立するまでの数か月の間、業者からの連絡は全て司法書士に行き、合法的に支払いが止まった状態になります。これが気持ち的にはすごく楽になり、冷静に考えられるようになるという人が多いです。

このことを説明したところ、「任意整理でやってほしい」という依頼を受けました。

そこで各社に受任通知を出して取引履歴を入手したところ、やはり予想通り残高はほとんど変わりませんでした。そのことを妻に報告して、分割払いの交渉に移ります。

最近は業者の経営も厳しく、より短期間の分割を主張してくる場合も多くなってきているのですが、「それでは自己破産になってしまう。そうなったら業者の方も得はしないでしょう」と説得して、何とか6社全てに3年分割を認めてもらいました。

自動車も残り、夫の個人再生も続けられる目途が立ち、非常に満足して頂けたようで何度も感謝されました。とても良い解決になったと思っています。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/ninniseiri/

1月 12 2018

銀行預金を差押えられた後の入金は、どうなるのか。

借入金や税金の滞納で銀行預金を差押えられることがあります。この場合、差押えられた後に給料や年金などが同じ口座に入金されたら、どうなってしまうのでしょうか。このような質問を良く受けます。

結論から言うと、「差押後に入金された金額には、差押の効果は及ばない」ことになります。従って、差押の後に入金された給料や年金は問題なく引き出せるということです。

これが給料の差押との最大の違いになります。給料の差押の場合、差押金額に足りない場合、給料の一部がずっと差し押さえられたままになります。差押金額分が差し引かれるまで、給料の差押は終わりません。

一方、銀行口座の差押は、差押が入った瞬間に口座に残っていた金額以外には効果が及びません。その後の入金は関係ないのです。

これは差押をする方にとってもリスクがあります。もし差押をした時に銀行口座がゼロだった場合、差押は空振りに終わり裁判費用が無駄になります。だから、もし給料と口座の両方が分かっていた場合、債権者はほぼ間違いなく給料の差押を選択します。

差押には、このような特徴がありますので覚えておきましょう。

より詳しい情報が知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/credit/kyosei/

1月 10 2018

時効(29) 新生パーソナルローンの「御通知」

新生パーソナルローンは「シンキ」という消費者金融が新生銀行グループに吸収されて出来た会社です。シンキから昔、借り入れていた人は、この会社名で請求が来ますので、架空請求と間違えないように注意しましょう。

新生パーソナルローンからは「御通知」というタイトルの書面が届くことがあります。内容は以下のようなものです。

「平素は弊社とお取引いただきまして誠にありがとうございます。
さて、弊社とのご契約にもとづくご返済の件につきまして、本日現在ご入金が確認されておりません。このような状態が続きますと、お客様の負担が大きくなるばかりか、ますます解決が困難になります。
そこで、ご返済額(残高)の見直しを提案させて頂き、お客様の負担軽減に努めさせて頂きたいと考えております。下記記載の金額を期限迄にご返済頂ければ、弊社との取引は終了となります。
下記金額の一括のご返済が困難な場合は、下記担当者までご連絡頂ければ今後のご返済の相談に応じることも可能です。」

上記の文章の下に現在の利息・損害金込みの金額(たいていはかなりの高額)と、ご提案額としてかなりの割引をした金額の両方が記載されています。

何も知らない人が見ると、「こんなに割引してくれるのなら、さっさと支払って終わらせてしまおう」と、つい連絡をしてしまいたくなる文章です。

しかし、早まってはいけません。これは業者の罠かもしれないのです。
実は、このような書面を送られた債務者の中のかなりの人が、既に消滅時効期間が経過していて、正式な法的書面を送ることで支払いを免れることが出来る可能性があるのです。

業者に電話をして、「いついつまでに支払います」と支払いの約束をしてしまい、それを万が一、相手に録音されていたりしたら、せっかく消滅時効期間が経過していても、支払義務が復活してしまう可能性もあります。(だからこそ業者は、電話をかけさせるために割引額を提案しているとも言えます)

長期間支払っていなかった人は消滅時効の可能性があります。まずは業者に連絡する前に、時効に詳しい専門家に連絡しましょう。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/shometsu/

1月 04 2018

離婚による財産分与の不動産登記(名義変更)

離婚による財産分与で不動産を譲り受けた場合、不動産登記(名義変更)をする必要があります。この際、二つ注意すべき点があります。

一つは、協議離婚の場合、「不動産の登記に相手方の協力が得られるのか」という問題です。

協議離婚の場合の不動産登記(名義変更)は、相手方の実印、印鑑証明、権利証(登記済証・登記識別情報)が必要になりますし、依頼を受けた司法書士が相手方と本人確認のために面談することも必要です。貰い受ける人の単独では出来ません。円満離婚なら問題ないかもしれませんが、相手方と険悪な雰囲気になっていたとしたら不動産登記(名義変更)に協力してもらうのは難しいかもしれません。

一方、裁判所の調停・審判・訴訟などによる離婚の場合は、裁判所の判断が出るまでは大変ですが、判断が出た後、不動産の所有権を財産分与により譲るという結果が得られれば、相手方の協力は不要になります。

結果の書かれた裁判所の調停調書・審判書・判決正本などを添付していけば、貰い受ける人の単独で登記を行うことが可能です。もちろん司法書士による相手方の面談も不要です。

二つ目の注意点としては、贈与税の問題です。
通常は財産分与で不動産を貰い受けても贈与税はかかりません。財産分与とは今までの夫婦の財産を清算するのが目的だからです。

しかし、夫婦の財産を清算するよりも多いと思われるような財産の場合、税務上の財産分与とは認めてもらえない可能性があります。その時は、超えた分に関しては贈与税の対象になるかもしれません。

このように財産分与と言っても気を付けるポイントがありますので、事前に専門家に相談するのが間違いが無いと思います。