今回は家計の支出の中でも住居費と並んで大きな割合を占める自動車について考えてみましょう。
実は、自動車というのは想像以上に大きな支出になっています。車両本体が高額商品であることは、もちろんですが、それよりも家計に影響を与えるのが巨大な維持費です。自動車が他の商品と決定的に違うのは本体価格以外に維持費が、ばく大にかかってくることなのです。
だからと言って私は自動車を否定している訳ではありません。地域によっては自動車が無ければ生活出来ない場所もあるでしょう。仕事で自動車が必要な人も、もちろんいるでしょう。ここでは、自動車にかかっている費用について良く考えてもらって、少しでも負担を減らせるように参考にして欲しいのです。
では具体的に維持費が、どの位かかるのか分析してみましょう。ここでは愛知県で小型乗用車に乗っている場合で考えてみます。改めて見てみると驚いてしまう人も多いと思います。
まず、車検費用が2年ごとに約10万円かかります。1年で約5万円となります。(他に消耗品の交換などがあった場合は、追加費用が加算されます)
ほとんどの人が任意保険に入るでしょうから、これが毎年で約5万円です。(車両保険に入らなければ、もっと安くなるでしょうが、その時は、もし事故を起こした場合は大変な出費になることを覚悟しなければなりません。私はオススメしませんが)
次に駐車場代があります。都会の便利の良いところなら月に2万~3万円、郊外なら月に5000円~1万円でしょうか。これは毎月かかってきますから1年では、かなりの金額になってきます。
そして馬鹿にならないのが毎年納付する自動車税です。2リッター以下の小型車でも年間2万5000円~4万円支払うことになります。(車というのは税金の塊で主なものでもガソリン税、自動車税、自動車重量税と何段階にも分かれて取られています。最初にナンバーをもらう登録費用も役所に払うのだから利用者から見れば税金みたいなものですね)
他にオイル交換、バッテリー交換などの定期的なメンテナンス費用がかかります。年間に直すと1万5000円くらいでしょうか。
そして忘れてならないのがガソリン代と高速料金です。高速料金は今でこそ安くなってきましたが、ガソリン代は昔よりも高くなっています。走行距離の長い人なら月に2万円~3万円くらいかかるのではないでしょうか。
これらの維持費を1年にならしてみると、何とトータルで50万円近くかかっているのです。これは小型車の場合ですから大型車に乗っている場合は60万~70万かかっているでしょう。こうして計算すると、びっくりしてしまった人も多いのではないでしょうか。しかも、この維持費に加えて車両本体のローンも払っている人が多いのですから、以下に家計の負担が重いか分かって頂けたかと思います。
もし、都心の交通の便利な地域に住んでいる人なら思い切って自動車の無い生活を考えてみるのも良いと思います。その覚悟が出来れば、維持費とローンを合わせて年間で100万円近い負担が家計から消えるのです。この生活を10年続ければ自動車を持った時と比べて、何と1000万円もの余裕が家計に生まれることになります。どうでしょうか。考えてみる価値が出てきたと思いませんか。
ただし、この方法は郊外の交通の不便な地域の人は残念ながら使えません。これらの人の場合は、私は軽自動車への乗りかえをオススメします。理由は何と言っても維持費が安いからです。
それでも車好きな人は軽には抵抗があるという人もいるでしょう。そういう場合は次のように考えたらいかがでしょうか。「長い車人生の中で、一時くらい軽に乗ることがあっても良い。いつかまた収入が戻ったら好きな車に乗れば良い」と。このように考えれば、むしろ「いつかまた、好きな車に乗るぞ」と逆に励みになり頑張る意欲が沸いてきませんか。(是非、そうなって欲しいものです)
一方、家計が苦しい時に良く間違う方法に、「収入が減ったから中古車に買い換えよう。でも中古車なんだから前よりも、ちょっと良い車に乗ろう」というものです。これが何故、間違いかというと、中古車であろうと維持費は変わらないからです。むしろ前よりも大型車を選んでしまったら維持費は余計にかかってくることになります。本体価格を下げても家計の負担は大して変わらなかったり、それどころか負担が増える場合があるかもしれません。自動車という商品は常に本体価格と維持費の両方を念頭において考えなくてはなりませんので注意が必要です。
では次回は生命保険について考えてみましょう。
久々のシリーズ再開です。今回は家計の支出の削減についてですが、その中でも固定費の削減について考えてみます。
家計には固定費と変動費と大きく分けると二つの支出があります。このうち固定費とは毎月(毎年かもしれません)決まった額が出て行く支出のことで例えば税金や保険、教育費、車検費用、駐車場代、住宅ローンや賃貸料、新聞代などが代表的なものです。しかし、これ以外にも、その人にとって必ず毎月支出することが習慣になっていれば、それは固定費と考えるべきでしょう。例えば、飲み代やタバコ代、子どもの習い事、旅行代なども事実上、固定費になってしまっている人が多勢いるのではないでしょうか。
不思議なもので、人は固定費だと認識してしまうと、その費用は聖域となってしまい、削減の対象からはずれてしまうという習性があります。(誰でも思いあたるところがあるのではないでしょうか)。実は自分が削りたくないという気持ちが先にあるのですが、いつのまにか、「これは固定費なんだから削ることは出来ない」と最初から除外してしまうのです。
そこで次に始まるのが変動費の削減です。変動費とは月によって支出の金額が大きく変わる、あるいは支出しない月もあるという費用です。
もちろん変動費も削らないよりは削った方が良いのですが、たいていの場合、たいした支出の減額にはならない事が多いのです。何故なら、その人にとって、あまりコダワリがないからこそ変動費になっているので、人はコダワリがないことには大きな支出はしないものだからです。
従って、収入が急激に減ったときの家計の絞り込みに最も効果があるのは固定費の削減だということに気付かれると思います。しかし、「言うは安く行うは難し」のことわざにもあるように、これがなかなか大変で覚悟がいる為に、多くの人が支出の削減に失敗してしまうのです。
では次回は固定費の中でも最大の部分を占める、自動車について考えてみましょう。
私が受けた事件が先週の18日(火)にCBCの夕方のニュースで流れたので、報告したいと思います。
事件の内容は、私の依頼人が年金担保金融(悪質なヤミ金融の一種ですね)から借金をしていて、年金が振り込まれる通帳を業者が強制的に預かって、返済と称して勝手に通帳から引き出しているというものです。もちろん、通帳を返してくれと言っても返してくれません。
ちなみに年金を担保に取ることは違法行為であり、相当に悪質です。私は、この依頼を受けた後、最初は通帳の返還を要請しましたが、一向に応じないので、愛知県警に告発しました。
警察が調査したところ、依頼人以外にも同じ被害を受けている人が相当数いることが分かり、警察も本腰を入れて捜査に乗り出したようです。
かなり念入りに捜査したらしく、告発してから半年ほどかかりましたが、この度、逮捕となったようです。
それにしても、まさか自分が扱った事件がニュースになるとは思いませんでした。
さて、本日から新シリーズとして、多重債務から脱出する為には、そもそもどのように生活をしたら良いのかを考えてみたいと思います。
多重債務を抱えてしまったら、まずは専門家に債務整理を依頼して債務自体を圧縮するか、あるいは無くしてしまうことが最初に取るべき方法です。しかし、それだけでは充分ではありません。そもそも何故、多重債務に陥ってしまったのか、その原因を探って家計の見直しを行わなければ再び苦しい状態に戻ってしまいます。この部分は専門家に頼るのではなく、自分自身が気がついて直す努力が必要です。気がつく為の手助けとして、このブログを役立てて下さい。
では何故、普通の人が多重債務に陥ってしまうのでしょうか。私が何人もの多重債務者を見てきた中で、最も多いと思われる原因は以下のようなものです。要は「急激な収入の減少に意識が追いついていかない」というものです。
意外に思われるかもしれませんが、もともと収入が低かった人は案外、多重債務にはなっていません。もし、なっていたとしても借りている業者の数は意外に少なかったりします。いわゆる、一般に知られている多重債務(5社~10社、あるいはそれ以上)から借りている人は、大抵、過去にある程度の収入があった人が多いのです。
これは、もともと収入が低かった人は余り無理をせず、低い収入の中で見合った生活をしている人が多いからだと思われます。ところが、収入が多い時期を経験すると人は、その収入に合わせて贅沢をするようになります。その収入が維持されていれば問題ないのですが、最近の不安定な景気の状況では突然、収入が激減することがあります。この急激な変化に意識がついていきません。今までの生活レベルを収入の変化と同じスピードでは変えられない人が多いのです。
その結果、収入が下がっているのに、支出が変わらない訳ですから必然的に家計は苦しくなります。こういう時に貸金業者の誘惑に負けてしまうのです。
この時の心理状態として考えられるのは、「収入が下がったのは一時的なもので、また元に戻る。その時に返せば問題無い」というものでしょう。この考え方自体は私は責められないと思います。もう二度と収入が上がらないと、あきらめてしまうよりは前向きだと思うからです。しかし、大事なのは、「今は収入が下がっているのは確かなのだから、次に収入が上がるとしても、それまでは支出を切り詰めなければならない」という発想を同時に持つことです。
では、原因が分かったところで、どのように支出を切り詰めれば良いのでしょうか。次回から、支出の削減について考えてみましょう。
本日は面談の内容についての私の意見です。
面談の内容で私が最も大切だと思っているのは、その時点で予想されるデメリット(マイナス部分)について説明するということです。依頼人と専門家の間の、ほとんどのトラブルは、このデメリットを説明していなかったことで発生していると思います。
例えば、よくあるトラブルとして以下のようなものがあります。
①任意整理で事故情報について聞いていなかった。(債務が残る任意整理では事故情報に載ります)
②過払金が必ず発生していると言われたが取引履歴が届いて計算してみたら過払いではなかった。
③処理スピードが早いことを強調していたのに頼んでみたら半年以上かかった。話が違う。
④過払金は満額取り戻すと言っていたのに、元金以下の金額で和解された。
以上が最近多いトラブルだと思いますが、いずれも事前に説明を受けていれば苦情にはならなかったでしょう。
中には、きちんとデメリットを説明すると、「そんなはずはない」とか、「それは、お前の腕が悪いからだ」とか言ってくる人が一部います。こういう場合は依頼する側にも問題があるケースですが、多数派ではありません。
もちろんデメリットを説明することで依頼を止めてしまう人もいます。これは仕方がないでしょう。デメリットの説明に消極的になる事務所は恐らく、これを嫌がっているのだと思います。しかし、一時的に気持ちの良い思いをしたとしても、結果として、どちらが信用できる事務所でしょうか。このブログを読んでいる皆さんも良く考えてみて下さい。
ただし、ここに書いたデメリットの説明は、あくまで予想できる範囲内のことです。デメリットの中には予想外のこともあります。特に最近は業者の経営状態が悪化している為に、業者が短期間に態度を変更してきます。2ヶ月前に通用したことが今月は通用しなくなったということが現実に起こっています。これは専門家の責任ではありませんので、どうか皆さん勘違いしないで下さい。(業者が倒産した場合も予想できないケースに含まれるでしょう。今や、ほとんどの業者が倒産しても、おかしくない状況なので、怪しいと言えば全ての業者が怪しいのです。しかし、正確に何月に、どこどこの業者が倒産するということを予測することは不可能です。)
いずれにしても、説明を聞いてみてメリットばかりしか言わない事務所は要注意だと思います。(これは、そのまま広告・宣伝にも言えることです)
さて本日は久しぶりに前のシリーズに戻ります。面談(1)では「面談は必要か」というテーマで話をしました。今回は面談のやり方に焦点を当ててみたいと思います。
面談のやり方で最初に問題になるのは面談の時間でしょう。面談に、どれだけの時間をあてているかということです。これは、あくまで私の意見ということになりますが、債務整理の場合最低でも30分、出来れば1時間くらいはかけるべきだと考えています。
事務所の中には10分や15分で済ませるところもあるようですが(特に大量に引き受けている事務所に多い)、私の経験上、それだけ短い時間だと依頼人との信頼関係が築きにくく、結果的に依頼人に不満な感情が残ってしまう場合があるように思います。
もし30分以内で終わらせようと思うと、事務所の用意した必要事項の質問で終わってしまい、依頼人が自ら話す機会は、ほとんど取れないでしょう。そうなると、依頼人としては「自分の話を聞いてもらえなかった」という不満が、どうしても残ってしまうのです。
もちろん、長々と自分の話を続けて、いつまでも話が終わらない人も中にはいますので、長ければ良いと言っている訳ではありません。あまりにも解決に関係ない話を長くされる場合は、専門家の判断で時間を短くする場合は、あってよいでしょう。要するに長いのも短いのも極端は良くないということです。
ちなみに私の場合は、任意整理・過払請求の時は約30分~1時間、自己破産・個人再生の時は約2時間~3時間くらいを目安としています。
あと、面談の最中に、やたらと依頼人を怒る専門家がいるようですが、これも程度によっては問題ではないかと考えます。
どうも一部の弁護士さんに、こういう方がいるようで、その後で私の事務所に来られて、怒られた時の文句をさんざん聞かされたことが何回かあります。もちろん、温厚な弁護士さんもいますから全てという訳ではありませんが。(何故か、この手の文句は弁護士さんが相手のことが多いです。やはりプライドが高いんでしょうか)
もちろん時と場合によりますから、依頼人を叱ることを100%否定する訳ではありません。例えば、「あなたは今のままで放っておくと本当にマズイことになるよ」と説得したい時や、「それは法的には無理です」と言っても全く聞かずに違法行為でも「やってくれ」と迫ってくるような場合は、多少きつい言い方になっても仕方がない場面はあるとは思います。しかし、債務整理に来る人を見下したような怒り方をする専門家のいる事務所は、避けた方が良いでしょう。
次回は面談(3)として、面談の内容について説明します。
長らく、お待たせしました。久々のブログ再開です。移転作業で、しばらく、ばたついていましたが、ようやく落ち着いてきました。新しい事務所でも、今後とも、よろしくお願いします。
という訳で、本日は新事務所の宣伝をさせて頂きます。
まず、交通の便が格段に良くなりました。今までは、公共交通で来訪される方には不便をかけていましたが、これからは地下鉄で簡単に来れるようになります。一度、来て頂ければ分かりますが、本当に駅から至近距離です。塩釜口の2番出口の階段を上がって左を向けば目の前にセブンイレブンが見えます。そのビルの6階になりますから文字通り徒歩1分です。(現実には1分もかからないかも)
塩釜口は鶴舞線の駅ですが、鶴舞線は東は名鉄豊田線、北は名鉄犬山線と、つながっています。要するに乗りかえ無しで豊田線や犬山線から来ることが出来ます。今までも豊田・三好方面からの依頼は比較的に多かったのですが、今後は小牧・江南方面からも来やすくなりました。
また、今まで通り車で来訪される予定の方は「名古屋市内で駐車スペースがあるのか」と心配されるかもしれませんが、その点は安心して下さい。ビルの真横にコインパーキングがあります。依頼を受けた方、これから依頼を受ける方に関しては、駐車料金のサービスも行っております。
住所だけを見ると日進市から名古屋市ですから三河方面の方には遠くなったようなイメージがあるかもしれませんが、実際には、国道153号線から余り離れていません。153号を名古屋方面に走っていると途中に「植田一本松」という交差点があります。角にマクドナルドがある交差点と言えば思いつく人も多いのではないでしょうか。その交差点から車で5分くらいの場所になります。153号を通ってくる場合は、日進市の事務所と時間的には余り変わりありません。
より便利になった橋本司法書士事務所を今後とも、よろしくお願い致します。
主要消費者金融のプロミスが全国にある有人店舗を全て廃止して、今後は自動契約機かまたはネットでの取り扱いになることを発表しました。更に従業員を3割カットすることも発表しています。
プロミスは不審が続く消費者金融業界の中では、三井住友銀行と提携していることもあって、比較的、経営が安定していると思われていました。今回の発表はプロミスでさえも金融不況の影響からは逃れられなかったという象徴的な出来事になりそうです。
銀行と提携していることもあって、倒産するという噂は流れていませんが、裏を返せば、プロミスでさえも、この状況ならば他の消費者金融は相当に危険という考え方も出来そうです。
果たして3年後には、いくつの消費者金融が残っているでしょうか。
本日は面談について私の意見を述べてみます。
まず、やり方について考える前に、そもそも面談が必要かという問題を考えてみましょう。何故ならば、東京に本部がある一部の大型事務所の中には、電話と書類の郵送だけで一度も面談をせずに処理してしまうところもあるからです。果たしてこれは良いことなのでしょうか。
結論から申し上げると、このような面談無しの引き受けは、現在は許されておりません。昨年、日本弁護士連合会(日弁連)及び日本司法書士会連合会(日司連)が出した通達によれば、「債務整理の際に、依頼人と直接、面談をすること」という規定が入っています。少なくとも、面談無しの債務整理は、この規定には違反することになります。
では、私の意見はどうかと言うと、債務整理を引き受ける場合は、やはり面談は必要だと考えます。
私がそう考える理由は二つあります。一つは依頼人に対する本人確認の必要性です。例えば次のような依頼があったと考えて下さい。遠方の方で(私は愛知県ですから、ここでは九州辺りを想像して下さい)自分の家族に10年以上、消費者金融と取引があって最近、完済した人がいたとしましょう(このケースでは間違いなく過払いになっています)。この人が引き出しから家族の書類を、こっそり出して、あたかも自分が過去に取引をしていたように偽って愛知県の司法書士に過払金請求の依頼をしたとするとどうでしょう。郵送と電話だけで果たして見破れるでしょうか。直接会わない本人確認とは、やはり危険が伴うのです。
私が面談不要論に否定的な、もう一つの理由は、依頼人の方からも司法書士を確認できないということです。
そもそも電話や郵便で対応しているのが本当に広告や宣伝に登場している司法書士なのかどうかは分かりません。会ったことが無い訳ですから確認する方法がありません。ひょっとしたら資格を持っていない、ただの従業員かもしれないのです。
以上のような理由から私は、引き受ける場合は面談は必要だと考えています。皆さんは、どう思われるでしょうか。
では、次回は「面談」の続きとして、面談のやり方に焦点を当てて話をしましょう。
本日は、「仕事の選り好み」について話しましょう。
債務整理と言えば大きく分けて「任意整理」「過払金請求」「自己破産」「個人再生」という種類があります。「過払金請求」を「任意整理」に含める時もありますので、その場合は3種類になる訳です。ところが事務所の中には債務整理に強い事務所を宣言しておきながら、上記3種類の仕事に、きちんと対応していないところがあると聞いています。こんな事務所は、私は警戒した方が良いと思っています。
最も良く聞くのは、「任意整理」、特に「過払金請求」だけに特化して他は受け付けない事務所です。実際に、個人再生や自己破産の案件だと分かった時点で断られて、私の事務所に回って来た人が何人かいます。このような取り扱いは、やはり誠実とは呼べないでしょう。
それでも任意整理だけは受け付けるのならば、まだマシな方で、もっとひどい事務所になると、取引履歴を計算して過払いになったところだけ引き受けて、債務が残ったところは引き受けないという事務所もあるそうです。(ここまでいくと、最早、不誠実を通り越して問題のある事務所と言った方が良いでしょう)
このような取り扱いが何故、問題かと言うと、依頼を受けた段階では「過払金請求」だけで解決するかどうか分からない場合があるからです。その場合、一旦、引き受けてもらったにもかかわらず途中で放り出されることになってしまいます。
やっかいなのは、このような実態が広告宣伝からは分からない場合があることです。一応、広告宣伝には全ての債務整理業務に対応すると書かれていて、それを信用して訪問したら前述のような問題が発生したということが、ありうる訳です。
全ての債務整理業務に対応しているかどうかは、真面目に取り組んでいる事務所かどうかを判断する有力な目安となりますので、注意してみて下さい。
では次回は「面談のやり方」について話をしましょう。
皆さん、明けましておめでとうございます。さて、本日は司法書士事務所の料金について私の感想を述べてみます。
現在、司法書士と弁護士の料金は自由化されています。事務所ごとに料金が違っていても構わない訳です。私は個人的には料金の自由化には賛成の立場です。事務所ごとに法的サービスの内容が異なっていれば料金が違うのは、むしろ自然でしょう。もちろんサービスの内容が同じでも事務所の方針で料金を変えるのは認めるべきでしょう。そうしないと安く提供する自由が無くなってしまいますから。一方、他の事務所には無い付加価値を持っている事務所は高い料金を取ることも許されるべきでしょう。
従って、料金で問題が起こるのは高いか安いかでは無いと私は思っています。では何が問題かと言うと、それは「料金の透明化」だと思います。
要するに事前に自分の受けるサービスの内容と、それに対する料金の説明をしっかりと受けていれば、ほとんどの場合トラブルは起こりません。(これでトラブルが起こる場合は依頼人の側にも何らかの問題があると思われます)。
ところが、一部の事務所には料金の説明を事前に、しっかりとしていなかったり、あるいは広告宣伝に書かれている料金と実際にかかった料金が異なったりする場合があるようです。
依頼人にとって関心があるのは依頼が全て終了するまでのトータルの料金です。料金の説明を受けたり、広告の料金表を見たりした時に、依頼人は自分が支払う費用は全部で、これだけだと思って依頼を決めるのが普通の感覚でしょう。
ところが、依頼の途中で最初には聞いていなかった料金、広告に書かれていなかった料金を請求してくる事務所があるようです。こういう時にトラブルが発生しやすい訳です。
もちろん、法律サービスの場合、相手(債務整理の場合は業者)の出方によって依頼内容の変更や追加の依頼が必要になることはあります。その場合でも、変更や追加になった事情を説明した上で追加料金を請求していればトラブルは起こりにくいでしょう。問題になるケースの大半は説明不足の後で追加料金が請求される時だと思います。
それならば、依頼する側から料金トラブルを避ける最も有効な手段は、面談の際に依頼が終了するまでのトータルの費用はいくらなのかを必ず聞くということになるでしょう。
ただし依頼の内容によっては結末が、はっきりと示せない場合があります。こういう場合は予想される結末を、いくつか示した上で、この場合はいくら、こちらの場合はいくらと説明してくれる事務所が良いのではないでしょうか。
料金トラブルは非常に後味の悪いものになりがちなので、これから事務所を選ぶ人は充分に注意をして下さい。
では次回は「仕事の選り好み」について取り上げます。
さて今年最後のブログになりますが、本日は依頼をした時に実際に自分の依頼を処理してくれる担当について考えてみましょう。
担当の問題を考える時には、一つは広告宣伝と担当の問題、もう一つは面談と担当の問題の二つを考える必要があります。
まず一つ目の広告宣伝と担当の問題について考えます。誰かからの紹介で無い限り、最初に司法書士事務所を知るきっかけは広告宣伝になるでしょう。依頼人にとっては最初の情報源になる訳です。しかし、広告宣伝で得られたイメージと実際の処理が違っていると依頼には不満が残る訳です。この不満の中でも代表的なものが「担当が広告宣伝と違う」というものでしょう。
広告宣伝に写真が載っていて、その下にプロフィールが書いてあったりする広告を良く見かけますが、こういう広告を見て事務所を訪れる依頼人の大半は、その写真やプロフィールで自分の担当をイメージしていると思います。ところが出かけてみると全く違う人が出てきた、というパターンですね。これは大型事務所で起こりやすい傾向があります。
もちろん広告宣伝と違う担当が出てきたからと言って、その人の能力が低いとは限りませんから、一概に悪いとは言えません。しかし、依頼人に安心感を与えるのも重要な事なので、その点では問題があると言えるでしょう。(やはり広告どおりの人が面談に現れれば安心する人が多いのではないでしょうか)
次に面談と担当の問題について考えてみましょう。こちらの方が、より重要かもしれません。これは要するに面談をしてくれた人と実際に仕事を処理している人が違うという場合に起こってくる可能性があります。
これは一人事務所の場合は問題になりません。一人事務所ならば面談する人と仕事を処理する人は必ず同じになるからです。しかし一人事務所でない場合は例え二人や三人の少ない人数であっても問題が発生する可能性があります。だから、この問題に関しては個人事務所だから安心だとは限らない訳です。
もちろん全てが問題と言う訳ではありません。例え違う人が処理していたとしても、上がってきた仕事を常に面談した人がチェックして間違いがあれば訂正して最終的に面談した人の目を通して処理されていれば何の問題もありません。
問題になるのは面談した人の手を離れて勝手に処理されていて、その事についてチェックがされていない場合です。
こうなると依頼人としては、「自分が信頼したのはAさんだったのに、話したこともないBさんが処理しており、Bさんと仕事の経過について話してみると自分が伝えたことと食い違う点がある。それについて再度、Aさんに確認するが、Aさんは、今はBさんが処理しているから経過はBさんに聞いてくれと言われる」ということになりがちです。要するに依頼人からすると非常に無責任な状態に見えます。
このようなトラブルを無くす為には、まず面談を受ける際に自分の仕事を処理してくれるのは実際には誰なのか、他の人が処理しているならば、責任は誰が取るようになっているのかを聞いておくことが重要になってきます。特に大勢の人がいる事務所では説明を聞くことを、おすすめします。
では次回は来年です。テーマは「料金」についてです。
さて、本日から新シリーズとして、司法書士事務所の見分け方のポイントを私なりに解説したいと思います。
依頼者の側からすると、司法書士事務所に訪れるのは非常に珍しい経験である人が多いでしょう。従って、始めて依頼をする時は、どの事務所に行ったら良いのか迷ってしまうのが普通だと思います。そういう時に判断する目安のような情報があると便利だろうと思って、このシリーズを書くことを思い立ちました。役立てて頂ければ幸いです。(しかし、あくまで目安ですから、判断の手助けとして活用して下さい。ここに書いてあることだけで100%の判断は出来ません。でも知らないよりは知っている方が良い判断に近づくことが出来るでしょう)
では、まず1回目として認定番号による見分け方を説明しましょう。
債務整理を業務としている司法書士は二つの番号を持っています。(ここが弁護士と違うところですね) 一つは登録番号、もう一つが認定番号です。
まず登録番号から説明すると、この番号は全ての司法書士が持っています。(逆に言えば、この番号を持っていなければ司法書士の仕事はやってはいけないことになっています) それぞれの都道府県ごとに司法書士会という組織が置かれていて、司法書士の仕事をするには必ず、どこかの司法書士会に所属しなければなりません。ちなみに弁護士も同じ方式です。(余談ですが、医者にも医師会という組織がありますが、これは強制ではありません。従って、医師会に所属していない医師は存在します)
これに対して認定番号とは司法書士独特のもので、簡易裁判所の代理権を行使できるのは認定番号を持っている司法書士だけなのです。この番号を持っていない司法書士は業者と和解交渉が出来ません(法律で禁止されています)。具体的には任意整理や過払請求などの仕事が出来ないことになります。要するに司法書士とは資格の中に、もう一つ資格があり、認定番号を持っている司法書士は、そうでない司法書士に比べて出来る仕事の範囲が広いということになります。
では、認定番号は、どのような経緯で取得するかと言うと、司法書士試験に合格した後、更に特別研修というものを受け、その研修終了後に行なわれる認定試験に合格すると認定番号が与えられます。
認定番号は6ケタになっていて、左端の番号が何回目の認定試験に合格したのかを表しています。(試験を受けた回数ではありませんので注意して下さい) 認定試験は第1回が平成15年に行われています。例えば、この第1回の試験で番号を得た場合は認定番号の左端が1から始まっています。
2回目の認定試験は平成15年の末頃に行われ、合格発表が平成16年です。この時に番号を得たら左端は2から始まっている訳です。(ちなみに私は、この時に合格しましたので左端の番号は2です)
何故、このような説明をしてきたかと言うと、よく広告やホームページで事務所の紹介や司法書士の紹介がされていて、その中で合格年度や開業年度は書かれているけども認定番号を取得した年度は書かれていないケースがあります。そういう場合でも番号のルールを知っておけば、いつ頃に認定を得たのかが分かりますから、知っておいて損は無いでしょう。
認定を得た後に開業した司法書士ならば、開業と同時に債務整理を始めることが出来ます(もちろん本当に始めるかどうかは司法書士によって異なります)。しかし、開業はかなり古いけど認定は最近だとしたら、その司法書士の債務整理の経験は古いとは言えない訳です。随分と古くから開業しているから、経験豊富なんだろうと思ったら、とんだ勘違いをしてしまう可能性があります。
あと、大型事務所の場合、広告に載っている人と実際に担当する人が違う可能性があります。その場合は、実際に担当する人が、いつ認定を取得したのかは判断の材料となるでしょう。(もちろん取得が古いからと言って、それで全ての司法書士がベテランだと言ってる訳ではありません。中には古くても経験の浅い司法書士もいるでしょう。しかし、取得が最近ならば、少なくとも経験豊富とは言えないという予測は成り立つでしょう。)
では、次回は「自分の担当は誰なのか」について考えてみましょう。
ご無沙汰しておりました。年末にかけて大変、忙しかったので、しばらくブログをサボっておりました。定期的に読んで頂いていた方には申し訳ありません。
さて本日は重要なニュースが飛び込んできたので、こちらから。
先月くらいから武富士が貸出を事実上ストップしているという情報が入ってきました。自社でかかえる優良顧客に対しても貸出を抑えているそうです。理由は格付けを下げられた為に資金繰りが苦しくなり、とにかく手持ちの現金を確保することに専念しているということです。アイフルのような私的整理に進む可能性も否定できなくなってきました。(好意的に見れば、そうならない為に貸出を抑えたという見方もできますが)
いずれにしても、武富士と言えば、かつては業界トップに君臨した貸金業者です。(ちなみにアイフルもトップになったことがありますね)。まさに貸金業界総崩れの様相を呈してきました。
このような状況をふまえて最近の過払金事情を説明しましょう。
今年の夏頃から業者の過払金の支払いが急激に(本当に急激に)悪化しました。今までは支払いの遅れや減額は中堅業者に留まっていたのですが、それが主要業者(武富士、アコム、アイフル、プロミス)にも一気に広がってきたのです。これらの業者は顧客の数が中堅業者とは桁違いなので、与える影響は甚大です。具体的には以下のような悪影響が出てきています。
まず、訴訟をせずに任意での返還請求に応じる確率が極端に減りました。例え応じても、かなりの減額を覚悟しなければなりません。あるいは希望額を取れたとしても、かなり遅い支払期日になってしまいます(武富士は今、平均で半年後くらいになってきています)。それでも、一括で支払ってくれば良い方で、分割払いを要求されることも珍しくありません。(債務者の支払いではありませんので勘違いしないで下さいね。貸金業者が過払金を支払うのに分割にしてくれと言ってくるのですよ)
従って、現状では満額取ろうと思ったら、9割以上の確率で訴訟になります。だから裁判所が、かつてないほどに混雑しています。今まで訴訟前に終わっていた案件が、ことごとく訴訟になってしまうのですから無理もありません。裁判所が混雑すると裁判期日が後ろに押されていきますから、こちらの方も遅くなっていきます。まさに踏んだり蹴ったりの状況です。(そんな訳で私も毎日のように、どこかの裁判所に顔を出しています。だから忙しかったんですね)
今までスピードを売りにしていた事務所は、かなりの痛手を受けているのではないでしょうか。もし、現在でもスピードを売りにしていたとしたら、それは満額回収していない可能性が高いですから、よく説明を聞いた方が良いでしょう。
どうやら、過払バブルと呼ばれた時期も終わりに近づいたようです。少なくとも、大型事務所が新人弁護士や新人司法書士を、たくさん雇ってベルトコンベアーのようにマニュアル通りの対応で大量に迅速に処理するというビジネスモデルは、もう成立しないように思います。(このモデルが成立する為には、各事件が簡単に早く解決できるというのが絶対条件ですから)。
今後、大型事務所は債務整理から手を引き始めるのではないでしょうか。顧客集めの為にかけた大量の広告費(TVコマーシャルや電車広告など)は、手間がかかるようになったら回収するのが難しくなります。こういうコストは大型事務所ほど大きな負担になって跳ね返ってきます。「環境が激変した時は大きなものほど対応が遅い」のは良く言われることです。
また、依頼者の側から見た場合、今後は「早く回収したいならば減額もやむを得ない」という覚悟は必要だと思います。依頼する時に、その辺りの説明は事務所に、しっかり聞きましょう。
本日、二大商工ローン業者の一つロプロ(旧日栄)が会社更生法の申立をして事実上倒産しました。
日栄と言えば、かつて「目ん玉売れ、腎臓売れ」でマスコミをにぎわした悪名高い商工ローン業者です。こんな業者ですから、中には倒産して当然、と考えている人もいることでしょう。世間の厳しい批判にさらされて、最近では強引な取立もマシになったようですが、評判の良い業者ではないことは事実です。
しかし、見かたによっては、こんな強引な商売をしていても倒産するほど、貸金業界は追い詰められているということでもあります。
日栄は商工ローンなので、借りては中小企業や個人事業主になり、事業資金や運転資金の貸付ですから、金額も消費者金融より高額になります。結果、過払金も高額になる傾向にあります。
恐らく、高額の過払金請求が殺到して今回の破綻につながったのでしょう。最近では、武富士が過払金の支払いが大幅に遅れるようになってきており、金額によっては分割払いになるケースもあります。
この点、アイフルの次は武富士が危ないと当ブログでも予想していましたが、現実になる日も近いという気がしています。
今や銀行傘下に組み込まれていない金融業者は、どこも危ないと考えていた方が良さそうです。
今月18日に貸金業者の参入規制が厳格化されましたので、お知らせします。
具体的には、今までは貸金業を開業するにあたって、純資産額が500万円以上あれば良かったのですが、これからは2000万円以上必要になります。
この改正により、少ない資金で小規模の悪質業者が気軽に開業することが難しくなるものと予想されており、悪質業者の新規開業に歯止めをかけることが期待されています。
更に新たな改正として、貸金業取扱主任者の資格試験制度が始まります。宅建業や旅行業にも同様の制度がありますが、営業所を設けるにあたって、各営業所ごとに一定数の資格試験合格者を配置しなければならないという制度です。
資格試験の合格者を営業所に配置させることによって、違法な営業に歯止めをかけることが期待されています。
「レイク」の名称で、おなじみのGEコンシューマー・ファイナンス株式会社が、4月1日をもって社名を変更しました。
新社名は、「新生フィナンシャル株式会社」となります。もともと新生銀行系列の消費者金融でしたが、今回の社名変更により、新生銀行系列であることを、より鮮明に打ち出したと言えるでしょう。
新たな利用者の中には、この社名を聞いて、「ああ、銀行がやってるのか、それなら安心だ」と考える人が増えるかもしれません。もちろん、貸す方も、そういうイメージを狙っているのでしょう。名前だけ聞くと、消費者金融ではないように感じられますから。
しかし、まぎれもなく中身は消費者金融ですから、その点は、はっきりと認識しておく必要があります。
ただ、親会社の銀行名を冠した以上、今後、何か問題を起こしたら、即、新生銀行のイメージダウンにつながります。そういう意味では、コンプライアンス(法律遵守)には今まで以上に気を使うのではないかという予想はつきます。まあ、この予想が当たってくれることを期待しましょう。
今後、営業姿勢に良い意味での何らかの変化が見られるのか、しばらく様子を見る必要がありそうです。
臨時ニュースです。主要商工ローン業者であるSFCG(旧商工ファンド)が東京地裁に民事再生を申請して、事実上、破綻しました。
SFCGはロプロ(旧日栄)と並ぶ主要商工ローン業者で、悪質な取立・請求で債務者とのトラブルも多く、昔から問題のある業者でした。
特に最近は、債務者が滞りなく支払っているにもかかわらず、突然、全国の債務者に宛てて一括返済の通知を出すなど、大きな問題となっていました。恐らく経営が苦しくなって、なりふり構わぬ措置を取っていたのでしょう。
しかし、こんな違法なやり方が通用するはずもなく、全国の法律家から、損害賠償の請求を出されていた模様です。
私の個人的見解としては、消費者金融と比べても、あまりにも問題の大きい業者であったことは事実なので、あまり同情する気にはなりません。まあ、自業自得ではないでしょうか。
SFCGから金を借りた中小企業は(商工ローンは基本的に事業主に貸します)、連帯保証人(それも悪名高い根保証)、不動産への根抵当権や所有権移転の仮登記、強制執行認諾の公正証書などをセットで取られているのが普通です。
早い話が最初から企業が存続して金を返せるとは思っていないのです。まあ、利率の高さを考えれば当然なんですが、業者がねらっているのは物的担保や保証人の財産ですから、返済が滞ったと見れば、あらゆる手段で担保の換金や保証人への請求をしてきます。消費者金融以上に手を出さない方が良い業者だと言って良いでしょう。
SFCGが破綻したと言っても、もう一つの主要業者であるロプロが、まだ残っていますので、よくよく注意して頂きたいと思います。
最近、過払金請求に関する重要な最高裁判決が出ましたので、本日はこれについてコメントします。
今まで取引が10年以上続いている過払請求において、10年以上前の部分は、以下のように判決が分かれて争いになっていました。
一つは、「過払金は一回の取引ごとに消滅時効が進行するので10年以上前に発生した過払金は、例え取引が連続したものであっても時効で消滅する」というものです。まあ、貸金業者に有利な考え方で「消滅時効の個別進行説」と呼ばれています。
二つ目は、「過払金は発生した直後の借り入れに充当されるので、取引が連続している場合は時効は進行しない。従って、10年以上前に発生した場合でも時効消滅はしない」というものです。これは債務者有利な考え方になります。
この二つの説が裁判でも分かれていて決着がついていませんでした。今回の最高裁判決は、この論争に決着をつけたものです。
結果は、「取引が続いている限り時効は個別に進行しない」というものです。つまり債務者有利な判決が確定したことになりますので、このブログを読まれている方には喜ばしい結果と言ってよいでしょう。
しかし、水を差すようですが、マスコミ報道を見ていると、次のように勘違いする人が出てくる恐れがあるので、ここで注意点を説明しておきます。
まず、この判決は「取引が続いていること、あるいは続いていると同視できること」が条件になっています。
要するに裁判所が「あなたの場合は取引は途中で分断されていて連続していない」と判断した場合は、この判決は適用されないということです。
このことを覚えておかないと、「自分の取引は10年以上続いているが、これで心配ない」と言って過払請求してみたら、実は取引の途中に空白期間が結構あって、裁判所に「分断されているので連続した取引ではない」と判断されてしまうかもしれません。その分断された時が10年以上前だったら最初の取引は時効消滅してカットされてしまうことになります。
残念ながらマスコミの中にも、よく理解していない人がいて、報道だけに接していると上記のように誤解してしまう可能性が充分あります。
ぬか喜びにならない為にも、気をつけましょう。
新年早々、臨時ニュースです。
中小消費者金融のレタスカードが破産を申し立てました。この程度の規模の貸金業者は、もはや民事再生での再建も難しいようです。
主要業者の経営環境も苦しくなっているなか、今後は中小業者が生き残っていくのは、かなり厳しくなってくるでしょう。倒産件数も増加することが予想されます。
昨年、沖縄県を地盤にした中小業者のオークスが破綻した時に、以下のような問題が発生しました。
交通機関が未発達の沖縄で、車は県民の必需品でした。車が無いと生活が成り立たないという地域も少なくありません。しかし、県民所得が全国的に見て低い沖縄県では通常の審査では自動車ローンが通らない。そんな時、県民の自動車需要を支えていたのがオークスだったそうです。
沖縄に合わせた審査基準で自動車ローンを通していたオークスが破綻したことで、今、深刻な問題が起きているようです。
貸金業者は悪だから、全て無くなれば良いという人もいますが、どうも、事はそう単純には運ばないようです。
私も、この仕事をしていて貸金業者に問題が多いことは充分に分かっていますが、だからと言って、無くなったら困る人もいる訳です。
今後も中小業者が次々と破綻していった場合、貸し渋りの問題が出てくる可能性もあります。
経済全体が不景気に突入している中、予断を許さない状況です。
皆さん、明けましておめでとうございます。
もっとも、このブログを読んでいる方は、生活が苦しくて、おめでたい気分にはなれないという人も多いと思います。
しかし、そういう時こそ冷静になることが重要です。あせっている時に取った行動は得てして失敗に終わることが多いものです。
その為にも、難しいかもしれませんが、新年くらい「明けましておめでとう」と他人に言えるように努力してみましょう。少しは、あせりが消えて冷静になれるのではないでしょうか。
そして冷静さを取り戻したら、次には自分の苦境は債務整理をすることで何とかならないだろうかと考えてみて下さい。多くの場合は解決に向けて一歩を踏み出すことになると思われます。
もちろん、債務整理にはデメリットもあります。代表的なものは事故情報(ブラックリスト)に登録され、一定期間ローンやクレジットが使えなくなることです。
しかしながら、明らかに家計が破綻しているにもかかわらず、事故情報を気にしている人が何と多いことか、この仕事をしていると気付かされます。
最初に申し上げたように、あせっている為に冷静さを失っているのです。事故情報を気にしている状況は、もうとっくに過ぎていることが明確な人までも、ためらって事態をより悪化させてしまうケースが後を絶ちません。
こんな時こそ冷静になりましょう。一度、時間をかけて計算してみましょう。「自分は本当に自力で、残っている債務を返済できるのか」「出来るとしたら具体的に何年かかるのか」「その返済の為に支払われる金額の合計は正確にはいくらなのか」
これらの事実をきちんと把握した上で、債務整理をやるかどうかを再度、検討してみて下さい。
自分の状況を分析してみることは非常に重要です。是非、試してみて下さい。最初のイメージとは違った答えが出てくるかもしれませんよ。
今年の最終営業日となりました。今回は1年の総括と来年以降の予測をしてみたいと思います。
今年は何と言ってもアメリカから始まった世界同時不景気が印象的な出来事でした。
実は、今回の不景気は今までの景気循環型の不景気とは違うのではないかと、個人的に感じています。
まず、世界中見渡しても景気の良い国や地域が見当たらないことが上げられます。今までは日本が不景気でもアメリカや中国が好景気だったり、アメリカが不景気の時は日本が空前の好景気だったりと、世界のどこかは好景気の地域があったように思います。
ところが今回はアメリカもヨーロッパもロシアも中国も全てが不景気のどん底に苦しんでいます。石油価格が下落していますので、アラブの産油国まで不況に陥っています。要するに物を買ってくれそうな地域が見当たらない訳です。
あと、アメリカが次に食べていく産業を今のところ見つけていないことです。これは不景気が長引く可能性を示唆していると思います。
アメリカは製造業を日本に追い抜かれてからは、もっぱら金融業とIT産業で飯を食っていました。ところが、ITバブルはブッシュ政権が始まったころには既に弾けており、その後の8年間は住宅バブルを中心とした不動産と金融業で好景気を演出してきました。
日本の80年代と、そっくりだと言う人もいますが、日本の場合は強かったのは不動産や金融だけでなく、製造業も世界レベルの強さを持っていましたから、不動産と金融が落ち込んだ後も製造業は頑張っていました。
しかし、アメリカの場合は製造業は、もはや見る影もありません。(ビッグ3の凋落を見れば分かります) このような状態でアメリカは次にどのような産業で雇用を生み出していくのか今のところは見えてきません。
何故、長々と世界経済の話をしたかと言うと、日本の景気は今や世界を抜きにしては語れないからです。そして日本の景気が良くなるかどうかは多重債務に深く関わってくるからです。
今後、日本の不景気が長期化、深刻化した場合、多重債務者が増えることが予想されています。しかし、貸金業者は目前にせまった総量規制をにらんで貸し渋りに走っています。このような状態が続くと、いずれ大きな社会問題になる可能性があり、そうなれば政府は改正貸金業法の見直しをせまられることになるかもしれません。
多重債務の解決法としては、今後、任意整理が減少して破産や再生が増加することが予想されます。
これは、改正貸金業法でグレーゾーンの見直しが行われますので、グレーゾーンを前提にした手続である任意整理が減少するのは、ある意味、必然と言えるでしょう。ただ、急激に減少するとは考えにくいので、徐々に減っていくという形になるでしょう。
グレーゾーンが無くなると借金は、そのままの金額が残るようになるので、これを何とかするには破産や再生といった手段で強制的に減額するしかありません。来年以降は、このような解決法が増加してくると思われます。
以上、来年の予測も含めて総括してみました。
では、このブログを読んで頂いている皆様、良いお年をお迎え下さい。
今回は臨時ニュースです。
オーエムシーカード、セントラルファイナンス、クオークの3社が近いうちに合併することになりました。
クレジット会社では、三菱UFJニコスに続く大型合併と言えるでしょう。これでまた、主要なクレジット会社の数が減ることになります。
合併の日付は来年4月1日、新しい会社の名前はセディナとなるそうです。
現在、この3社と取引のある人達には果たして、どんな影響があるのか、今のところは分かりません。
シリーズでは、まだコメントしていませんが、実はオーエムシーカードとセントラルファイナンスは、債務整理をする時に何かと問題のある会社だったので、合併を機会に、この点が改善されることを望みたいものです。
本日は、また興味深いニュースがありましたので、臨時ニュースとして取り上げます。
4大消費者金融(武富士・アコム・プロミス・アイフル)は今まで、それぞれ独自路線を歩んでおり、どちらかと言えばライバルであり、協力して何かをやると言うことはありませんでした。ところが、最近の貸金業界に対する逆風に耐えかねたのか、ここに来て一部、協力する動きが出てきたようです。
具体的には、過払金返還請求の裁判において、重要論点に関しては簡単に妥協せず、徹底的に争っていこうという協定を組んだと噂されています。
その内容とは、①「途中空白期間がある取引の場合には、出来る限り分断の計算を主張する」、②「10年以上前から過払金が発生している場合は、出来る限り消滅時効の主張をする」、③「各地方ごとに担当弁護士を選任して、弁護士を使って徹底的に争わせる」というものです。
➂については、全国で弁護士を探すのは、そう簡単には達成できないとは思いますが、見つかった地域から優先的に進めていく方針のようです。(今、貸金業者側についてくれる弁護士は、なかなか見つからないようですから)
いずれにしても、4大消費者金融の過払金返還請求に関するガードが今後、固くなってくるのは覚悟しておいた方が良さそうです。
三和ファイナンスの破産申立の件で、新しい情報が入りましたので、臨時ニュースとして取り上げます。
今回の破産は債権者破産と言って、過払金請求をしていた元債務者が弁護士に依頼して申し立てたものです。従って、三和が承知していた訳ではないので、何とか破産を回避しようと懸命に動いたらしいのです。
その結果、開始決定が出る直前に三和を救済しようという会社が現れました。「かざかファイナンス」というクレディアの救済にも一役買った会社です。こんな、つぶれかかった消費者金融ばかり救済して何のメリットがあるのかと思いますが、かざかファイナンスは破産を申し立てた過払金請求者に過払金を順次支払っているそうです。過払金が支払われたということになると、破産の原因が無くなりますので、裁判所も破産開始決定を出すのを中断したようです。
その後、判決が出ても支払われていないケースには、かざかファイナンスが資金を提供して順次支払っていくと噂されています。
これに対しては、確実に実行されるかどうかは不透明な段階です。しかし、実行されなければ、弁護団は第2・第3の破産申立も視野に入れていると言われていますので、本当に三和を立ち直らせる為には実行せざるを得ないように思います。もっとも、かざかファイナンスに、そこまでの資金力があるのかどうかが鍵になりますが。
いずれにしても、三和ファイナンスの破産に関しては、新しい展開となりました。今後の成り行きを見守りましょう。
本日2件目のブログになりますが、重要なニュースが飛び込んできましたので、お伝えします。
かねてから危険な噂のあった三和ファイナンスが、本日12日に、全国の過払金債権者600人から破産を申し立てられました。いわゆる債権者破産です。
破産には債務者(この場合は三和ファイナンス)が申し立てる自己破産と、債権者(この場合は過払金請求者)が申し立てる債権者破産の2種類があります。
過払金返還請求の判決を取っても支払わない三和ファイナンスに対して、全国の過払金請求者が怒りの声を上げ、その声を吸い上げた対策弁護団(団長、宇都宮健児弁護士)が東京地裁に破産を申し立てた模様です。
私がつかんだ情報によると、申し立てたのは約600人で、債権額は約3億2000万円だそうです。
しばらくしたら、より詳しい情報も伝わってくるでしょう。三和ファイナンスに過払金請求権を持つ全国の債権者が配当に参加するように、呼びかけも行われるのではないかと思われます。ここしばらくは注意する必要がありそうです。
特定調停シリーズの最後になります。今回のテーマは「2回目以降の期日」です。
第1回の期日が無事に切り抜けられたら、いよいよ業者との調停になります。しかし、あまり怖がる必要はありません。前回も話したとおり、調停で一番の難関は1回目の調停委員との面談ですから、これが通過できたら、2回目以降はスムーズに運ぶことがほとんどです。
業者との調停では、建前は業者と申立人と調停委員の3者面談ということになっていますが、現実には9割がたの業者は裁判所に出てきません。では、どうやって進めるのかと言うと、調停室には電話が備え付けてあって、調停委員が申立人の目の前で、業者に電話をかけてくれます。後は調停委員に任せておけば、1回目の期日で確認した申立人の支払能力に合わせたプランで、分割払いの調停をまとめてくれます。(まともな調停委員に当たれば、このように進むはずです)
ごくたまに調停に出てくる業者もいます。出てきたからと言って、調停の進み方に違いはありません。調停委員がまともであれば、業者と交渉して分割払いのプランをまとめてくれるでしょう。
非常にまれですが、一部の大変わがままな業者が調停のルールに従うことを拒否する場合があります。調停は、あくまで話し合いが前提なので、強硬に拒否されると不成立となって、その業者に関しては元の状態に戻ってしまいます。
こういう業者がいる場合、「17条決定」と言う方法で、裁判所の判断で調停の条件を決めてしまうことも出来ますが、業者が異議を出してきた場合は「17条決定」の効力も無くなってしまいます。
しかし、実際にそのような場面に出くわしたら、「17条決定」を出してもらうように調停委員を説得しましょう。いざ、「17条決定」が出されると、異議を出さずに決定に従う業者も少なからずいるからです。最初からあきらめてはいけません。可能性がある限り、「17条決定」は出してもらいましょう。
まあ、このような悪質な業者はごく一部です。大半の業者は調停のルールには従いますので、あまり心配しない方が良いでしょう。ただ、不動産担保を取られているような場合は、普段はルールに従う業者でも不動産担保を盾にして調停を蹴ってくることが多いので、気をつけましょう。
最後に、もし調停の最中に過払いが発生していることが発覚した場合は、必ず調停調書(17条決定の場合は「調停に代わる決定書」)には、「債務無し」と記載してもらいましょう。
この場合、あまり詳しくない調停委員に当たると「債権債務無し」と記載されるケースがあります。こう書かれてしまうと、後で過払請求をすることが出来なくなってしまいます。(過払請求権は債権になるので、債権が無いと書かれると過払いを放棄したとみなされてしまうのです) 後で気付いて泣かない為にも注意が必要です。
今回のテーマは「第1回期日」です。いよいよ、裁判所に行くことになります。どのように手続きがすすんでいくかを、お話ししましょう。
申立がすんで、しばらくしたら裁判所から呼出状が届きます。1回目の期日が決まるわけです。では、1回目の期日では何が行われるのでしょう。
実は1回目の期日では業者は関係ありません。調停委員と申立人(債務者のことです)の間で話し合いが行われます。調停委員は名古屋だと通常、二人つきます。弁護士や役所を退官した人などが多いですが、困ったことに債務整理に詳しくない人が選ばれている場合があります。そういう調停委員に当たってしまったら、とにかく不当な処理をされないように申立人自身が注意する必要があります。
一回目の期日の一番重要なテーマは、「支払能力の有無」です。調停委員の質問も、このテーマに集中します。特定調停は圧縮した債務を3年間で支払っていく手続ですから、申立人の家計に3年間で払っていけるだけの毎月の余裕資金が出ているかがポイントになります。
意外に知られていないのですが、実は特定調停で最大の関門は第1回期日です。ここで、「あなたは特定調停で支払っていくのは無理」と判断されて調停が終了してしまう人が結構いるのです。あるいはもっとストレートに、「あなたは破産するべきです。専門家の事務所に行きなさい」と言われてしまう人もいます。全ては支払能力が無いと判断された結果です。
この判断が適切な場合もあるので、一概に厳しすぎるとは言えないのですが、先ほども挙げた債務整理に詳しくない調停委員にあたった場合、不適切な判断になるケースがあります。例えば典型的なのが、長期間の取引があるのに申立書に記載された残債務額で支払能力を判断してしまうことがあります。本来あってはいけないことなのですが、実際こういうトラブルは全国で起こっているようです。
従って、申立人としては、全ての業者の債務が利息制限法に引き直されて計算されているかどうかを確認する必要があります。期日までに取引履歴が裁判所に送られている場合が多いので、期日の直前に取引履歴の「謄写請求」を裁判所に対してすれば、取引履歴のコピーを持参して期日に臨むことが出来ます。期日になっても取引履歴が裁判所に送られていない時は、調停委員に対して取引履歴の請求を強く頼みましょう。取引履歴が無ければ正確な負債額は分からない訳ですから、正確な支払能力の判断も当然出来ないはずです。
このような関門をくぐり抜けて、第2回の期日が決定したら、特定調停の80%は成功したと言って良いでしょう。実は業者との交渉が始まる2回目の期日の方がスムーズに進むことが多いのです。
特定調停の最大の関門は、第1回期日の支払能力の判断である。今回は、これを覚えて頂いて、次回は2回目の期日について説明しましょう。
3回目のテーマは申立の方法です。
裁判所には初めて行く人がほとんどでしょうから、最初は不安でしょう。しかし、特定調停は「素人が申し立てる」ことを前提にした制度なので、いろいろと便宜が図られています。
例えば、私の良く行く簡易裁判所では、特定調停の申立書は鉛筆書きでも良いことになっています。これは素人が申立書を書くと書き直す場合が多いからです。全ての裁判所に適用されているかどうかは不明ですが、特定調停に関しては、このように素人のことを考えた取り扱いがなされている場合が多いのです。
申立用紙は裁判所に置かれています。用紙の形式は裁判所によって若干異なるようです。ここでは、名古屋を例にして説明しましょう。
だいたい裁判所の様式に沿って書いていけばよいのですが、いくつか注意点があります。
まず、申立書は業者1社につき1枚必要です。業者ごとに事件番号がつき、それぞれ別の事件として扱われるからです。
次に、権利関係者一覧表に業者をまとめて書くのですが、この時、調停を行う業者と調停を行わない業者を分けて書くことが認められています。特定調停のメリットの一つですね。
あとは申立人の家計の状況を細かく書く欄が設けられていますから、前もって自分の手取り収入と家計の支出の状況を把握しておく必要があるでしょう。これが後にとても重要な資料になります。
窓口に持って行くと担当官がチェックして多くの場合、間違いを指摘されて一部書き直しを命じられます。この時、鉛筆書きが許されている裁判所だと消して書き直せるので、非常に便利です。
書き直しがOKならば、申立が受理されて事件番号が業者ごとに付けられます。この時に受理証明書をもらっておくと良いでしょう。手数料がかかりますが、家に帰ったら、すぐに各業者に対して、この受理証明書を郵送すれば特定調停が決着するまでの数ヶ月の間、取立・請求を合法的に止めることが出来ます。しばらく落ち着いて冷静になる時間が得られるので、是非やりましょう。
特定調停シリーズ2回目のテーマは「どこに申し立てるのか?」です。
特定調停は簡易裁判所に申し立てます。簡易裁判所は、裁判所の中で一番多く設置されている裁判所です。では次に、どこの簡易裁判所に申し立てれば良いかを調べる必要があります。これを「裁判所の管轄」と呼びます。
特定調停における裁判所の管轄の原則は、「債権者の所在地」です。この場合、特定調停ならではの特例があります。普通、「債権者の所在地」と言ったら、業者の場合は本店の所在地になりますが、そんなことを言ったら特定調停のほとんどを東京の裁判所に出さなくてはならなくなり、これでは素人を対象にしている制度としては現実的ではありません。従って、特定調停の場合、「債権者の所在地」は支店の所在地で構わないという取り扱いがなされています。しかも、業者が複数ある場合(複数あるのが普通ですね)、最も多くの業者の支店がある所ならOKということになっています。
これで、たいていの人は自分の住まいの近くで申し立てることが出来るはずです。しかし中には、取引の途中で引っ越す人もいます。そういう場合、全ての業者の取扱支店が遠方にあるというケースも出てきます。こういう人の為に特定調停は更に特例を認めてくれる場合が多いのです。
もし、上記のケースに当てはまる人がいたら、取引の途中で引っ越した事情を裁判所に説明して、現在の住所の近くで受け付けてもらえないか、粘って説得してみて下さい。私の経験では、ほとんどの場合、認めてくれるケースが多いようです。「何事もチャレンジ」の精神で熱意をもって説明しましょう。
最近、特定調停の質問を、よく受けるので、特定調停についてシリーズにして書いてみたいと思います。まず、1回目のテーマは「特定調停に向く人、向かない人」です。
特定調停の概要については、ホームページの本文を見て頂くこととして、そもそも特定調停は、弁護士や司法書士が行っている任意整理を素人でも出来るようにしようという目的で始められた制度です。従って、任意整理が向く人は特定調停も向く、と考えて良い訳です。
では、どのような人が任意整理や特定調停に向くのかと言うと、最も重要なのは「利息制限法で減額した後の金額を支払えるだけの収入がある」ということです。
一見、当たり前のように見えますが、意外に理解されていないと思います。「とにかく今より減れば良い」と考えている人も結構多いのです。実は、特定調停を裁判所に申し立てたにもかかわらず、この点で裁判所から断られてしまう人が多いのです。
「債務が減額される」ことと、「減った後の債務が支払える」ことは別の問題だということを注意して下さい。
多くの人が業者との交渉を心配されますが、実際には業者との交渉は調停委員がやってくれますから、ほとんど問題ありません。最も問題になるのは、調停委員から「あなたは特定調停では支払うのが無理」と判断されてしまうことです。(裏を返せば、調停委員を納得させることが出来れば、調停は7~8割は成功したようなものです)
次に重要な判断材料は、「過払金の発生が見込めるかどうか」です。
現在の特定調停の制度では過払金の回収は認められていません。従って、「過払金を回収してから、その過払金を使って残りの債務を支払う」ということが出来ない訳です。これは「債務の圧縮」という債務整理の重要な目的からすると大きなマイナスです。
過払金の発生は、5年~7年だと5割くらい、8年以上だと8割~9割の人が見込まれると考えられています。故に、5年以上の取引がある人は任意整理を考えた方が良いかもしれません。8年以上の取引があるのなら、任意整理を選択するべきだと思います。
消費者金融アエルが民事再生を申し立ててから約10日ほど経ちました。債権者説明会などが開かれて、少しずつ詳細が明らかになってきました。
先週のブログでも話題にしましたが、民事再生には債権届出期間というものがあります。債権者(アエルに過払金返還を求める人は債権者になります)が、アエルの残り資産の中から配当を受け取る為には、債権届出期間中に届出をしなくてはならないのです。この届出期間が6月30日までと決まったようです。
従って、アエルに対して長期間の取引がある人は6月30日までに届出をする必要があります。5年以上の取引がある人は過払いの可能性がありますので、急いだ方が良いでしょう。早めに専門家に相談して下さい。
尚、アエルは6月30日を過ぎても届出を受け付ける予定だと発表しているようですが、これはあくまでも特例です。届出期間を過ぎても認められるのは裁判所が認定した場合だけですから、全てが認定されるとは限りません。(全部が認定されない可能性もあります)
従って、現時点では6月30日に間に合うように届出をするべきでしょう。
中堅消費者金融のアエルが3月24日に東京地方裁判所に民事再生の申立をして事実上倒産しました。これで消費者金融の大型倒産はクレディアに続いて2件目となります。
クレディアの後、危ないと言われていた業者は、いくつかありましたが、ついにアエルが現実のものとなりました。アエルに対して過払金請求権のあった債務者は、これで返還が大変難しくなりました。しかし、東京地裁の定める期限内に申し出れば配当と言う形で若干受け取れるかもしれません。
何もしないよりはマシなので、アエルと長期間の取引がある人は相談を受け付けますので、事務所に電話して下さい。
尚、法定利息に引き直した後でも債務が残った人は支払義務は残ります。よく、「倒産したら債務が残った場合でも支払いが無くなるのでは」と質問される方がいますが、残念ながらそういうことはありませんので注意して下さい。
消費者金融には外資系で有名な業者が二つあります。
一つはGEコンシューマー・ファイナンス(もともとレイクと呼ばれてました。今でもこの呼び方は使われています)で親会社はGEと言うアメリカの会社、もう一つはCFJ(アイク・ディック・ユニマットなどが合併して出来ました)で親会社はシティバンクというアメリカの銀行です。
ご存知のとおり、外資系は利益にうるさいですから、日本の消費者金融がもうかっている間は積極的に出資していたのですが、金利のグレーゾーンが認められなくなってからは、もうからない業種と判断されるようになってきており、今ではいつ引き上げてもおかしくない状況です。
最近、CFJの親会社であるシティバンクが日本での銀行業務から撤退するという記事を読みました。この段階ではCFJに対する出資には変化が無いようですが、今後どうなるかは分りません。
一般の債務者にとっての問題は外資が引き上げた場合、その業者はどうなるかということでしょう。クレディアのように事実上の倒産という形になると、長く取引をしていたり完済していたりする債務者にとっては最悪のケースになります。過払金の返還が受けられなくなるからです。
この外資系の2社に関しては、今後どうなるかはまだ分りませんが、最悪のケースも考えて注意をしておく必要があるでしょう。
ホームページの各分野ごとに新しい事例を追加しました。
それぞれの分野(自己破産、個人再生、任意整理)のトップに掲げてありますので参考にして下さい。
尚、実際には一番依頼が多いのですが、過払金返還請求の事例は今回、追加しておりません。理由は最初から複数掲げてあったことと、過払請求の場合、戻ってきた金額に違いがあっても、それ以外は似たような事例が多いからです。(過払いで解決した場合は、依頼者に複雑な家庭の事情があったとしても、あまり影響を受けませんから)
皆さんは、収入の高い人は債務整理とは関係ないと思ってはいませんか。実は、そうでもないんです。今日は収入の高い人に特有の問題を取り上げてみましょう。
まず一つは、収入の高い人は借入額が非常に多くなるということです。500万円以上というケースも、めずらしくありません。これは貸金業者の限度額が高くなるからです。収入の高い人には業者も、たくさん貸そうとします。
次に、借入先に利率の低いところが多いという特徴があります。銀行系やリース系のローン会社や、比較的利率の低いクレジット会社がこれにあたります。利率が低いということは、任意整理を利用しても減額になりにくいということです。借りる時は有利ですが、債務整理になると一転して不利な要件になってしまいます。
三っ目は、収入の高い人は財産も多いということです。住宅ローンを抱えている場合も多いので、個人再生の比率が高くなります。運よく過払いになっていれば、任意整理で処理できる場合もありますが、二番目の特徴で指摘したように借入先の利率が低い場合は個人再生を考えた方が良いでしょう。
以上のように、収入が高い人が多重債務になると、低い人とは違った難しい問題が発生します。収入が低くて財産も無くて破産しか選択肢が無いという人の場合は、本人の覚悟さえ出来ていれば、後の処理は意外とスムーズに済んだりします。
収入の高い人は、苦しくなっても業者が貸してくれるので、相談が遅れる傾向があります。相談に来た時は、より深刻になっています。
一人で悩んでいる人は、一度、相談に行くことを、おすすめします。
以前に比べて紹介で相談に来られる方が多くなっています。この変化について、私なりに考えてみました。
4~5年前には紹介で来られる方は非常に少ないものでした。この頃は、債務整理に対する偏見のようなものが、まだ世の中に強くあったように思います。依頼して助かった方も「自分が助かったことを容易に他人に話せる雰囲気では無かった」と言えるでしょう。昔の紹介と言えば、家族か親戚といった身内がほとんどでした。
その後、多重債務の被害や違法利息のことなどがマスコミでさかんに報道されるようになり、ついには政府が動き出して対策に取り組むようになりました。
これで状況は一変します。債務者が堂々と声を出すようになったのです。「違法な取立てを止めろ」、「払いすぎた利息を返せ」、などが、あたりまえのようになってきました。世の中の雰囲気が変化してきたのです。
今や、多重債務者は情報収集に熱心です。多重債務者同士での情報交換も、さかんに行われているようです。事務所に紹介が増えてきたのも、この流れが原因でしょう。
ただ、あまりにも情報が増えすぎると、今度は選択が難しくなったりします。中には信用できない情報も混じる可能性があります。今後は相談者の方で情報を見極めることが必要になってくるでしょう。このホームページが「情報の見極め」に少しでも役立てば、と思っています。
最近、相談の段階で給料の差押えが、されているという依頼が、いくつかありました。そこで本日は、給料の差押えについて注意点を書こうと思います。
まず、差押えがされた後で相談に来られた場合、何か方法があるのかという質問が多いですが、率直に言って任意整理だと方法がありません。
自己破産や個人再生の場合は方法があります。裁判所に申立をした後、「強制執行中止命令」というものを裁判官が出してくれれば、差押えは止まります。あるいは開始決定が出てしまえば裁判官に中止命令を出してもらわなくても、中止させることが出来ます。
ただ、中止されたから、即、給料が元通りに受け取れるかと言うと、そうではありません。会社は差し押さえられた分を破産や再生が完全に終了するまでプールしておくことになります。
このように差押えは、かなりの不利益を債務者にもたらしますから、むしろ差押えられないことを心がけることが大切です。では、何に注意すればよいのでしょうか。
まず、差押えは一部の例外を除いて、いきなり行われることは無いということです。一部の例外には公正証書を取られているとか、特定調停で決まった返済計画であるとかがあります。これらの場合は、いきなり差押えられる可能性がありますから、遅れないように返済するしか気をつけようがありません。
しかし、ほとんどの差押えは、事前に兆候があります。代表的な兆候は、訴訟を起こされることと、支払督促を申し立てられることです。
いずれの場合も、自宅に裁判所から書面が届きます。しかも郵便は特別送達という裁判以外ではめったに使わない配達方法です。何か特別な物が送られてきたと嫌でも意識するでしょう。しかし、差押えをされてしまう人達は、これを無視してしまうのです。
裁判では、何も反論しなかった人は、相手の言い分を100%認めたことになります。訴訟では負け判決が出て、支払督促では仮執行宣言が出されてしまいます。
こういうものが出てしまうと、もう差押えを防ぐのは難しくなります。だから、差押えを防ぐ一番の方法は、訴状や支払督促のような書面が裁判所から送られてきたら、まずは専門家に相談に行くことです。決して無視してはいけません。
差出人が裁判所で特別送達で送られてきたら、それは架空請求ではありません。仮に架空請求だったとしても、無視したら架空では無くなってしまいます。
くれぐれも裁判所から送られてきた書面には注意しましょう。
最近、特定調停が注目を浴びているようです。
近頃は裁判所に行っても明らかに素人と思われる人が多くなったように感じます。インターネットや本などで情報を入手しやすくなったのが原因でしょう。自分で何とかしようという人が増えているようです。
特定調停は、よく出来た制度で、費用が安いことや裁判所が間に入ることで強制力が得られるなど、評価できる点は多くあります。市販の特定調停をすすめている本は、このメリットを強調しています。
しかし同時にマイナス面もありますので、その点も充分に分った上で選択しないと後で後悔することになってしまいます。
では特定調停のマイナス面とは何でしょうか。以下に説明しましょう。
第一に、業者に債務名義を取られてしまうということが挙げられます。「債務名義」とは「裁判をしなくても強制執行が出来る権利を保証してくれる書面」と言えば分りやすいでしょうか。特定調停の後、支払いが滞った場合は非常に危険な状態になることを理解しておく必要があります。
第二に、手続中は過払金が回収出来ないという点です。これを「手続が終わった後で回収できるから問題ない」という人がいますが、はたしてそうでしょうか。手続中に回収できないということは、過払金を使って残った債務を払うことが出来ないことになります。これは大きなマイナスだと思います。特定調停では残った債務は分割払いにするより仕方がありません。
以上が、おおまかな注意すべき点です。よく理解した上で納得して利用する分には、良い部分もありますから、助けになることも多いでしょう。
ただし、あまり調停委員任せにしないことです。自分でも、ある程度は勉強して行かないと、不利なことをされていても気付かない可能性があります。本人でやる手続ですから、何事も自己責任になります。その点は自覚を持ってやりましょう。
今年に入って、株式市場が大暴落しています。アメリカのサブプライムローン問題に始まって、どうも世界中が不景気になり始めているようです。特に日本の株価の暴落はひどいとニュースでは伝えています。
最近は、引退した高齢者が、あまりの金融機関の預金利率の低さに嫌気して、虎の子の個人財産を投資信託に大量に預けています。昨年の銀行の投資信託での利益は莫大なものだったそうです。
しかし、株価が暴落しているということは、株を組み入れて販売している投資信託も当然、下がっていることになります。財産が目減りしてしまった人の中には住宅ローンが、まだ払い終わっていない人もいるでしょう。これらの人が新たな多重債務の火種にならないとも限りません。
これだけ下がると株で大ケガした人も多いでしょう。中には借金して株を購入していた人もいると思います。こうなると、まさに事態は深刻です。
新年早々、暗い話題で申し訳ありませんが、多重債務を減らす為には、経済がしっかりすることが大前提だと思いますので、株の動向にも注意を向けてしまうのです。
新年、明けまして、おめでとうございます。今年も、よろしくお願いします。
さて、私は一足早く1月4日から営業しておりましたが、めずらしく貸金業者から電話がかかってきません。いつもならば、昼間前後は業者からの電話が、あちこちからかかってきて仕事にならなかったりするのですが、1月4日はさっぱりでした。
そうこうしてるうち、こちらから用事で業者に電話をかけると、ほとんどの業者が「新年は1月7日からの営業です。」のアナウンスが流れてきます。「あらあら、銀行は1月4日から開いてるのに、金融機関でもクレジットや消費者金融は大名商売だなぁ」とつくづく思ってしまいました。おかげで仕事がはかどったことは言うまでもありません。
一転して、1月7日は電話の嵐でした。4日とは逆に、全く仕事になりません。4日に集中して、かたづけといて良かったと、内心、胸をなでおろしました。
今年も多重債務問題に関しては激動の1年になりそうです。新しい法律や制度が次々と動き出しています。常に情報に対するアンテナを高くしておかないと取り残されてしまうかもしれません。
きちんとした仕事をする為にも、新たな情報には敏感でいたいと思います。
いよいよ今年も終わりに近づいてきました。この一年を振り返ってみたいと思います。
何と言っても大きな出来事は昨年の年末に改正貸金業法が公布されて、今年の初めから部分的に施行されたことでしょう。(改正貸金業法は5段階に分けて施行されることになっています。今年1年で施行されたのは3段階までで、利率の引下げは施行されていません)
この影響で主要な貸金業者は法律施行の前から利率を下げてきていました。利率引き下げについていけなかった業者の中から破綻するところが出てきました。最も話題をさらったのが、東証一部上場の消費者金融クレディアでしょう。今年下半期の話題はクレディア倒産につきると言っても過言ではありません。
改正貸金業法の影響もあって、マスコミでもグレーゾーン金利のことが連日報道された結果、一般の人にも「払いすぎの利息」のことが広く知られるようになってきました。これにより、今年に入って急激に増加してきたのが過払金の返還請求です。
今や5年以上取引があれば、自分は過払いではないかと考える人は決してめずらしくありません。今まで一部の人だけが専門家に相談に来て発覚していた過払金が、一斉に多勢の人が請求し始めたのです。(クレディアの破綻も結局、これが原因です)
過払金を沢山の人が自覚して返還請求できるようになったことは歓迎すべきことです。しかし、一方で問題も起こり始めていました。中小業者で過払金が払えないところが出てきたのです。支払いは半年遅れになるとか、支払いが1年以上の分割払いになるとか、そもそも会社に金が無いので払えないと開きなおるところもあります。
このような状況のなかで、貸金業協会に加盟する業者の中で総量規制が始まります。これは利率引き下げと同じように、法律施行前に主要な業者の間で先に規制を始めてしまおうという試みです。
すでに大手の業者では貸し渋りが始まっていますが、より法律に近い形で、審査の際に源泉徴収票や給与明細を確認して、一定額以上は貸し出しをしないという制度にするのです。より厳しい引き締めが行われるはずなので、かなりの影響が予想されます。
今年の大きな変化を書いてみましが、これほど変化の激しかった年は今までに無かったと思います。改正貸金業法は、まだ一部の施行に留まっており、完全に施行されるのはまだ先になります。来年以降も変化の激しい年になるでしょう。そういった情報を、いち早く、このジャーナルで伝えていきたいと思っています。
太平洋信販が、ついに廃業が決まったそうです。
この会社の正式名称はタイホウホールディングスと言い、パチンコや遊技場などを多角経営する名古屋が本拠地の大きな企業です。本体のタイホウホールディングスは営業を続ける訳ですが、その中で貸金業を担当していた太平洋信販が無くなるようです。(ちなみに本体は存続しますので、過払金は取り戻せるのではないかと思われます。しかし、確実ではないので、しばらく様子を見る必要はありそうです。)
クレディアから始まった貸金業の倒産・廃業が、ついに名古屋まで波及してきたか、という感じです。今度は、どこになるのか、危ないのは三和ファイナンス・アエル・ユアーズあたりと言われていますが、今後は貸金業の同行に目が離せなくなりそうです。
事務所紹介のページにも書きましたが、私は愛知県の青年司法書士会で倒産法実務研究会という会の会長をしています。この会は債務整理実務にかかわっている司法書士が多数参加しています。
やっていることは最新の改正法の研究、全国で出ている最新の判例(裁判所の判決のことです)の研究、最近の貸金業界の報告や各貸金業者の情勢の報告など、債務整理実務をやっているならば常に把握しておきたい情報を共有することです。
私たちの実務は、常に最新の情報に精通していることが重要です。その為には一人の力では限界があります。皆が情報を持ち寄って、その情報を共有することで、より適切な判断が下せるように努力していくことが研究会の最も重要な目的なのです。
私としては出来れば全員の司法書士に参加して頂きたいところですが、参加は強制ではないので、なかなかそうもいきません。
出来るだけ多くの司法書士が意識を高めて参加しくれるように今後も努力を続けたいと思います。
最近、大手の消費者金融を中心に貸し渋りが問題になっているようです。ひと昔前は、銀行の貸し渋りが問題になっていましたが、今回の貸し渋りは明らかに改正貸金業法の影響です。
貸金業の利率が下がることは長期的に見れば良いことなのですが、現在、多重債務に陥っている人にとっては、急に借入が出来なくなるという厳しい事態に追い込まれてしまいます。
もし、このような事態に陥っている人がいたら是非とも早めに専門家に相談して下さい。
最近は中小の貸金業者がつぶれてヤミ金が増えています。NHKのクローズアップ現代という番組では新たに「ネオヤミ金」という業者が現れたと報道していました。「ネオヤミ金」とは、改正法前の消費者金融の利率で貸し出し、対応も消費者金融のようにていねいで、一見ヤミ金らしくないヤミ金のことだそうです。
しかし正体はヤミ金ですから、後から行き詰まった時は、大変な目に合う可能性があります。
貸し渋りで苦しくなった時に、他の借入先に目が行ってしまう気持ちは分ります。その時に勇気を出して専門家に電話して頂きたいと思います。
債務整理の業務を行なってきて随分と時間が経ちました。その間に、いろいろと状況が変化してきました。今回は、私が行なってきた業務を少し振り返ってみたいと思います。
私が開業した頃は、まだ債務整理と言えば「自己破産」という考えが主流でした。ようやく「特定調停」や「個人再生」という、自己破産とは違う手続が整備されてきたところでしたが、まだポピュラーなものではありませんでした。相談の時に、自己破産以外の方法が使えるかもしれないと伝えると、相談に来た人は大抵驚いた顔をしていたものです。
ましてや「過払い」などと言う言葉を知っている人も皆無でした。その頃は、司法書士や弁護士ですら、過払金の取り戻しについて詳しく知らない人が多かったのです。業者も今よりずっと過払金の支払いに抵抗していましたから、満額取れるケースは少なく元金の7割とか8割で和解することも珍しくありませんでした。
その頃は債務整理を専門に打ち出す司法書士は、愛知県には、ほとんどいませんでした。手前みそになりますが、愛知県で債務整理中心のホームページを立ち上げたのは、私が初めてだと思います。
それから、二つの大きな変化が訪れます。
一つは司法書士に簡裁代理権が与えられたことです。今でこそ当たり前になりましたが、昔は司法書士には任意整理を行なう資格が無かったのです。従って任意整理を司法書士がやり始めたのは、ごく最近のことなのです。
もう一つの大きな変化は、最高裁判所の画期的な判決が、ここ3年位の間に立て続けに出たことです。
これらの判決により過払金の返還請求が飛躍的に有利になりました。それとともに、「過払い」という言葉もポピュラーになり、今では過払いを見逃したら司法書士や弁護士の責任問題に発展します。
この二つの変化により、状況は劇的に変わりました。債務整理の仕事の大半は「任意整理」と「過払金請求」になり、「自己破産」と「個人再生」が急激に減少したのです。
最近になって開業した事務所の中には、開業以来、「自己破産」と「個人再生」は受けていないという事務所もあると聞きます。
しかし、こういう状況は重大な問題を、はらんでいます。要するに「自己破産」や「個人再生」の経験をつんでいない司法書士が増えてしまったということです。
それに対して、貸金業法が改正されてグレーゾーン金利が無くなることが決定しましたから、今後は「任意整理」と「過払金請求」が減ってくることは明らかです。
逆に増えることが予想されているのが「自己破産」と「個人再生」です。総量規制が始まると貸し出し基準が厳しくなり、返済の為の借入が出来なくなりますから行き詰まる人が増えてきます。金利水準は大手を中心に下がっていますから、利息制限法の利率に引き直しても支払えない場合が多くなります。住宅ローンの金利も先行き不透明で、今後金利が上昇した場合、支払いが厳しくなるケースが出てくる可能性もあります。
これらのことを考え合わせると今後は「自己破産」と「個人再生」が増えるだろうと容易に予想がつきます。しかし、あまりにも一時的に「任意整理」と「過払金請求」が増えすぎてしまった為に、技術的な経験が蓄積されていない司法書士が現場の仕事に携わるようになったことは新たな問題と言えるでしょう。
これから移り変わる状況に対して、司法書士業界が、うまく対応していけるのかどうか、司法書士業界全体の課題になるでしょう。
今回は時効についての、お話です。債務整理で注意しなければならない時効は二つあります。
一つは残っている借金の時効、二つ目は過払金請求権の時効です。それぞれについてコメントしましょう。
まず、残っている借金(利息制限法の利率に引き直しても、残っている場合のことです)は、いつから消滅するのでしょうか。これは相手方が貸金業者の場合は5年で消滅時効にかかると法律で決められています。相手方が一般人の場合は10年なのですが、貸金業者との取引は通常よりも短い時効期間となっているのです。
では、5年経てば、どんな場合でも時効により消滅するのでしょうか。残念ながら、いくつかの条件を満たす必要があります。
その条件とは、①5年の間、一度も返済していない。もちろん借りてもいない。(たとえ、10円でも本人の意思で返済した事実があっったら条件を満たしません)②5年の間、貸金業者から訴訟をされたり、裁判所からの支払督促を受けていない。(裁判所を通さない、ただの貸金業者からの請求は含まれません)
以上のような条件を満たして5年経っていれば、借金は時効により消滅している可能性が高いでしょう。しかし、時効には最後に、もう一つ忘れてはならない大事なことがあります。
それは、本人が時効を援用する(法律用語で「本人が時効だから払わないと相手方に主張する」ことを言います)必要があるのです。要は何も言わないで黙っていたら、借金を請求されても文句は言えないということです。5年経ったら自動的に消滅する訳ではありません。
次に過払金請求権の時効について考えてみましょう。過払金請求権が時効消滅する期間は10年です。
要は完済してから10年を超えてしまったら過払金の回収が出来なくなる可能性がある訳です。もし、もう少しで10年になりそうだと言う人がいたら、早急に専門家に相談に行くことを、おすすめします。
時効期間経過前に過払訴訟を提起すれば時効は中断されます。例え1日でも期間を超えていなければOKですから、ぎりぎりの人がいたら急いだ方が良いでしょう。
今回は業者から訴えられた時の話をしましょう。債務整理の相談をしていると、時々、訴状や支払督促を持って相談に来る人がいます。
更に深刻なのが「訴状や支払督促のようなものは過去に来ていたような気がする」と言う人です。こういうケースでは近いうちに給料の差押がされたり、あるいは既に差押えられていたという場合もあります。
裁判の仕組が一般の方に伝わっていないので、このような深刻な事態が生まれてしまうのです。そこで、裁判の仕組について簡単に説明しましょう。
業者から訴えられて訴状や支払督促が裁判所から届いたら、放置しておいてはいけません。何故なら裁判では「放置して何もしない人は訴えた人の言い分を全て認めた」と判断されて、原告100%勝訴で判決がでてしまうからです。従って、裁判では必ず何らかの反論をしなくてはいけません。理屈が苦手な場合は、とにかく呼び出された期日に出て自分の言い分を裁判官に主張してこなくてはいけないのです。
日本人は自分の言い分を主張することが苦手ですから、その時は迷わず専門家に相談して下さい。このタイミングを、はずしてしまうと後から給料の差押を受けたりして非常に面倒なことに巻き込まれてしまいます。
訴えられた時は、借金問題の中でも最も緊急を要する場合だということを覚えておいて欲しいと思います。
債務整理をしていて、よく思うのですが親族からの援助は、あまり良い結果を生まないことが多いようです。特に問題が多いのが親族が残りの債務を一括返済してしまう場合です。
何が問題かと言うと、一括返済という事実によって債務者の与信が上がってしまい(一括で返済してくれた訳ですから業者にとっては優良顧客として扱われます)、ほぼ例外無く再借入のセールス攻勢がかけられるからです。複数の業者に対して一括返済した場合は、あらゆるところからセールスが来る訳で、親族から援助を受ける人は、もともと家計が苦しい人が多いので、つい誘いに乗ってしまい再借入をしてしまいます。
また、こういうケースでは与信が上がっている為に返済前よりも多額の借入が出来る場合が多く、より借金が増えてしまいます。親族の援助による返済は、援助する方も援助を受ける方も充分に注意する必要がありそうです。
親族からの援助を考え始めた時点で専門家に相談に行くことを、おすすめします。
最近こんなことがありました。
「大手クレジット会社で取引履歴を途中からしか出さないところがある」と依頼人に話をしたら、クレジット会社で、そんなこと本当にあるんですか、と言うのです。
やはり先入観というのは怖いものだと思います。実情はと言うと、武富士やアコムよりも履歴が出てこないクレジット会社は少なくありません。日本人は権威に弱いので、「クレジットはサラ金とは違うだろう、サラ金のような、いい加減なことはしないだろう」と何となく思ってる人が多いようです。残念ながら真実はそうではありません。履歴が途中からしか出てこないなんてマシな方で、返済金額をごまかしてきた業者も過去にありました。今、社会的に問題になっている次々商法なども、年金収入しかないお年寄りに、悪質業者が何千万ものクレジットを組ませたもので、クレジット会社が顧客の収入をきちんと見ていれば間違いなく審査が通らなかったはずなのです。
このブログを読んでいる方は「クレジットだから信用できる」と言う考えは止めにしましょう。
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