債務整理ジャーナル 橋本司法書士事務所トップ
過払い金請求
臨時ニュース ネオライングループの再編   臨時ニュース 平成23年12月1日最高裁判決   臨時ニュース 丸和商事倒産 その4   臨時ニュース プロミスが銀行の完全子会社に   SFコーポレーションの控訴   臨時ニュース 丸和商事倒産 その3   ヴァラモスの支払い   債務整理の多い職種   臨時ニュース 丸和商事倒産その2   臨時ニュース 丸和商事倒産   オリコの取引履歴   過払金の相続   クレジット会社ライフの経営悪化   SF・ライフ・ヴァラモスの移送申立(後編)   SF・ライフ・ヴァラモスの移送申立(前編)   過払調停の問題点   アイクカードサービス   シリーズ 最近の状況⑧ クレジット会社   シリーズ 最近の状況⑦ 中堅業者   シリーズ 最近の状況⑥ CFJ  

臨時ニュース ネオライングループの再編

過払金請求において、判決を取っても支払わない極めて悪質な業者を複数抱えているネオライングループが、いくつかの業者をグループから切り離したようです。(もう面倒見切れないということでしょうか)

切り離された代表的な業者としては、ネオラインキャピタル株式会社、株式会社ヴァラモス(旧トライト)、アペンタクル株式会社(旧ワイド)、株式会社クラヴィス(旧タンポート)などです。

ネオラインキャピタルはグループからはずれた以上、ネオラインという名前は紛らわしいですから商号変更してクロスシード株式会社となるそうです。

これらの業者は、過払金をほとんど支払わない業者として有名ですが、グループから離れたことが、果たしてどのように影響するのでしょうか。

単純に考えて資金力が弱まる訳ですから、改善するようには、どうも思えません。むしろ、倒産の危険性がより高まったと考えた方が良いかもしれません。

ただ、今までも、ろくに支払わなかった業者なので、仮に倒産したからと言って、過払金を請求する側から考えたら、あまり変化はないとも言えるでしょう。

むしろ、資金があるくせに払わない方が腹が立ちますので、いっそのこと倒産してくれた方が、これらの業者に関しては、すっきりするかもしれません。

過払金請求|2012年2月 2日

臨時ニュース 平成23年12月1日最高裁判決

最近の過払金訴訟で貸金業者側がしてきた主要な反論が二つあります。

一つは、取引の途中で空白期間があった場合の取引の分断の主張、もう一つは、悪意受益者の利息に対して、当時は悪意だと考えていなかった特段の事情があるから、やむを得ない為に利息は支払わないという主張です。

上記2大反論のうち、悪意受益者の利息について、この度、最高裁判所が決着をつけました。結論から言うと、貸金業者は、きちんとした法定書面を交付していない場合、悪意ではないと考える特段の事情は存在しない。故に過払金に対する5%の利息は認められる、というものです。

この判決によって、今まで利息に関して、さんざん抵抗してきた業者も今後は支払う方向に向かっていくものと思われます。(もちろん、経営悪化の為に支払能力が無い業者は話が別です。こればかりは、どんな有利な判決が出ようと、どうしようもありません)

しかし、楽観は禁物です。今よりは支払いが良くなるとは思いますが、この判決だけで全ての利息が取れるようになるとは限りません。

例えば、今回は、きちんとした法定書面が交付されていない場合は利息は支払わなくてはならないと判決では言っていますが、裏を返せば、きちんとした法定書面が出ていた場合は支払わなくても良いという解釈も可能な訳です。(この反論は今後、予想されます)

法定書面には2種類あって、17条書面(契約書面)・18条書面(受取書面)がそれにあたります。法律では、これらの書面に返済期間と返済回数の記載が義務付けられていますが、実際には、これらの記載がされるようになったのは、ここ数年のことなのです。

従って、これらの記載がされる前に過払金が発生している取引ならば恐らく問題は無いと思われますが、これらの記載がされるようになった後に過払金が発生する取引の場合は業者の抵抗が予想される訳です。

まだ100%こちらの主張が通ると言う訳ではありませんが、今までよりは格段に良くなったことは確かです。貸金業者との争いは少しずつ前進する積み重ねの歴史でした。一朝一夕に事が進む訳ではありません。今回は素直に喜んで、利息の請求に努めていきましょう。

過払金請求|2011年12月 5日

臨時ニュース 丸和商事倒産 その4

民事再生を申し立てていた丸和商事(ニコニコクレジット)ですが、最近、弁済率が発表されたようです。何と武富士をも下回る割合で司法書士・弁護士の間に衝撃が走っています。

具体的には1000万円までの過払金に対しては1.65%、1000万円を超える過払金に対しては1.32%というものです。ほとんどの過払金債権者が1000万円以下だと思われますので、弁済率は1.65%だと考えて良いでしょう。

この弁済率だと仮に100万円の過払金があったとしても、丸和商事からの配当金は、わずか1万6500円ということになります。衝撃が走ったのも当然でしょう。いくらなんでも武富士を下回るとは多くの人は予想していなかったのではないでしょうか。

同じ静岡県のクレディア(現フロックス)の民事再生の時は弁済率が4割だった訳ですから、まさに天と地の差があります。(クレディアは内心、失敗したと思ってるんじゃないでしょうか。もう少し粘っていれば、相当、弁済率を下げられたのではないかと思っていても不思議はないです)

問題は、この非常識な弁済率の再生計画案が果たして認可されるかどうかです。しばらくすると、計画案に賛成か反対かを決める投票用紙が過払金債権者のところに送られてきます。

私の意見は、やはり、この計画案は反対多数で不認可に追い込むべきだと考えます。今回の弁済率が非常識になったのは、やはり武富士の影響が大きかったと思います。武富士の前例が無かったら、丸和商事も、これほど大胆な弁済率は提示できなかったでしょう。

もし、これが簡単に認可されてしまったら、消費者金融各社は倒産すれば過払金から開放されて再出発できると考えてしまうことになります(丸和商事には銀行のスポンサーが決定していて、認可されたら会社は存続します)。

そうなったら、次から次への倒産ラッシュが起こり、収拾がつかなくなるかもしれません。過払金債権者は大打撃を受けることになります。

どこかで負の連鎖を断ち切る必要があります。武富士、丸和商事のどちらか(願わくは両方とも)が、倒産手続に失敗するという前例を作らなければなりません。そうすれば、他の消費者金融も安易な倒産をためらうようになるでしょう。

丸和商事への過払金債権者の皆さん、反対しましょう。こんな不当な倒産を許すべきではありません。

過払金請求|2011年10月12日

臨時ニュース プロミスが銀行の完全子会社に

消費者金融業者の中でプロミス・アコム・新生は比較的安全だと今まで説明してきました。これは、これらの業者には銀行がバックについているからです。しかし、裏を返せば万が一、銀行が見放したら一気に経営が傾く可能性もありました。

最近の消費者金融の経営状態の悪化は世間でも評判になっていて、このまま悪化が止まらなければ銀行が提携を解消してしまうのではないかという噂も流れていました。(こういう時に銀行が容赦ない対応をすることは皆さんも良くご存知でしょう)

ところが最近、プロミスの親会社である三井住友銀行が今までの出資比率(確か22%だったと思います)を大幅に引き上げて100%子会社にすることが発表されました。

これは事実上、プロミスに関しては三井住友銀行が責任を持つと宣言したようなものです。これでプロミスが倒産する危険性は限りなく低くなったと言えるでしょう。過払金請求を考えている人には朗報です。

武富士以来、どこの業者が倒産してもおかしくないという疑心暗鬼の状態が続いてきましたが、ようやく安心して請求できる業者が出来たということになります。

今まで過払金の支払時期が延びる傾向にあったプロミスですが、これを機会に支払時期も短縮してくれることを期待したいです。

今まで銀行が消費者金融に対して、もっとも懸念していたのが、いつまで続くか分からない過払金請求のことでした。ところが今回、三井住友銀行は「過払金請求はピークを過ぎた。今後は減少していくだろう。」と見通したと言われています(だからこそ100%子会社にしたのでしょう)。

実際に過払金請求の絶対数も武富士倒産以来、減少傾向にあるようです。しかし一部の司法書士や弁護士の中には、「まだ、完済してしまって、そのまま放ったらかしにしている人が、かなりいるはず。その人達が10年以内に請求してくれば、また増加する可能性はある」と言っている人もいます。

果たして、どちらが正しいのかは分かりません。しかし、一時期の膨大な過払金請求であふれかえったようなピークは過ぎたのは、確かではないかと私は思います。

 

過払金請求|2011年10月 4日

SFコーポレーションの控訴

 SFコーポレーション(旧三和ファイナンス)は何度も、このブログで取り上げていますが、ひょっとして状況が変わったかもしれない出来事があったので再び取り上げます。

この業者は非常に支払が悪く、かつ悪質な対応をしてくることで有名です。ところが、今回、ちょっとマシな対応をしてきたのです。(あくまで、ちょっとです)

ここは訴訟をすると徹底的に引き延ばし工作をしてくることで有名で、ようやく勝訴判決を取っても控訴してくることが非常に多いです。今回も相変わらず控訴されて、「やれやれ、またか」と思っていたところ、控訴第1回期日の3週間くらい前にSFから電話がかかってきて、「簡裁での勝訴判決の金額を満額払う。控訴も、すぐに取り下げる。」と言ってきたのです。

今までは、支払う場合でも連絡なしで、いきなり依頼人の口座に振り込んできたりしたので、「口座は代理人の口座でいいんですね」と聞いたら、「構いません」と担当者は答えました。

それなら、なんで控訴したんだと言いたくなりますが、一体、この変化は持続するものなのか、それとも一時的なものなのかは、まだ分かりません。おもいきり否定的に考えると倒産が近いのか、という可能性もゼロではありません。まあ全ては予想になりますので、SFが何故このような処理をしてきたのか本当のところは分かりません。

私は常々、業者の対応は変化するので、依頼人の方には最新の情報で判断するように話していますが、変化のスピードが上がってきたように感じます。

まさに風雲急をつげる貸金業界と言えそうです。(こんな状況ですから、結果について「必ず」とか「絶対」とか言う事務所は、ますます気をつけた方が良いでしょう。)

過払金請求|2011年6月13日

臨時ニュース 丸和商事倒産 その3

 丸和商事の民事再生につき手続の日程の詳細を、お知らせします。

1 再生債権(このブログの読者の皆さんにとっては過払金請求権のことだと思って下さい。)の届出期間は6月30日まで

2 債権の一般調査期間(この部分は分からなくても構いません。)は8月5日から8月12日まで

3 再生計画案の提出期間は8月19日まで

となっています。

以前お伝えしたように、民事再生の場合は「やむを得ない事情」で届出期間に間に合わなかった場合でも、配当を受ける権利を失いません。だから期間を過ぎてから丸和に対して過払いであることが分かったら請求できると考えて良いでしょう。(もちろん配当率に従ってカットされます) しかし、過払いであることが分かっていても債権届をしなかったとしたら、それは「やむを得ない事情」と言えるかどうか微妙です。過払いが分かっている人は今月末までに債権届をしておきましょう。

あと、上記3番の再生計画案とは配当率に従って減額した債権を債権者に分配する計画を示した書類です。これの提出期限が8月ということは、少なくとも8月には配当率が明らかになるということです。クレディア(現フロックス)は4割という高配当でしたが、果たしてどれだけの配当になるのでしょうか。

最近になって事務所に続々と丸和の債権届出書が郵送されてきました。これを見ると、武富士よりも、かなり債務者に有利な扱いがされているという印象を受けました。

例えば、武富士の場合は裁判所で若干、利息等の減額をして和解決定をもらっていた場合は、裁判所の決定は覆さないという建前の元に、最初の請求額を認めていません。(元金50万プラス利息10万円の訴訟をして55万円で裁判上の和解をした場合、武富士は元の60万円の請求は認めない訳です)

ところが、丸和の場合は、例え裁判上の和解であっても、元の請求額よりも和解金額の方が低ければ、元の請求額で債権届が出来るようになっています。この点は評価しても良いと思います。

 

過払金請求|2011年6月 7日

ヴァラモスの支払い

 ヴァラモス(旧トライト)の過払金の支払いに関して興味深い事がありましたので、取り上げたいと思います。

 ヴァラモスはトライトから商号が変更してから著しく過払金の支払いが悪くなり、任意請求はもちろんのこと、訴訟をしても元金の1割から2割程度しか和解金額の提示が無いという、非常に支払情況の悪い業者として有名になっていました。このブログでも過去に何度か取り上げて非難しております。

ところが、ヴァラモスの和解提案を拒否して、簡易裁判所で勝訴判決を取ったところ、驚くような事件がありました。以下に詳しい説明をしましょう。

まず、判決書が届いて2週間が過ぎると確定します。確定とは相手方の控訴(もう一度、裁判をすること)が出来なくなり裁判が終了することです。とりあえずヴァラモスは控訴して再び争うことはしてこなかったようです。もっとも取引の途中分断があるような場合は控訴してくる可能性はありますので断定は出来ません。

確定してから、しばらくするとヴァラモスから電話があり、少し金額がアップして3割程度の金額が提示されました。勝訴判決を取っても、この程度の金額しか提示してこないのです。これを拒否して、「そんな金額は呑めないから、近いうちに差押えを実行します」と回答しました。

そうすると何と驚いたことに、回答してから1週間程度で事前通知は一切なしで、依頼者本人の元に郵便為替で過払金満額が送られてきたのです。表示金額は判決金額に更に遅延利息まで追加されたものでした。当然、依頼者は大喜びです。

一部の貸金業者が事前通知無しで本人宛に振込みや為替送付を行っているという情報は得ていましたが、実際に目の当たりにすると、やはりびっくりします。私の場合は、そういう話を耳にしていましたので、一応、依頼者に「突然、入金されたり、郵便為替が送られてくるケースもあるようなので注意だけはしておいて下さい」と伝えておいたので、あまり混乱は起きませんでしたが、こういう情報が全く無い状態で受け取ったら相当あわてたのではないでしょうか。

事前通知はありませんが事後報告はありました。ヴァラモスから手紙で本人宛に郵便為替を送った旨と金額が書かれたものが送られてきました。わざわざ事後に送ってくるところが嫌がらせの匂いを感じてしまいます。もっとも、結果的には満額プラスアルファーを回収しているので良いと言えば良いのですが。

ヴァラモスが常に、このような処理をしているのかどうかまでは断言できません。また、いつから、このような処理をするようになったのかも、はっきりとはしません。ただ、ここで言いたいのは、少なくとも今後は、こういう処理をしてくる可能性がある以上、ヴァラモスに関しては必ず判決を取って差押えまで実行することが必要だろうと言うことです。

 最近の貸金業者は経営状態によって態度をめまぐるしく変えてきますので、このやり方が、いつまで続くのかは分かりません。半年後には同じことをしても満額払わなくなっているかもしれません。これからヴァラモスへの過払請求を考えている人は余り過度な期待をし過ぎないようにして下さい。だからと言って確実な変化の情報が出回るまでは、安易に低額で和解することは避けた方が賢明でしょう。

過払金請求|2011年5月24日

債務整理の多い職種

 きちんと統計をとった訳ではありませんが、債務整理の依頼を受けていて比較的、多いなと思える職種があります。例えば、建築・土木業、運送業(トラックの運転手さん)、保険業(いわゆる保険のセールスレディ)などです。

これらの職種の人に共通しているのが、結構、収入が高く支払い能力がある為、すぐに行き詰まる人は少なくて長年、取引している人が多いことです。

また、会社に知られることが嫌な為に、遅れずに真面目に支払っているケースが多いのも特徴です。(中小の運送業者さんの場合は、社長さんが自ら従業員の為にネットを検索して、債務を抱えた従業員を引き連れて事務所に来るというパターンも見られます。)

上記のようなケースは恵まれた人で、大半の人は孤独に悩まれている場合が多いのですが、実は真面目に長期間支払っている方が多いので、多額の過払いが発生していることが珍しくありません。ところが、なまじ収入が、そこそこ高いので支払いが出来てしまっていて、過払いに気付かずにいる人も多勢います。(あるいは過払いかもしれないけど、どうせ大した金額じゃないと勝手に判断してしまい、相談に行きそびれてしまうケースも多いようです。)

最近、武富士や丸和商事など消費者金融の倒産が相次いでいるので、もう過払いなど残っていないだろうと考えている人もいるようですが、意外なことに統計を調べると、完済している人も含めた場合、全過払債権者のうち半分程度しか請求していないそうです。(もっと少ないという統計もあります)

まあ、その程度しか請求していなくても、これだけ倒産する業者が出る訳ですから、ある意味、今までいかに貸金業者の利益が巨大であったかが分かるとも言えます。

 いずれにしても、まだまだ請求されていない過払金は、かなりの金額が存在する訳です。後で気付いた時には業者が倒産してしまったということにならないようにしたいものです。

 

過払金請求|2011年5月13日

臨時ニュース 丸和商事倒産その2

 丸和商事の倒産は民事再生という手続によって行われることになりました。武富士の倒産は会社更生という手続によって行われています。何故、異なる手続になったのか考えてみたいと思います。

 民事再生と会社更生の最も大きな違いは、届出期間内に届けなかった場合に救済が受けられるかどうかです。

民事再生の場合、旧クレディアの例でも明らかなように、やむを得ない事情(過払いであることを知らなかったなど)で届出期間内に間に合わなかった場合は、期間を過ぎた後も配当を受け取ることが可能となっている点です。故に、届出期間の周知に関しては、新聞等の広告でも許されていました。(間に合わなかった場合の不利益が少ない為)

一方、会社更生の場合は、届出期間を過ぎてしまうと一切の救済は認められていません。配当を受け取ることは不可能になってしまいます。これが為に、届出期間の周知は徹底することを裁判所から求められます。配当を受け取る権利が無くなってしまう以上、あらゆる方法を使って全国に知らせる必要がある訳です。

武富士の場合で言うと、TVコマーシャルを流したり、過払いになっている顧客に対しATMで届出の必要を知らせたり、あるいは既に完済して取引が終了している元顧客に対しても電話連絡等で知らせたりしています。当然ながら、かなりの時間と費用がかかることになります。

今回、丸和商事からの説明によれば、民事再生を選択したのは、上記のような徹底した周知を行う為には莫大な費用がかかる為(TVコマーシャルだけでも相当な費用でしょう)、費用負担に耐えられない可能性があるからということです。

結果的には債務者にとって民事再生の方が有利な点が多い為、喜ばしい結論だと思います。届出期間を終了しても配当が受け取れる可能性がある方が、ありがたいことは確かです。最も、期間終了後も認められる為には「やむを得ない事情」が必要ですから、過払いであることを知っていながら、ただのサボリで届出をしないというのは止めておきましょう。

 最近の情勢からして、今後も貸金業者の破綻は続くでしょうから、これからは倒産の方法が、民事再生か会社更生かが注目すべきポイントとなりそうです。(会社の規模が大きいところほど会社更生を選ぶ傾向があるようです)

過払金請求|2011年4月22日

臨時ニュース 丸和商事倒産

 本日は予定を変更して丸和商事の話題です。

中堅消費者金融の丸和商事(ニコニコクレジット)が平成23年4月8日付けで、東京地方裁判所に民事再生を申し立て、事実上、倒産しました。

丸和は静岡県掛川市に本社を置く消費者金融で、主に東海地方を地盤に業務を行っていました。私の地元の愛知県では割とポピュラーな業者の一つです。(関東や関西ではマイナーかもしれません)。

静岡県には、もう一つクレディアという消費者金融があり、ここは一足早く平成19年に民事再生を申し立て一度、倒産しております。その後、フロックスと名前を換え(正確にはフロックスという会社を新しく作って、そこに業務を承継させて)破綻後の対応をしております。

これで静岡県の主な消費者金融2社が破綻したことになります。東海地方では結構、インパクトのある事件です。

クレディアの時は、最終的に40%の配当がありました。これは、その後の破綻業者の対応を見ると結構マシな数字であり、果たして丸和が、これだけの配当を確保できるかどうかは未知数です。(私としては期待したいですが)

いずれにしても、今後、債権届出期間が設けられて債権届を呼びかけることになると思われます。クレディアの時は届出期間満了後も救済されましたが、今度も同じように救済されるとは限りません。最悪の場合も想定して、届出期間内に債権届を提出するようにしましょう。

過払金請求|2011年4月12日

オリコの取引履歴

 オリコ(オリエントコーポレーション)は以前から取引履歴に問題のある会社でした。最近はマシになっていますが、それでも完全に改善されたとは言えません。以下、オリコの取引履歴の何が問題なのかを説明します。

 オリコの取引履歴は長期間の取引がある場合、取引当初の入金額(債務者の支払額)が実際の支払額よりも少なく表示されているのです。

最近でこそ、当初の入金額が違うということを別の文書で明らかにするようになってきていますが、それも、ここ数年のことです。私が事務所を始めた頃は、それすら明らかにせず、平気で少ない金額を表示した履歴だけを送ってきていました。

私は、かなり早い時期から依頼人の預金通帳と照らし合わせて引き落とし金額と履歴の金額が違うことに気が付いていましたが、実際には、そこまで確認する専門家は少数派で、少ない支払額のままで過払金を請求していたケースも世の中には多かったのです。昔は過払請求自体が珍しかったので、そんな杜撰な処理でも許されていたのです。

 現在は、オリコの方から、金額が違うことを別の文書で明らかにしていますので、さすがに訂正してから計算している専門家が多いとは思いますが、完全に安心して良いとは残念ながら言えません。一応、オリコの過払請求をする人は注意した方が良いでしょう。

しかし、これも考えてみれば、おかしな話で、そもそも、オリコの方が最初から正しい支払額の取引履歴を送ってよこせば、それで済む話なのです。にもかかわらず、オリコは、わざわざ別の文書で古い時期の入金に関しては、別の入金記録から計算したものが正しい金額なので、専門家の方で勝手に計算して訂正してくれと書いてあります。

何度も言いますが、こんな計算を相手にやらせるオリコの方が、おかしいのです。最初から計算した上で正しい履歴を送れば良いだけです。事実、他の貸金業者は全て最初から正しい取引履歴を送ってきます。保存期間が過ぎたから残っていないという業者はありますが、間違った金額を載せてくるのは今やオリコだけです。(昔はセントラルファイナンスも少ない金額で送ってきましたが、合併してセディナになってからは正しい履歴を送ってくるようになりました。やれば出来るじゃないかという良い見本です)

 一般の人はクレジット会社は消費者金融に比べて、そんなことはしないのじゃないかと思っている人が多いようですが、事実は全然違います。むしろ、取引履歴に関しては、消費者金融の方が誠実なくらいです。昭和の時から履歴が出てくるのは圧倒的に消費者金融の方で、クレジットは昭和になると、もう、ほとんどの業者が「保存期間が切れていて残っていないから開示できない」と言ってきます。

その中でも最も問題のあるオリコの対応ですが、まさに少しでも過払金を減らす為に相手に面倒な計算を押し付けて、あわよくば怠慢な専門家にあたったら見落としてもらえるかもしれないという効果を狙っているとしか思えません。

専門家ですら面倒な計算ですから、素人がオリコの取引履歴を見たら、まんまとオリコの罠にはまってしまう可能性が高いと私は見ています。オリコと長期間の取引がある人は自分で過払請求はやらない方が良いのではないかと私は思います。

 では次回は、自己破産の時の自動車の扱いについてです。

 

過払金請求|2011年4月 5日

過払金の相続

 最近、立て続けに過払金の相続の依頼がありましたので、本日は、この話題を取り上げようと思います。

 高齢の両親が消費者金融やクレジットカードから、かなり長期間の借入をしていて、過払金が発生している可能性が極めて高い場合に、ご両親が亡くなると過払金の相続の問題が発生します。

過払金は相続財産に含まれますので、相続人が複数いる場合は、

1 相続人全員から請求して後ほど相続分に応じて分配する。(専門家に依頼する場合は全員と面談し、委任状も全員からもらう必要があります)

2 遺産分割や相続放棄をしてもらい、誰か一人を相続人に決めて、その相続人から請求する

の二通りの方法があります。

ちなみに過払金の金額を確かめる為の取引履歴の開示のみだったら、たとえ相続人が複数であったとしても相続人のうちの誰か一人から請求することは可能です。(要は遺産分割の前に金額を確かめることは可能ということです)

生前、貸金業者からの催促の電話が、よく家にかかってきた場合などは同居の家族も苦労している訳ですから、故人の過払金を請求する権利はあるように思います。

一方、生前は全く借金があることなど知らず、亡くなってからカードや明細書が見つかって驚いて相談に来られる方もいます。こういう場合、そもそも何社から借りていたのか、過去に完済している業者があるのかなどの重要な情報が分からなくなっている場合があるので注意が必要です。

残高がある場合は、相続人であることが証明できれば情報機関に問い合わせれば、ほとんどのケースで解決しますが、完済している場合には情報機関にも情報が残っていない可能性があるので、やっかいです。この場合は故人の机や書棚をひっくり返して探すしかないでしょう。完済しているケースは一般的に過払金の金額が大きくなるので、面倒がらずに探した方が良いと思います。

特に完済している場合は完済から10年で時効により回収できなくなってしまいますから、どうせ相続財産など無いと考えて遺産分割もやらずに放っておいたような人は、見覚えがある場合は探してみるべきでしょう。ひょっとしたら驚くような過払金が眠っているかもしれません。

相続人の一人から過払金を請求する場合は、かなり詳細な相続証明書類が要求されるのが普通です。請求された側の貸金業者の立場からすれば、間違った人に支払ったら大変なトラブルになってしまいますから、まあ、これは仕方がないでしょう。

例を挙げると、被相続人(亡くなった人のこと)の死亡を証明する書類、被相続人の生まれてから亡くなるまでの全ての戸籍(これが人によっては大変な分量になります。特に住所を転々と移動していた人は遠方の役所に請求を出す必要がありますので非常に大きな手間になります)、遺産分割協議書、相続放棄証明書(家庭裁判所で取得します)などです。正直、素人が正確に集めようとすると、かなり面倒だと思います。ですから、ほとんどのケースで相続関係書類は司法書士・弁護士の仕事になっています。(不動産の相続が絡む時は、圧倒的に司法書士の仕事になることが多いです)

 では次回は、クレジットカードのマンスリークリアについてです。

 

過払金請求|2011年3月 8日

クレジット会社ライフの経営悪化

 本日はクレジット会社ライフについての話題です。

 今までクレジット会社は消費者金融に比べて過払金の支払いが良いというのが定説でした。さすがに任意で請求(訴訟をしないで電話等で請求すること)した場合は減額を要求されることもありましたが、それでも訴訟を提起すれば元金に関しては、ほぼ満額回収できました(粘れば利息も回収できる会社が多いです)。ところが、ついにクレジット会社の一部にも経営悪化の影響が忍び寄ってきたようです。

その第一弾としてライフカードが挙げられます。ライフが最初となったのはアイフルの子会社であることも影響していると思われます。親会社のアイフルが経営悪化が取りざたされているので、その関係で支払いが悪くなってきているのでしょう。

前のブログでも取り上げましたが、ライフはクレジット会社では珍しく移送申立などの悪質な引き延ばし手段を使ってきます。電話も頻繁にかかってきて、早く解決したいなら金額を下げろと執拗に圧力をかけてくるようになっています。もはや、ライフ相手に元金に近い金額を回収しようと思ったら勝訴判決を取るしかないという情況になっているのです。

今のところは勝訴判決を取れば元金にかなり近い金額の回収は出来ています(それでも利息の回収は難しいです)。ただ、この情況が、いつまで続くかは分かりません。

 今後、ライフのようなクレジット会社が、これ以上、増加しないことを祈りましょう。

 次回は「過払金の相続」の予定です。

過払金請求|2011年3月 3日

SF・ライフ・ヴァラモスの移送申立(後編)

 前回の続きです。本日は移送申立に対する対抗手段について、お話ししましょう。

 まず、移送申立が出されたら放っておいてはいけません。放っておけば移送が認められてしまいます。前回も説明したとおり、移送が認められてしまえば事実上、過払請求を諦めることになりかねません。これだけは避けなければなりません。

そこで、移送申立に対しては「移送申立に対する意見書」というものを裁判所に提出します。これは裁判所に対して「移送を認めないでくれ」と理由を付けて反論する書面です。ほとんどの場合、移送申立の根拠は前回に説明した合意管轄条項によるものです。従って、この条項に対して反論していくことになります。

具体的には、以下のような反論が考えられます。

1 そもそも契約書に、そんな条項が書かれていること自体、知らなかったし説明も受けていない。合意とは双方が認識していて始めて成立するものであるから、管轄の合意など成立していない。

2 契約書に書かれた管轄の合意には過払金返還請求訴訟は含まれていない。何故なら、契約書を交わした当時に貸し手と借り手が認識していた将来の紛争とは貸金業者の行う貸金請求訴訟のことであり、双方ともに過払金に関しての訴訟が将来起こることなど想定していない。

3 付加的管轄の合意である。(契約書に専属的という言葉が無い場合)。専属的とは、契約書に書かれた裁判所以外は一切、認めないという意味です。この言葉が書かれていない条項なら、これを逆手にとって、「専属的と書かれていないんだから他の裁判所も認める余地がある」と反論するのです。この反論を付加的管轄の合意と言います。

4 民事訴訟法17条による移送の却下を求める。民事訴訟法17条に「当事者の衡平を考えて裁判所は事件を別の裁判所に移送できる」と書かれています。これを逆に解釈すると、「当事者の衡平を考えて移送を却下することが出来る」と読むことも出来ます。もちろん、このとおりの意味に解釈してくれるかどうかは裁判官にかかっていますが、裁判とは言える反論は、とりあえず何でも言っておくのが正しいやり方なのです。(この点、普段の日本人の考え方とは、かなり違います)

5 消費者契約法10条により無効だと主張する。消費者契約法10条には「消費者の利益を一方的に害するものは無効とする」と定めています。借りた人が法人や事業主でなければ消費者です。また、契約書に書かれた合意管轄条項は貸金業者に一方的に有利なものであり、借り手である消費者にとって利益になることは何もありません。従って、この法律を根拠にして、「契約書の合意管轄条項は消費者契約法10条により無効であり、故に移送申立は却下されるべきである」と反論する訳です。

 以上の反論が認められて、めでたく移送申立が却下されたとしても安心は出来ません。中には、即時抗告という手段を使って更に争ってくる場合もあるのです。私の経験ではSFコーポレーションが、よく即時抗告を申し立ててきます。

即時抗告とは移送申立が却下された時に、その却下が不満な相手方(この場合は貸金業者)が、「もう一度、別の裁判所で判断してくれ」と言って申し立てるものです。簡易裁判所で却下された場合は地方裁判所に、地方裁判所で却下された場合は高等裁判所に申し立てることになります。

即時抗告の反論の仕方は基本的に前と同じです。ただ、仮に却下を勝ち取ったとしても、時間がかかるという点において、過払請求者にとっては非常に痛いことは確かです。実は移送が認められる確率は高くありません。もちろん、100%勝てる訳ではないので油断は禁物ですが、確率としては却下の方が多い訳です。では何故、一部の貸金業者は移送申立を行うかと言えば、「時間かせぎ」をする為です。

訴状を出すと第1回口頭弁論期日が約1ヵ月後くらいに決められます。そして、移送を出すような業者は、この第1回期日に狙いを定めて期日直前(ひどい時には前日)に移送申立を出してきます。そうすると、移送の審査の為に第一回期日は取り消しとなり、そこから移送の審査、却下、即時抗告、もう一度審査、却下と2ヶ月近くの時間を費やします。例え、却下されたとしても業者から見れば「時間の引き延ばし」の効果は充分にある訳です。だからこそ、この手を使う業者は、たちが悪いのです。

 さて、理解の無い裁判官に当たって、万が一、移送が認められてしまった場合は、諦めるしかないのでしょうか。実は簡易裁判所の場合は、何とかする方法があります。それは簡易裁判所の特則を使う方法です。

簡易裁判所の特則とは色々ありますが、その中に「本人が出頭しなくても書面で反論や主張が出来る」というものがあります。これを使えば、遠方の裁判所に移送されてしまった場合でも、戦う方法はあります。

こう書くと、「何だ、そんな方法があるのなら、始めからそれを使えば良いじゃないか」と考えそうですが、実は、そう簡単なことではないのです。

一応、この特則はありますが、では現実に使われているかというと、あまり使われていません。何故かと言えば、やはり裁判官も人間であり、実際に出頭してきた生の声の方を信頼する傾向があるからです。書面だけ出して来ない人には「真剣に訴訟をしようと思っていない」と判断されてしまう危険性があるのです。故に、この特則は移送が認められてしまった場合などの、やむを得ない時にのみ使うのが得策です。むやみやたらに使うのは、控えた方が良いでしょう。

 では次回は、クレジット会社のライフの最近の状況についてです。

過払金請求|2011年2月15日

SF・ライフ・ヴァラモスの移送申立(前編)

 本日はSFコーポレーション・ライフ・ヴァラモスの過払訴訟における移送申立についてです。最近は弁護士や司法書士に頼まずに自らで訴訟を行い過払請求をする人も増えてきましたが、移送申立が行われることによって、一般人が過払訴訟を行うことが以前よりも難しくなったと思います。以下、理由を説明しましょう。

 最近、貸金業者の過払請求に対する抵抗が激しくなっているのは今までにも何度か、ご紹介してきましたので、ご存知の方も多いと思います。その中でも特に激しい抵抗を示しているのが、上記の3社です。(ライフは、つい数ヶ月前までは激しい抵抗はしていませんでした。最近の過払情勢は本当に短期間で変化するという良い例だと思います)

この3社は過払訴訟を起こすと、かなりの確率で移送申立をしてきます。通常、過払訴訟は請求者の住所地にある裁判所に提起します(義務履行地と言います)。ところが貸金業者側が裁判所の場所にクレームをつけてくることがあります。これが移送申立と呼ばれるものです。

移送申立では以下のような説明がなされます。「請求者の住所地の裁判所で審理するのは正しくない、正しくは貸金業者の本店所在地の裁判所で審理されるべきである。」というものです。そして、その根拠になっているのが契約書に書かれている合意管轄と呼ばれるものです。

ほとんどの場合、貸金契約には合意管轄条項が含まれています(お金を借りる人は気が付いていないと思います)。この条項では、「もし契約上のトラブルがあった場合は貸金業者の本店所在地の裁判所で審理する」と書かれています。要は貸金業者に一方的に有利に書かれている条項なのです。

しかし、ほとんどの人が合意管轄条項の存在そのものを知りませんし、例え説明されても拒否することは事実上、不可能です。何故なら、拒否してしまったら、お金が借りられなくなってしまうからです。契約とは本来、双方の自由意志に基づいて結ばれるものですが、貸金契約の場合は借りる側は貸す側の条件を呑むしかありません。ここが問題なのです。

にもかかわらず、SF・ライフ・ヴァラモスといった業者は最近、移送申立を頻繁に出してきます。もし、こんなものが認められてしまったら、地方在住の依頼者は事実上、過払訴訟をあきらめなくてはならなくなります。何故なら、ほとんどの業者の本店は東京や関西にあり、裁判をする為には東京や関西まで出掛けていかなくてはならないからです。(弁護士や司法書士に頼んだとしても、交通費は請求されるでしょうから同じことです)

ですから、この3社を相手にする場合は、過払訴訟で絶対に移送申立を認めないように裁判所に働きかける必要があります。冒頭で一般人が訴訟をするのが難しくなったと言ったのは、これが理由です。一般人が貸金業者の移送申立に対抗するのは、なかなか大変だと思います。

 では、どのような対抗手段があるか、次回、説明しましょう。

過払金請求|2011年2月 7日

過払調停の問題点

 本日の話題は過払調停です。

 債務整理に関心のある人は調停と言えば、一般的に特定調停を思い浮かべるでしょう。特定調停とは弁護士や司法書士の行う任意整理を裁判所を介して一般人でも行えるようにと始まった手続です。

当初は費用の安さも手伝って特定調停は非常に件数を伸ばしていましたが、ここ数年は減少傾向にあります。その最大の理由は特定調停では過払金の請求が出来ないということにありました。

特定調停が始まった頃には、まだ過払金の請求は一般的なものではありませんでした。ところが最高裁判所の判決が出てからは過払金請求が一気に広まって、過払金請求の出来ない特定調停に以前ほどの魅力がなくなってしまったのです。

 その代わりに激増したのが過払金請求訴訟です。簡易裁判所及び地方裁判所における過払金請求訴訟は増加の一途をたどり、ついには増えすぎて処理できないと裁判所が悲鳴を上げるほどになりました。

そこで裁判所が新しく考え出したのが過払調停という制度です。これは、本来は訴訟にするか調停にするかは裁判所に書類を提出する時に本人または代理人が決めることなのですが、その常識を覆して、もともと訴訟として提出された場合でも裁判所の判断で調停に変更されるというものです。(事前に電話で調停に変更して良いか聞いてくれる裁判所もあります)

 この制度の何が問題かと言うと、まず、裁判所や裁判官によっては本人の意向を無視して強引に訴訟を調停に変更してしまう場合があることです。例えば私の地元である名古屋地方裁判所で実際にあった出来事ですが、本人が「調停ではなく訴訟で進めて欲しい」という上申書を提出していたにもかかわらず認められずに調停に変更されたことがありました。(もちろん書類は訴訟で出しているのです)

では何故、過払請求は調停ではダメなのかと言うと、いくつか理由があります。その一番の理由は何と言っても和解金額が下がるケースが多いということにあります。(これは国家権力が過払金請求者の権利を侵害しているとも考えられる訳で非常に問題だと思います)

どうして金額が下がることがあるのかと言うと、率直に言って調停委員が貸金業者から甘く見られているからです。調停とは裁判所から指定された調停委員が取り仕切る手続です。調停委員は過払金請求の専門家とは限りません。我々、司法書士のように最新の貸金業者の状況や和解の適切な基準などは知らない人が圧倒的に多いのが実情です。そして調停委員が詳しくないということを相手方の貸金業者が知っているというところが問題なのです。

当然、貸金業者は司法書士や弁護士に対するよりも低い和解金額を提示する傾向があります。最近は専門家に頼まずに自分で過払訴訟を出す人も増えてきていますが、こういう人達にとっては過払調停は脅威だと思います。一般人が裁判所に行って調停委員から「この金額が妥当だから、この金額で和解しなさい」と言われたら、果たして断れるでしょうか。ほとんどの人は和解基準が、どの程度か分かりませんので承諾してしまうでしょう。

もう一つの問題点は時間が余分にかかるということです。調停になった場合、まず訴訟外で和解交渉をまとめることが難しくなります。貸金業者も調停になったら安く決着する可能性があるので、事前に交渉しなくなります(訴訟の場合は、ほとんどの業者が弁論期日前に電話をかけてきます)。

あと、調停の場合は最低でも1時間は裁判所に居なければなりません。これは最低ラインで、ひどい時には2時間以上も調停室に閉じ込められるケースがありました。調停の場合、ほとんどの業者は裁判所に出てきません。では、どうやって交渉するのかと言うと、調停委員が裁判所から直接、業者に電話をかけるのです。ですから、調停室には必ず各部屋に電話が設置されています。そして、困ったことに、この電話が非常にかかりにくい業者があるのです。例えばプロミスなどは、かけても常に話中で、つながるまでに1時間近くかかる場合があるのです。そうすると調停室に入ってから交渉が始まるまでに無駄な時間が膨大に発生することになります。

 このように、いろいろと問題点が多いのが現状の過払調停です。もし、選択することが可能な裁判所だったら調停を選択しない方が無難でしょう。強制的に調停に変更になった場合は、自分の気に入らない金額なら絶対に、まとめないという覚悟が必要でしょう。

 

 

 

過払金請求|2011年2月 2日

アイクカードサービス

 アイクカードサービスという会社を、ご存知でしょうか。「アイク」と言う名前を聞いたことがあると言う方はあるかもしれません。今はCFJと呼ばれている外資系の中堅消費者金融の合併前の商号の一つが「アイク」でした。(アイク、ディック、ユニマットが合併してCFJとなりました) しかし、アイクカードサービスは同じシティグループの系列ではありましたが、別会社になります。

何故、過去形を使ったかと言うと、現在はシティグループを離れ、というか現実には経営悪化の為にシティグループから見放され、独立系となっています。

経営が悪化しているところに系列会社が手を引いてしまった訳ですから、ますます経営状態が悪くなるのは当然の成り行きでした。今や、この会社は過払金の請求をしても全く支払ってきません。何と裁判で勝訴判決を取っても、ふてぶてしく、「1割くらいしか払えません。不満があるなら、差押えでも何でも自由にして下さい。どうせ取るものありませんから」と開き直っています。

 実は、こういう会社が一番、困るのです。他にも似たような会社としてクラヴィス、ヴァラモス、アペンタクルなどがありますが、本当に支払う金が無いのか、それとも単に隠しているだけなのか、こちらからは調べようがないからです。

これらの会社に比べれば、武富士の方が、よほどマシだと言えるでしょう。何故なら武富士は法的な倒産手続を取っている訳ですから(全く問題が無い訳ではありませんが)裁判所の審査があります。裁判所が審査の結果、財産はこれだけですから分配します、と言われたら従うしかありません。少なくとも会社が勝手に、「これだけしか払えない」と言っているよりはマシだと言えるでしょう。

だから、アイクカードサービスのような会社は非常に悪質だと思う訳です。何故なら、本当に会社が苦しいのなら本来は倒産手続に入らなければならないはずだからです。

 しかし、このような問題のある会社が、いくつか存在するのが残念ながら現在の貸金業界です。今のところ、これらの会社から有効に取り立てる決定的な方法は見つかっていないのが現状です。(もちろん本当に、お金が無いのかもしれません。しかし、それなら武富士のように倒産手続を取るべきでしょう) 

 

過払金請求|2011年1月11日

シリーズ 最近の状況⑧ クレジット会社

 ご無沙汰しておりました。本日はクレジット会社の状況について説明しましょう。

 消費者金融が軒並み経営状態を悪化させて過払金の支払いが減額になっている状況で、クレジット会社に関しては、まだ救いがあるようです。

クレジット会社の経営も決して良くはありませんが、まだ過払金の大幅な減額に至っている会社は少ないようです。クレジット会社の収益源にはショッピングなども含まれていますので、この辺りも消費者金融に比べてマシな原因かもしれません。

従って、クレジットのキャッシングで長期間の取引がある人の過払請求は、今なら、まだ間に合うと言えるでしょう。それでもアイフルの子会社であるライフなどはアイフルの経営不振の影響を受けて減額傾向が出てきていますので注意が必要です。

クレジット会社で取引が長ければ過払いになりやすい会社(要は過去の利率が高かった会社)には、ニコス(旧日本信販、旧UFJカード等)、セディナ(旧セントラルファイナンス、旧オーエムシーカード等)、イオンクレジット、オリエントコーポレーション、UCS(旧ユニーカード)、クレディセゾンなどがあります。

一方、利率が元々低くて過払いになりにくい会社(または過払いにならない会社も含みます)としては、オリックス、ジャックス、楽天、旧UCカード、旧DCカード、三井住友カード、UFJカードなどがあります。

 クレジット会社は普段の買物やETCカードなどで使用している為に、せっかく長期間の取引があるにもかかわらず、過払請求をためらっている方が多勢います。こういう人達の為に私は、ご自身による取引履歴の請求を提案します。現在は法律が整備されていて、名義人から直接、取引履歴の請求があった場合、会社は応じなければなりません。これは法的義務になります。相手が消費者金融だと請求をためらう人もいるかもしれませんが、クレジット会社なら消費者金融よりは頼みやすいのではないでしょうか。(もちろん消費者金融でも頼んで全く問題ありませんが)。

届いた取引履歴は引き直し計算がされている場合と、されていない場合とがあります。されていない場合は、どこか計算してくれる事務所を探すと良いでしょう。私の事務所では計算サービスを行っていますが、他でもやっている事務所があるかもしれません。

取引履歴を請求することによって、自分が過払いになっているのかどうかが、まず明らかになります。そして、もう一つ、過払いになっていた場合、その金額が分かります。これはカードの使用をあきらめても過払請求をするかどうかを悩んでいる人にとっては非常に大きな判断の目安になると思います。

例えば、もし100万円以上の過払請求が可能だったとしたら、やっぱり請求してみようと言う人もいるんじゃないでしょうか。逆に5万円だったら、やっぱり止めておこうとか具体的な判断が出来るようになります。

結果が分からない段階で、あきらめてしまうのは、ひょっとしたら後で後悔することになるかもしれません。そういうことにならないように是非、一度、取引履歴の請求を考えてみて下さい。

 

過払金請求|2010年11月15日

シリーズ 最近の状況⑦ 中堅業者

 本日は中堅業者についての、お話です。

中堅業者とは、例えば、フロックス(旧クレディア)、丸和商事(ニコニコクレジット)、トライト、アペンタクル(旧ワイド)、SFコーポレーション(旧三和ファイナンス)、クラヴィス(旧クオークローン)、ネオラインキャピタル、エイワなどです。もちろん、上記以外にも中堅業者はありますが、割と代表的なものを取り上げてみました。基本的には、主要業者には含まれないけど一応、複数の都道府県にまたがって展開をしている業者ということになります。

 これらの中堅業者に共通して言えるのは、過払金を満額支払ってくる業者は、最早、ほとんど無いということです。6割、5割は当たり前で、ひどいところは1割という業者もあります(アペンタクル、クラヴィスなどで、倒産した旧クレディアより低い)。

これらの低い回収率に怒って、判決まで取って差し押さえをしても、結局のところ、ほとんど回収は望めません。銀行口座は空になっているか、あるいは既に多くの差し押さえが入っていて配当金はスズメの涙ほどしか取れなくなっているかです。まさに過払金を回収する側にとっては、惨憺たる状況になっています。中堅で、この状況ですから、地方限定の小規模業者に至っては、回収自体が出来なくなっているところも多々あります。例え何割かでも回収できるだけ、中堅業者はまだマシな方なのかもしれません。

 過払いに関しては、こんな状況の中堅業者ですが、こと借金が残った場合は、がらっと態度が変わって、非常に強硬な請求をしてくるところが多いです。一括払いでも遅延利息のカットには、いっさい応じないで、ひどい業者だと実際の支払日までの利息を請求してきます(通常は、付けても契約日までです)。

分割になると更に深刻で、高額の将来利息を要求してくる業者が少なくありません。過払金の支払は徹底的に減らしているくせに、全くひどい対応です。まあ、中堅業者に関しては、いつ倒産してもおかしくないと言われているところが多いので、仕方が無い側面もあるのかもしれませんが。

 今回の武富士の倒産で、中堅業者の態度は、ますます悪くなるのではないかと懸念しています。過払いに関しては、まだ、減額してでも回収できているうちに請求した方が良いでしょう。

 では次回は、クレジット会社について取り上げます。

過払金請求|2010年10月25日

シリーズ 最近の状況⑥ CFJ

 本日はCFJについて説明しましょう。

 CFJはアイク・ディック・ユニマットという3つの会社が合併して出来た会社です。正式名称はシティ・フィナンシャル・ジャパンと言い、この名称を聞いてピンと来る人もいるかと思いますが、アメリカのシティグループが資本参加している、いわゆる外資系です。

ご存知のようにアメリカの金融業界はリーマンショック以降、深刻な不況に陥っておりシティグループも例外ではないと思われます。従って、親玉のシティとしては、過払金返還請求によって経営状態が著しく悪化した日本の消費者金融市場からは撤退したがっているという噂が絶えません。

 以上のことを踏まえて過払金の回収状況について考えてみましょう。

何しろ親会社に余裕が無い状態ですから過払金の支払には、かなり厳しくなってきています。途中に空白期間がある場合は相当に激しく争ってきます。空白がある場合は、訴訟が長引くという覚悟がいるでしょう。

空白が無い場合は今のところは元金までは支払ってくるようですが、利息に関しては、やはり相当、強硬に争ってきます。他の大手よりも利息に関しての争い方は激しい感じがします。

もっとも、アメリカの経済状況を考えると、いつシティグループが手を引くか分かりませんので、現在の状況は、あくまでシティ傘下の企業であることが前提となります。

 一方、債務が残った場合の分割交渉に関しては、武富士やアイフルと同じく認めない方向のようです。どうしても分割にする場合は、やはり将来利息の請求を受けることになるでしょう。大手の半分以上が、分割に際しては将来利息を求めてくるようになっている訳ですから、全くやりにくい状況になってしまいました。

 では次回は中堅業者についての一般論を取り上げたいと思います。

 

過払金請求|2010年9月17日

シリーズ 最近の状況⑤ 新生フィナンシャル

 今回は新生フィナンシャルについて説明しましょう。

 新生フィナンシャルは旧商号がレイクと言えば皆さん、お分かりになると思います。今でもレイクの名前は使用しているようなので、こちらの方が馴染みがある人も多いでしょう。

新生フィナンシャルと会社名を変更したのは、バックに新生銀行がついたからです。要するに、この業者もアコムやプロミスと同じように銀行系の消費者金融ということになります。ただし異なるのは、バックにいる新生銀行は、アコムやプロミスの親会社のような巨大銀行ではないということです。そういう意味で安定感はアコムやプロミスには劣るけど、武富士やアイフルよりは勝っていると言えるでしょう。

 しかし、こと過払金の支払いに関して言えば、今、この業者は消費者金融の中ではトップクラスの優等生です。何故、そんなに資金の余裕があるのか不思議に思えてしまうほどです。

このブログで1年前と今では過払金の支払状況は劇的に悪くなったという話を散々してきました。ところが、唯一、1年前と大して変わらない状況で支払ってくれているのが新生なのです。あまりにも他の業者と支払の態度が違うので、「こんなに気前よく支払って、会社は大丈夫か」と他人事ながら心配になってきます。過払いの依頼人にとっては、非常にありがたい業者となっています。果たして、この気前の良さは、いつまで続くのでしょう。

実は、先日、新聞で気になる記事を見かけました。それによると親会社の新生銀行の直近の決算が非常に悪かったと書いてありました。親会社の不景気が子会社に波及してくる可能性は充分ありそうですから、ひょっとしたら気前の良い支払いもカウントダウンに入っているかもしれません。

 過払いの気前の良さを反映してか、債務が残った場合の分割払いも今のところはスムーズに応じてくれているようです。他の業者の態度の悪化が激しいので、非常に目立つ存在になっています。

 それでは次回は、CFJを取り上げる予定です。

過払金請求|2010年9月10日

シリーズ 最近の状況④ アイフル

 ご無沙汰しておりました。本日は、アイフルについて取り上げます。

 アイフルは武富士と並んで大手の中では銀行のバックがついていない独立系と呼ばれる消費者金融です。そのせいかどうか、この2社は対応が似ているところがあって、アコムやプロミスなどの銀行系の業者に比べると強引な部分や違反スレスレのグレーな部分があります。やはりバックに銀行がないので態度に余裕が無いのかもしれません。

また、アイフルも大手の中では武富士と並んで経営悪化がひどいと噂されています。その為、過払金請求・任意整理の対応は1年前と比べても急激に悪化しています。(このシリーズでは何度も申し上げていますが、昔の債務整理の話は今とは全く状況が違いますので注意して下さい)

 過払金請求に関しては大手の中では最も徹底的に争ってきます。過払訴訟では経営悪化を理由として元金の55%しか支払わないと主張してきます。(こんな根拠の無い不思議な主張をしてくるのはアイフルくらいです) 

この主張を拒否すると(根拠がありませんから拒否するのは当たり前なのですが)、途中で和解するのは、まず無理で、ほとんどが判決まで行ってしまいます。従って、支払いまでが非常に時間がかかることになります。ちなみにアイフルで判決まで行っていない場合は、元金を割り込んで和解している可能性が極めて大きいので、専門家に依頼して、そういうケースに当たったら、よく確認した方が良いでしょう。

また1審の判決で支払ってきたら、アイフルの場合マシな方です。多くの場合、アイフルは1審の判決が出た後、控訴してきて2審に引きずり込もうとします。それも2審で再び審理したからと言ってアイフルに勝ち目があるとは、とても思えないようなケースでも控訴してくるのです。全く始末の悪い業者です。

こういう状態ですから、控訴された場合は更に支払期日が延びて半年以上かかるのが当たり前になっているのが実情です。

過払金の回収率に関しては、粘り強く訴訟をしていけば、今のところ元金満額は回収できるでしょう。ただし急いで回収しようとすると極端に回収率が下がるのが、この業者の特徴ですから腰をすえてかかった方が良いでしょう。

 次に債務が残った場合の分割払いについてです。これに関しても、最近の傾向と同じく将来利息無しの分割払いには応じていません。アイフルは、かなり早い時期から利息なしの分割には応じていなかったので、むしろ他の業者がアイフルに追随してきたという感じです。

従って、アイフルの場合も債務が残った場合は、一括で払うか、利息付で分割にするかという悩ましい選択にせまられることになります。

 それでは次回は、新生フィナンシャル(レイク)について取り上げます。

過払金請求|2010年9月 3日

シリーズ 最近の状況③ プロミス

 本日はプロミスの状況について紹介します。

 プロミスの過払金請求に対する態度はアコムとだいたい同じと言って良いでしょう。この業者もアコムと同様、バックに三井住友銀行という大銀行が付いていますので、比較的、安定していると言えます。

過払金の支払いも、そんなに悪くはありません。途中に空白期間の無い取引ならば、訴訟をすれば元金満額プラスアルファーぐらいは回収できると思います。もちろん半年後にどうなっているかまでは保証できない点ではアコムと同様です。

一方、途中に1年以上の空白期間がある場合は、取引の分断計算を主張してくることが多いです。ただし、空白前の完済年月日が10年以上前の場合は、例え空白期間が1年以内でも取引の分断及び、空白前の取引の時効消滅を強く主張してくる傾向があります。この主張が裁判所で認められた場合は過払金の大幅減額につながることが多いので注意が必要です。

支払期日に関しても、和解を結んでから3ヶ月から半年といったところで、最近の業者の中では悪い方ではありません。それでも1年以上前の状況と比べたら遅いですが、それはどの業者でも同じことです。もはや和解を結んで1ヶ月以内に支払ってくる業者は、ほとんどありませんので、その点は依頼する側も覚悟を決めた方が良いと思います。もちろん過払金を大幅に減額すれば話は別ですが。

 さて過払金回収についてはアコムと、それほど変わらないプロミスでうが、債務が残った場合の分割交渉はアコムと全く違う対応になっています。

アコムは今年の6月から分割払いの場合は将来利息を付ける和解しか出来なくなりました。しかしプロミスの場合は今でも将来利息無しの分割が可能です。

と言っても、いつこのルールが変わるか余談を許しません。あくまで今のところは、です。現時点では債務が残ったのがプロミスだったらラッキーということになりそうです。

 それでは次回はアイフルについて取り上げます。 

過払金請求|2010年8月16日

シリーズ 最近の状況② アコム

 本日はアコムについて紹介します。

 アコムはバックに三菱東京UFJ銀行がついている関係もあって大手の中では比較的安定していました。そのせいか、過払金回収に関しては今のところ深刻な事態にはなっていません。

途中に空白期間が無い取引ならば、現状では元金満額プラスアルファーくらいの回収は望めます。支払日も以前に比べれば延びていますが半年以内には設定されることが多いです。

しかし途中に空白期間のある取引の場合は、他の業者と同様に争ってきます。特に1年以上の空白がある場合が要注意です。それでも、判決で決着した時は、今のところは武富士やアイフルのように控訴までしてくることは、めったにありませんので、まあマシな方と言えるでしょう。

 一方、債務が残った場合の分割払いについては大きな変化がありました。やはり銀行がバックにあるアコムでさえも経営悪化の影響からは逃れられないということなのでしょうか。

具体的には、分割払いに関しては武富士と同じように将来利息を要求してくるようになりました。今年の6月からの取り扱いだということです。4月に申し込めばセーフだった訳ですから、今や債務整理は遅くなれば遅くなるほど状況が不利になってくる可能性が高いということになります。今が最悪だと思っていると、半年後、1年後にはもっと状況が悪くなっているかもしれません。

最早、分割の際には将来利息を要求してくる業者の方が多数派になってしまいました。アコムの方針転換により、分割交渉はますます、やりにくくなったと言えます。ここまでくると、将来利息カットの分割という法的根拠の無いルール自体を見直すべき時期にきているのかもしれません。

 それでは、次回はプロミスの状況について取り上げます。

過払金請求|2010年8月 4日

シリーズ 最近の状況① 武富士

 さて本日からは、変化の激しい債務整理の最新の状況について紹介しましょう。まさに半年違えば状況が異なるのが最近の債務整理事情です。まずは武富士の状況についてです。

 武富士は前から状態が悪かったのですが、以前よりも更に状態が悪化しました。本当に倒産するんじゃないかと心配になってきています。過払金返還請求に関しては、武富士との長期取引がある場合は急いだ方が良いでしょう。

 武富士の深刻な状況を表しているのが、和解後の過払金の支払いです。最近の武富士は何と一旦、和解した(裁判上の和解も含みます)過払金の支払日に入金されていなかった、あるいは支払日直前に電話がかかってきて支払日を遅らせてくれと懇願してくる、などの信じられない対応をしてきています。とてもじゃないが、大手の貸金業者とは思えません。

過払金の支払日も、どんどん遅くなり、半年後ならマシな方で、8ヶ月後、10ヶ月後なども出てきています。従って、武富士の過払金をあてにして他の借金を支払う場合には非常に困ったことになります。半年以上も借金の支払を待たせていると、当然、遅れた分の利息を付けろと言ってくるからです。

また、過払訴訟においても、少しでも空白期間があると徹底的に争ってきます。例え苦労して判決で勝っても安心できません。かなりの確率で控訴してくるからです。控訴とは1回目の裁判で判決が出た後で、もう一回、裁判をすることです。要するに裁判が長期化する訳です。事務所によっては、裁判が長引くと余分な費用を後から請求するところもありますから、依頼する前には、しっかり確認しておいた方が良いでしょう。

それでも今のところ、武富士は過払金の支払額に関しては、何とか今までどおりの額を支払ってきてはいます。ただ回収するのが今までと比べて格段に大変になっているということです。最早、気軽な気持ちで取り組んでいる事務所では対応できなくなっているのではないでしょうか。

以上のことをふまえて、過払金請求を既に依頼している場合は、実際に過払金元金と比べて、どの程度回収しているのかを、しっかり確認するようにするべきです。まかせっきりだと、想像以上に減額されて和解されている可能性があります。特に最近の武富士で早く回収されていたりしたら疑った方が良いかもしれません。

 一方、債務が残った時の分割払いに関しては、ほとんどの場合、将来利息を要求してきます。将来利息とは分割払いの契約が結ばれた後に、かかってくる利息のことです。今までは分割払いでは将来利息カットが常識でした。ところが最近は多くの業者が将来利息を要求してくるようになっています。

では今までの常識に合わせて将来利息を支払わないと言ったらどうなるかというと、要するに一括払いで支払うしかないということになります。他の業者で過払金が発生していれば、そこから払うことは出来ますが、そうでなければ、自分で貯めるか親族にでも頼むしかなくなります。

 以上が最近の武富士の状況です。しかし、この状況が、いつまで続くかは分かりません。また半年後にはブログで紹介する必要が出てくるでしょう。それでは、次回はアコムの状況についてです。

 

 

過払金請求|2010年7月30日

臨時ニュース 過払返還の際の事故情報の廃止

 以前、お伝えしました株式会社日本信用情報機構の発表による、過払金返還の際の事故情報登録(いわゆるブラックリスト)が昨日(4月19日)の時点で廃止されることになりました。

今まで、事故情報を気にして過払金請求をためらっていた人にとっては、またとない朗報となります。過払金請求の唯一のネックだった事故情報の心配が取り除かれた訳です。

 最近は業者の経営悪化などで過払金請求に関しては悪い情報が多かったのですが、久しぶりに良い情報となりました。事故情報で迷っていた人は、この機会に専門家に頼んでみたら、いかがでしょうか。

過払金請求|2010年4月20日

シリーズ 過払金⑫ 最近の過払事情(3)

 本日は、武富士・アイフル・CFJの最近の対応について話をしましょう。

 まず、武富士の対応ですが一言で言うと、「全ての事務手続きが遅い」という印象です。例えば、過払いの交渉の為に電話をかけても、「まだ担当が決まっていませんので決まり次第、こちらから折り返します。」と言われ、その言葉を信用して待っていても、いつまでも電話がかかってこないとか、あるいは一旦、和解して決着した過払金の支払日目前になって電話がかかってきて、「お金が足りなくなったから支払日に払えません。遅らせて下さい。」と言われたり、かつての業界トップ企業とは思えない無茶苦茶な対応が目立ちます。過払訴訟に関しても、訴訟中に合意に達するのは珍しく、ほとんどが判決まで行ってしまいます。従って、支払われるまで非常に時間がかかると言うことです。その代わり判決を取った場合は利息も含めて満額を支払ってくれます。(あくまで今のところは、です)。ですから武富士には多少時間がかかっても判決を取りに行くのが良いと思います。支払時期に関しては、判決を取れば2~3ヶ月後、判決が無いと4~6ヶ月後くらいでしょうか。

 次にアイフルですが、武富士ほど事務が滞っている訳ではありませんが、ここも訴訟をしても、なかなか払いません。訴訟中の金額交渉だと何と過払元金の55%を主張してきます(このレベルで和解している事務所だったら止めた方が無難でしょう)。従って、ここも時間はかかっても判決を取るしかありません。しかし、判決を取れば武富士と同様に利息も含めて満額支払ってきます。(くどいようですが、今のところは、です)。支払時期は判決を取った場合は1~2ヶ月後くらいです。

 最後にCFJの対応です。ここは倒産するのではないかという噂が絶えない業者なので、多くの司法書士が、あまり粘らないで和解していた傾向があります。だいたい利息をあきらめて元金満額くらいで和解するのが標準だと思います。しかし、かなり前から倒産の噂が出ていた割には一向に倒産する気配がありませんので、試しに粘ってみたところ、利息の一部を上乗せすることが出来ました。本当に倒産するかどうかは結局、誰にも分かりませんので、私としては、今後は少し粘ってみようかと思っています。支払時期は2~3ヶ月後くらいです。

 これで、主要消費者金融に関しては一通り状況の説明はできたのではないかと思います。中小の業者に関しては、最早、「過払金が回収できたらラッキーだ」という気持ちでいた方が正解だと思います。大手が、このような状況ですから中小は更に厳しい訳で、あまり期待しない方が良いでしょう。そして何度も申し上げていますが、過払事情は頻繁に変化するということは忘れないで下さい。半年後には全く違う状況になっているかもしれません。その時には、また報告をしたいと思います。

 では次回は、過払いではなく、債務が残った場合の最近の状況について話をしたいと思います。

過払金請求|2010年4月 2日

臨時ニュース 信用情報「契約見直し」の廃止

 この度、株式会社日本信用情報機構から以下のような発表がありましたので、お知らせします。過払金返還請求を考えていたけれど、信用情報が気になって踏み切れなかった人にとっては朗報となるでしょう。

 株式会社日本信用情報機構(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:嶋田一弘、略称:JICC)は、このたび、サービス情報71「契約見直し」※の収集・提供を廃止することを決定いたしましたので、お知らせいたします。

※サービス情報71「契約見直し」
「消費者保護ならびに加盟会員の与信を補足するための情報(サービス情報)」の1つとして、加盟会員である貸金業者が債務者からの過払金返還請求に応じた場合に、その客観的事実を表す情報として当該債務者の信用情報に登録される情報。

1.廃止日
平成22年4月19日(月)

2.廃止の内容
・ 当該情報の報告基準を廃止します。
・ 平成22年4月19日より、加盟会員である貸金業者からの当該情報の報告受付および全加盟会員への回答を停止します。
・ 既に登録されている当該情報につきましては、信用情報データベースから全て削除します。

以上

 今までは、現在、債務が残っていて引き直し計算をした後で過払いが発生していた場合は、「契約見直し」という情報が信用情報として登録されていました。この「契約見直し」は、一体、借り入れの審査に、どのような影響があるのかが不明で、依頼人から「ブラックなんですか、ホワイトなんですか」と聞かれた場合に返答に困っていた訳です。

ところが今回の発表によって、完済取引であろうと、当初は債務が残っていた取引であろうと
、引き直し計算後に過払いになっていれば一律に信用情報には登録されないことが発表された訳です。また、現在、既に登録されている「契約見直し」の情報に関しても全て削除されると発表されています。

この改正により、信用情報が気になって過払請求をためらっていた人は、障害が取り除かれたことになりますから考え直す、きっかけになるかもしれません。

 

過払金請求|2010年2月19日

シリーズ 過払金⑪ 最近の過払事情(2)

 さて今回は依頼する側が注意すべきポイントについて、私の意見を述べたいと思います。

 まずは古い情報に惑わされないということが重要です。前回も説明したように過払を取り巻く環境は急激に変化しています。1年前の常識が今年は通用しません。従って、過去に知り合いが行った過払請求の経験を聞いても参考にならない可能性があるということです。

特に1~3年前は過払請求が最も楽に回収できた時期なので、この時期に体験した人の話を聞くと錯覚を起こしやすいので注意が必要です。現在は、急激に支払いが悪くなっていますから。

では正しい選択をする為には何が必要かと言えば、それは最新の情報です。特に最近の過払請求では刻一刻と状況が変化していきますので、常に新しい情報に接していることが重要になってきます。

例えば、主要業者に関しては訴訟をすれば、まだ元金満額を支払う余裕は残っているようです。(もちろん、この状態が、いつまで続くかは分かりませんが)

以下、全て訴訟をした場合の対応になりますが、いくつか例を挙げて説明しましょう。

まずは、今、最も支払いが良いのが新生フィナンシャル(レイク)になります。ここは利息も含めた回収が可能であり、支払いも割と早めです。現時点では最も回収が見込める業者になります。

次に来るのが、プロミスでしょうか。ここも訴訟をすれば、元金プラス利息の半分くらいなら割と早い和解が可能です。ただし、新生に比べると支払いが遅いのが難点です。今なら3~5ヶ月後くらいの支払いになることが多いです。これより早い支払いを望むと減額になるケースが増えると思われます。

アコムは以前はプロミスと同じ状況でしたが、つい最近、会社の方針が変更になって(こういうことが普通に起こるのが最近の過払事情なんです)、急に支払いを渋るようになりました。訴訟をした後でも最初は元金の7割と言ってきます。しかし、この提案にびびらずに、根気よく訴訟を続けていくとアコムの方が折れてきて元金満額くらいでは和解できるようです(実際に和解できました)。支払いは現時点では3~4ヶ月後くらいのようです。

 さて、ちょっと長くなりましたので、残りの武富士・アイフル・CFJの最近の状況に関しては次回に話したいと思います。 

 

過払金請求|2010年2月 6日

シリーズ 過払金⑩ 最近の過払事情(1)

 今回は司法書士事務所の面談について話をする予定でしたが、予定を変更して最近の過払事情について話をします。

 何故、予定を変更したかと言うと最近の過払金請求をめぐる情勢が以前と比べて大幅に変わってきたからです。このブログで過去に書かれた説明の中で実態と合わなくなっている部分が出てきているので、ここで最近の変化について説明しておく必要があると考えました。

まず最大の変化は各業者の支払状況が急激に(本当に急激に)悪化してきているということです。

この傾向は昨年の秋以降から顕著になってきました。まず、引き直し計算をした後の任意の和解が、ほとんど出来なくなりました。

以前は任意請求(訴訟をしないで請求すること)をしても、元金ならば満額で支払ってくる業者が、ほとんどでした。ところが、今では任意請求の段階では、元金の5割くらいしか提示されません。それでもマシな方で、ひどい場合は1割や2割と言ってくる業者も現れています。

それでも大手は大丈夫だろうと思われている方もいるかもしれませんが、今回の変化は大手も含めて起こっている現象なので事態が深刻なのです。武富士・アコム・アイフル・プロミスと軒並み任意請求の段階では以前には考えられなかった大幅な減額を主張してきます。

こうなると当然の結果として、まともな事務所ならば、過払請求のほとんどが訴訟になってしまいます。今や訴訟にならない事務所は、かなり低い金額で和解している可能性がありますので注意が必要です。

つい最近ニュースで昨年1年間の裁判所に持ち込まれた過払金請求事件が過去最高の件数になったと報道されていました。どうもマスコミ関係者は過払金の件数自体が昨年に急激に増加したと考えているようですが、これは間違いだと思います。

実は過払請求の件数は頭打ちになっています。むしろ業者の支払が悪くなっていますので、1件あたりの支払額は低下しています。要するにマスコミで騒がれているような過払金バブルは、もう峠を越しているのです。では、何故、裁判所の過払事件の件数が過去最高になったのでしょうか。

ここまで読んできた皆さんには、もうお分かりでしょう。そうです。今まで任意請求で終わっていた過払事件が、ほとんどすべて裁判所に持ち込まれるようになってしまったからです。訴えないと払わない訳ですから、まともな事務所ならば訴訟にせざるを得ません。こうして全国の司法書士・弁護士事務所から膨大な数の過払訴訟事件が裁判所に提起されました。今や、裁判所は大混雑で、口頭弁論期日が2ヵ月後、3ヵ月後になってしまうケースも出てきています(通常は1ヵ月後)。

裁判所だけ見ていると、「ああ、相変わらず過払事件は多いんだな」と思ってしまうかもしれませんが、現実はそうではありません。先ほども述べたように件数は頭打ちで、1件あたりの金額は減っているというのが真実なのです。

 では、このような状況の中で依頼する側が注意すべき点を次回は説明したいと思います。

 

過払金請求|2010年1月30日

シリーズ 過払金⑨ 悪意受益者の利息(2)

 今回は「みなし弁済」が、どのような時に認められるのか、という話です。(みなし弁済が何かについては、前回のブログを参照して下さい)

 法律で定められている条件は3つです。

一つは、貸金業者に対する利息の支払いであること。この場合に問題になるのは、きちんと登録された貸金業者でなければ認められないということです。例え登録していても定期的な更新をしていなければ、登録していないものとみなされます。

二つ目は、任意に支払った利息であることです。この任意の部分が否定されたのが、過払バブルを引き起こした有名な平成18年1月13日最高裁判決になります。それまでは任意かどうかには争いがあったのですが、この判決以降、期限の利益喪失特約がある契約(ほとんど全ての契約が当てはまる)については任意ではないとみなされるようになりました。逆に言うと、この判決以前の契約については任意の可能性を残していることになり、そこを貸金業者が反論してくる場合があるわけです。

三つ目は、正式な書面の交付があることです。この書面の内容は完璧を求められます。法定事項を一つでも書き漏らしていたら書面は正式なものではないとされ、みなし弁済は否定されます。

以上3つの条件が全て満たされていて初めて、みなし弁済が認められます。要するに「みなし弁済」が認められるケースとは極めて少数に限られることになります。(9割以上の取引は「みなし弁済」の条件を満たしていません)

従って業者が、平成18年以前は「みなし弁済」が成立する可能性があったのだから、過払金の利息は支払わないという主張は、まともに争ったら業者の勝ち目は薄いということになります。

 ただし、過払利息は時と場合によっては、削った方が得策の場合があります。例えば、過払金を使って他の債務を支払う場合に、債務が残っている債権者から「これ以上、待たせると訴訟を起こす」と言われた場合、過払金の利息を削っても和解して、早めに支払ってもらう方が、債務者の給料差し押さえなどの危険を回避する為には良い場合があります。他には、過払請求をしている相手の業者が近いうちに倒産の噂が流れていて、たとえ利息分を減額しても破綻する前に回収した方が得策である場合もあります。

最近は、過払金の利息について業者が争ってくる場合が多いので、利息まで取るには交渉が長期化する恐れがあります。従って、上記のように早く支払ってもらう必要がある場合には利息の減額も視野に入れておくべきでしょう。

 さて、過払金のシリーズも一旦、これで終了します。ただ、過払金はホットなテーマですから、今後も何か新しい情報があったら逐一、紹介していく予定です。では、次回からは新テーマで「司法書士事務所の見分け方」です。

過払金請求|2009年11月12日

シリーズ 過払金⑧ 悪意受益者の利息(1)

 さて本日からテーマを変えて、「悪意受益者の利息」について説明しましょう。

 悪意受益者の利息とは、過払金の発生時から付加される年率5%の利息のことです。たかが5%などと思ってはいけません。取引が長い時には利息だけで何十万円というケースもあるのです。以前は利率が5%か6%かで争いがありましたが、現在は5%で決着がついています。むしろ今、問題になっているのは利息の発生時期に関してです。

悪意受益者の「悪意」とは一般的な意味での悪意とは違います。悪い意思という意味ではありません。法律用語で「悪意」と言った場合、それは「知っていた」という意味になります。要するに「知っていて承知の上で行った」という場合に悪意という表現を使います。

とすると悪意受益者の利息の発生時期は、貸金業者が過払いであることを知っていたのは、いつかということになる訳です。ここで読者の皆さんは、「そんなの過払いになった時点で業者は知ってたに決まってる」と考えるでしょう。当然、法律家も同じように考えて今まで業務を行ってきました。ところが、最近、業者は「請求されるまでは知らなかった」という主張をしてきているのです。

 比較検討する為に業者の主張を紹介しましょう。彼らの言い分は以下のとおりです。

貸金業法が改正されるまでは、43条によって「みなし弁済」が認められていた。従って、利息制限法を超える利率であっても適法だと認識していたのであって悪意ではない。

さて、ここで「みなし弁済」という言葉が出てきましたが、これについて説明しましょう。「みなし弁済」とは、旧貸金業規制法43条で特別に認められたもので、ある条件を満たした場合は利息制限法を超えても、その弁済を有効と認めるという規定のことです。

古くから債務整理に関わる法律家は長年この「みなし弁済」規定と戦ってきました。そして平成18年1月13日に画期的な最高裁判決が出て「基本的に、みなし弁済は認められない」ということが、ほぼ確定したのです。(この判決が出て以降、過払いバブルと呼ばれる状況が出現しました) しかし貸金業者は、これを逆手にとって、上記の判決が出る前には「みなし弁済」が認められる可能性があったのだから、判決以前から取引がある場合は悪意とは言えない、という主張をしている訳です。

 最近は貸金業者も経営状態が悪化していて、過払金を減らせるならば、どんな主張もするという態度に出ています。では、次回は、この業者の主張に反論する為に、「みなし弁済」が認められる時の条件について取り上げます。

過払金請求|2009年10月26日

シリーズ 過払金➆ 取引の分断(5)

 さて、本日はクレジットカードの場合の取引の分断についてです。

 今まで取引の分断は業者が非常に争ってくる部分であり、「分断している」と判断された場合は債務者に不利になるという話をしてきました。しかしながら、クレジットカードの場合は上記のような心配をする必要が、ほとんどありません。要するに取引の分断に関しては、クレジットカードの方が対処しやすいということになります。以下、理由を説明しましょう。

 取引の分断で争いになるポイントは、空白期間の前の契約(第1契約)と、後の契約(第2契約)が共通の1本の契約であるかどうかという点にあります(詳しくは過去のブログをご覧下さい)。消費者金融の場合は、この点を証明するのに苦労する訳ですが、クレジットカードの場合は証明が非常に容易なのです。むしろ、クレジット会社の方が、「1本の契約ではない」と主張するのが難しいのです。

具体的に説明しましょう。クレジットカードは消費者金融のカードとは違って、更新することはあっても再発行することは、まずありません(失くした場合は別です)。これが非常に重要なのです。例えば、クレジットのキャッシングで完済して空白期間があったからと言って、次に借りる時には前と全く同じカードを使用しています。もちろん有効期限が切れてカードが更新されている場合はありますが、更新されて送られてくるカードは有効期限が延長されているだけで以前のカードと同じものです。更新の時点で窓口に訪れて新たに審査をしたり、免許証で本人確認をしたり、申込書や契約書を新たに書いたりすることは、まずありません。従って、例え空白期間があっても、1本の契約が続いていると主張しやすくなる訳です。裁判所もクレジットカードの場合は、基本的に1本の連続した契約であると判断する場合が、ほとんどです。クレジット側が、この判断を覆すことは非常に困難でしょう。

 しかし、だからと言ってクレジット会社が黙って1本の契約を認めてくるとは限りません。相手が素人だったり、経験の浅い司法書士や弁護士だったりしたら、分断を強硬に主張してくる可能性は充分にあります。この辺りは専門家の経験のレベルを計るのには良い材料かもしれません。

いずれにしてもクレジットカードの取引に関しては空白期間があっても過払いが認められやすくなっている訳ですから、キャッシングの取引が長い方は過払いの可能性を探ってみた方が良いでしょう。消費者金融の影に隠れてクレジットの過払いを見逃している方は結構います。一度、確かめてみて下さい。

 では次回は、「悪意受益者の利息」について説明します。

 

過払金請求|2009年10月15日

臨時ニュース アイフル私的整理

 さて、世の中がシルバーウイークで浮かれている真っ最中に、何とアイフルが事業再生ADRを実施すると発表しました。今日は、この話題を取り上げます。

 そもそも事業再生ADRとは何でしょうか。聞きなれない言葉です。ADR自体が比較的新しい言葉ですから無理もありません。まあ、強いて分かりやすい言葉に当てはめると調停が最も近いでしょうか。要するに話し合いで事業再生を進めていきましょうということです。私的な会社の債務整理ということになります。(正直なところ、私も完全に分かっている訳ではありません。恐らく完全に理解している人は法律家の中でも、ごく一部だと思われます。その位、珍しい手続です)

私的な整理と言うと、個人では任意整理が挙げられますが、同じように会社の借金を債権者に頼み込んで、カットしてもらったり、繰り延べしてもらったりすることになるのでしょう。問題は、この会社の借金の中に恐らく過払金が含まれるであろうということです。

私的整理ですから、法的な拘束力はありません。過払訴訟で判決を取れば、法的にはアイフルは支払う他はないはずです。しかしながら、私的整理を行なうと宣言している以上、「今、会社には金が無いから支払えない」と開き直られた時に説得力が出てきます。通常の営業をしている場合は、「金が無いなんてウソだろう」と言い返すことも出来ますが、これからはウソだとは言いにくくなる訳です。当然、アイフルの過払金の支払いは相当に悪くなる可能性が高いと考えておかなければなりません。

 それにしても、今まで中堅または小規模の貸金業者の破綻はありましたが、全国展開している主要業者の破綻は今回のアイフルが初のケースとなりました。いよいよ貸金業界の景気悪化も最終段階に入ったと言って良いでしょう。アイフルは顧客数も貸付残高も営業地域の広さも、今まで破綻した業者とは桁違いです。その影響力の大きさは、相当なものになると思われます。

 今回のアイフルの破綻から、主要業者の中でも独立系の業者が苦しいということが、はっきりしました。例えば、アコムやプロミスやレイク(新生フィナンシャル)などはバックに銀行がついていますから、破綻しにくいと言われていました。それに対して武富士とアイフルのような銀行の系列に入っていない独立系が危ないと言われていたのですが、今回は、この意見が正しいことが証明された形になりました。ということは、主要業者で次に危ないのは武富士ということになります。

 武富士と長く取引をしていて、過払いの可能性が高い人は、出来るだけ早く過払請求をしておかないとアイフルの二の舞になるかもしれません。決断の時期かもしれません。

 

 

過払金請求|2009年9月24日

シリーズ 過払金⑥ 取引の分断(4)

 今回は、最高裁の取り上げた、分断を判断する上での7つのポイントについて、どういう場合に債務者側に有利に働くかを説明します。

1 「第一取引の期間の長さ」に関しては、これは長い方が有利です。長く取引していれば、例え完済したとしても、そう簡単に取引を止めるはずがない、次にまた借りる可能性は高いと考えられるからです。しかし具体的に、どの程度なら長いと言えるのかについては個々の裁判官に任されているのが現状です。(要は、はっきりしていないということになります)

2 「第一取引の完済から第二取引開始までの期間の長さ」に関しては、短ければ短いほど有利と言えます。期間が短ければ、完済した時に、次の借り入れを考えていたと判断されやすい訳です。これも具体的な期間について、よく問題になりますが、はっきりとは決まっていません。まあ私の経験では1年以内なら短いと言って良いように思います。ただ、1年を超えていても裁判所が一連計算を認めてくれることもありますので、諦める必要はありません。もちろん長くなるほど認められる確率は低くなっていきます。

3 「第一取引の契約書の返還はあったか」に関しては、返還を受けていない方が有利です。返還を受けたということは、その時点で契約を終わらせるつもりだったと判断されやすいのです。これは期間の長さと違って判断しやすいポイントですね。

4 「第一取引のカードの失効手続はあったか」に関しては、失効手続が無い方が有利です。同じカードを第二取引でも使用していたら、連続した取引だと主張する為の有力な証拠になります。このことからクレジットカードのキャッシングについては、ほとんど債務者有利の一連計算が認められています。(ちなみにカードの更新は失効とは違います。クレジットカードが定期的に新しいカードが送られてくるのは更新です。これは有効期限が延長しただけの前と同じカードですから、同一カードとみなされます)

5 「空白期間の貸主と借主の接触状況」に関しては、接触が頻繁にあった方が有利になります。よく主張するのが、業者が完済した後の空白期間に債務者に対して再借り入れの為の勧誘を行っていた場合です。この勧誘が多ければ多いほど、業者自身が取引を終わらせるつもりが無かったということになり、一連計算が認められやすくなります。

6 「第二取引が契約された時の事情」に関しては、例えば審査がほとんど無かったとか、最初から借り入れ枠が高額だったとか、本人確認が甘かったとか、いうことがあれば有利になります。これは、業者が前の取引の情報を引き続き利用していて、取引を終わらせるつもりが無かったという判断になりやすいからです。

7 「第一取引と第二取引で契約内容に違いがあるか」に関しては、違いが無い方が有利です。ただ、私の経験では、このポイントは前の6つのポイントに比べると裁判所は重視していないように感じています。

 さて、ざっと説明しましたが、難しいのは、この中のいくつが有利だったら裁判所は一連計算を認めてくれるのか、ということに関しては、「裁判官によって違う」という回答になってしまうことです。裁判では、判断が分かれている事件に関しては絶対はありません。一生懸命に主張しても負けることもあるということを、常に頭に置いて下さい。

もちろん、戦わずして負けるのは良くありません。判断が難しいというのは裏を返せば、「勝つこともある」わけですから、とりあえずは主張してみましょう。その際に今日のブログを参考にして頂ければ良いでしょう。

 では、次回はクレジットカードの取引の分断について取り上げます。

 

 

過払金請求|2009年9月15日

シリーズ 過払金⑤ 取引の分断(3)

 今回は、取引の分断について判断するポイントは何かを説明します。

 この問題について考える時に最も影響を与えている判決があります。それは最高裁平成20年1月18日判決です。現状では、全国の裁判所が「分断か、連続した取引か」を判断する際に、この最高裁判決を参考にしていると思われます。

では、この最高裁判決は何と言っているかというと、取引の連続性を判断する際に7つのポイントをあげています。このポイントについて検証してみましょう。話を分かりやすくする為に、途中の空白は1回のみで、前半の取引を第一取引、後半の取引を第二取引として、次からの説明を読んで下さい。

1 第一取引の期間の長さ

2 第一取引を完済してから、第二取引を再び始めるまでの期間の長さ

3 第一取引の契約書を返還されたかどうか

4 第一取引がカードを使用した取引だった場合、第二取引が始まる前にカードの失効手続があったかどうか(失効とはカードを使えない状態にすることです)

5 第一取引を完済してから第二取引が始まるまでの間の、貸主と借主の接触状況(例えば、業者が再び借りるように何度も勧誘したかどうかです)

6 第二取引が契約された時の事情(例えば、勧誘されて契約したのか、あるいは、もう借りるつもりが無かった借主が急に、お金に困って借りに来たのかなどです)

7 第一取引と第二取引を比較して契約内容に違いがあるか(最高裁は特に利率をポイントにあげています)

以上が最高裁の取り上げた7つのポイントです。もちろん、これ以外にも判断材料はあると思いますが、何しろ最高裁が判決で書いているものなので、他の材料よりも裁判官が重くみる傾向があるのは間違いありません。従って、過払金を請求する側としては、いかに、このポイントを有利に主張していくかを検討することになります。

 では次回は、ポイントごとに、どういう場合に有利になるかを説明します。

 

 

 

過払金請求|2009年9月 2日

シリーズ 過払金④ 取引の分断(2)

 ご無沙汰しておりました。今回は「取引の分断」の2回目です。過払請求の時に最も問題になる「分断と時効」について説明しましょう。

 さて、取引の分断が認められると、債務者側にとって、計算上、非常に不利になるという話を前回にしました。(忘れた方は前回のブログを読み直して下さい) ところが、前回に説明したよりも、もっと悪いケースがあるのです。それが、分断されて当初の取引が時効消滅してしまう場合です。

具体的に例をあげて説明してみましょう。例えば、平成3年から取引を始めて平成10年に完済したとします。3年間の空白期間があり、平成13年から現在まで取引を続けていたとしましょう。

この場合、取引が続いていたと判断された場合(分断していなかったと判断された場合)、合わせて15年間の取引があったことになり、ほぼ過払いは間違いないでしょう。過払いの金額も相当な高額になるものと思われます。

しかし、分断された取引だと判断された場合、結果は全く違ったものになります。まず最初の平成3年から10年までの取引は、完済した年が平成10年になりますので、完済してから現在まで11年たっています(今は平成21年です)。ということは、完済して10年で過払金請求権は時効消滅しますので、当初の7年間の取引は無かったことにされてしまうのです。そうすると、15年もあった取引期間は一挙に8年に短縮します。いかに影響が大きいか、お分かりになったでしょう。

15年が8年になったら、過払金の金額は激減します。それでも、まだ過払いになればマシな方です。「シリーズ 過払金①」でも書きましたが、8年だと過払いになっていない人も中にはいるのです。こんな場合、「過払いを返せ」と訴訟を起こしたら、逆に支払うハメになった、なんてことが起こりうる訳です。(実際に、こういう目にあって困っている人が全国レベルでは結構いると思います)

 要するに、取引の分断がある場合は、最初の完済は、いつだったのかは常に押さえておかなければならないポイントです。最初の完済が10年以上前の場合は、過払金の額が大幅に減るか、場合によっては過払いでなくなる時もあると覚えておきましょう。

ただ勘違いしないで下さい。完済して現在は取引をしていない場合は、金額は減っても必ず過払いにはなります。

 取引の分断について、だいぶ分かってきたんじゃないでしょうか。では次回は、どういう場合に分断と判断されてしまうのか、を説明したいと思います。

過払金請求|2009年8月19日

シリーズ 過払金③ 取引の分断(1)

 今回は過払金を請求する時に、今、一番の問題になっている取引の分断についてです。これは非常に大きなテーマなので、何回かに分けて説明したいと思います。

 さて、まずは「取引の分断」とは何でしょうか。これは、比較的長い取引の途中で完済したことがあって、しばらく取引の無い空白期間があり、その後、再び取引が始まった場合のことを言います。

途中の空白期間は1回だけの場合もあれば、複数回ある場合もあります。いずれの場合も取引の分断が問題となります。

 では次に、「取引の分断」は何が問題なのでしょうか。これは、もし分断した取引だと判断された場合は、過払金の計算が債務者にとって非常に不利になってしまうからです。

どのように不利になるかを、具体的に説明しましょう。説明を分かりやすくする為に、途中の空白期間を1回と仮定します。例えば次のような事例で考えてみましょう。

10年前(平成11年)から取引が始まって5年間取引を続けた後で完済しました(平成16年に完済)。その後、1年間は全く取引をせず放置していましたが、平成18年に再び同じ業者から借り入れ取引が始まりました。そして現在(平成21年)も取引をしているところで支払いが苦しくなり司法書士に相談しました。

以上の事例の場合、取引を次のように3つに分類できます。まずは平成11年から16年までの5年間が第1取引です。次に、平成17年の1年間が空白期間になります。最後に平成18年から現在までの4年間が第2取引となります。

要するに第1取引と第2取引を合わせるとトータルで9年間の取引がある訳です。シリーズ過払金①でも説明したとおり、9年の取引期間は過払いの可能性が極めて大きくなります。今回の事例でも過払いだったと仮定します。過払いの金額は60万円としておきましょう。

ところが分断した取引だと判断された場合、第1取引と第2取引は、それぞれ別の独立した取引だとみなされます。具体的には次のような計算になってしまいます。

まず、第1取引は一旦完済してますから、第1取引だけで考えると必ず過払いになっています。しかし、期間は5年しかありませんから過払いの金額は40万円としておきましょう。

一方、第2取引だけを考えると、第2取引は司法書士に依頼する直前まで取引をしていた訳ですから、完済はしていません。更に期間は4年しかありません。期間が短く完済もしていない訳ですから、第2取引は債務が残ってしまう確率が極めて高いでしょう。要は過払いになっていない訳です。ここでは、30万円の債務が残ったことにします。

ここで先ほどの第1取引の過払金40万円と第2取引の残った債務30万円を相殺します(過払金と残った債務を差し引きます)。そうすると過払金10万円が残ります。

この結果を取引の分断をしなかった場合(9年間の取引と見た場合)と比べてみて下さい。60万円と10万円ですから、かなりの金額の差になりますね。

驚かれた人も多いと思いますが、実は、これはまだ良い方なのです。例えば、第2取引で残った債務が第1取引の過払金よりも多かったら、どうでしょうか。要するに過払金が30万円で、残った債務が40万円だったとしたら、何と過払いだと思っていたのが、10万円支払わなければならなくなるのです。

今回は仮定の金額なので実際には色々なパターンがありえます。しかし、どんなパターンでも変わらないことが一つだけあります。それは、「分断をした場合は、しなかった場合に比べて必ず債務者に不利になる」という事実です。

 最近ネットを検索していると過払金請求を自分でやろうというサイトが目に付きます。そういうサイトを見ていて思うのは、この取引の分断について、あまり説明されていないということです(全く説明されていないものもあります)。このテーマは実際に請求をする時に業者が最も強く主張してくる部分です。当然、業者は自分たちに有利なように分断した計算を主張してきます。自分で請求しようと思ったら、このテーマは避けて通れないと思います。サイトを見て自分で請求しようしている人は、このことは覚えておいた方が良いでしょう。

 では業者と戦うには、どうすれば良いかは後ほど説明することにして、次回は、分断を主張された場合の最悪のケースである「時効と分断」について取り上げます。

過払金請求|2009年8月 6日

シリーズ 過払金② 完済した後の過払いとは

 今回は、質問の多い「完済した取引の過払い」について、説明します。

 今回、取り上げるのは完済した後、もう取引をしていない状態です。昔、完済したけど、その後、再び借り入れて、現在も取引中という場合は省きます。

実は結構、これも勘違いされている方が多く、完済後に再び取引しているケースも「完済した取引」だと思って相談に来る人もいるのです。今まで間違った情報を信じていた方は、是非、このブログで正しい情報を仕入れて下さい。

 さて、「完済した取引」の最大の特徴は、ほぼ100%過払いになっているということです。

「ほぼ」という言葉を使ったのは、利率が最初から利息制限法以内の場合(10万円以上100万円未満の場合は18%以内)は過払いにはならないからです。この場合、最初からというのが肝心です。途中で18%に下がった場合は、やはり過払いになっていますから。(一部のクレジットカードに最初から利率の低いものがあります。数は少ないです)

 前回の説明で、過払いになるかどうかは取引によって違うと言いました。ところが、完済している場合は、そのように悩む必要はありません。ほぼ過払いであることは間違いないからです。従って、依頼者の立場からすlれば、通常の取引よりも決断がしやすいというメリットがあります。

また、完済した取引の場合は、費用も安く設定している事務所が多いのも、決断しやすい理由の一つでしょう。例えば、私の事務所の場合は、完済した取引の場合は着手金を無料にしています。成功報酬だけなので、依頼人が直接支払う分はありませんから、依頼がしやすくなっています。

 このように完済した取引はメリットが多いのですが、請求をせずに放っておくと、取り戻せなくなる場合がありますので注意が必要です。

それは時効による消滅と言う規定があるからです。過払請求権は10年で時効により消滅します。要するに10年たつと請求できなくなってしまうのです。

では、10年とは、いつから数えるのでしょうか。これが時効の起算点と呼ばれる問題です。具体的には完済した取引の場合は、「完済した時から」と考えるのが一般的です。従って、完済した取引がある人は、10年以内に請求することを忘れないで下さい。

 あと、以外に忘れがちなのが、クレジットのキャッシングの完済です。クレジットカードは、そのまま持っているので取引が終わったという実感はありません。(中にはカード自体を解約している場合もあります。この場合は完済の実感が起こりやすいですね。) 

例えば、昔、クレジットのキャッシングをしていたけど、今はしていない。しかし、カードは持っているというケースです。結構、いるんじゃないでしょうか。

この場合もキャッシングに関しては完済した取引と同じなので、過払金が発生しています。しかし、ショッピングをしていた場合は、ショッピングの残高よりもキャッシングの過払金の方が額が大きいことが前提になります。

もちろん、ショッピングをしていない場合は、ほぼ間違いなく過払金が発生しています。(冒頭で説明したように、クレジットの場合は最初から利率が低いカードが一部ありますので、それは除外して下さい。)

ただ、この場合の問題点は、過払いを請求した時点でクレジットカードは使えなくなるということです。この先使う予定の無いカードならば、請求した方が良いでしょう。

ただし、使う予定があっても、過払金の金額によっては、請求した方が良い場合もあります。こういう時は、自分でクレジット会社に取引履歴を請求して、利息の計算を事務所に頼むと良いでしょう。そうすればカードを取り上げられることなく、自分の過払金の額を知ることが出来ます。請求するかどうかは金額を知ってからの方が後で後悔せずに済むと思います。(実際に金額を確かめた後で心変わりして請求した方もいます)

私の事務所では、このような利息計算サービスもやっていますが、全ての事務所がやっているとは限りません。事前に確認してみて下さい。

 もう一つ注意して欲しいことがあります。それは最近の貸金業者の経営状況です。倒産する業者も増えていますし、倒産しないまでも過払金が全く支払えない業者や、一部しか支払えない業者が次々と出てきています。ということは、完済したまま放っておくと、例え10年以内であっても、業者の経営状況によって取り戻せなくなる可能性が高くなってきているのです。これは知っておいて欲しい重要な情報です。

 ここまで読んでこられた方は納得されたと思いますが、完済した取引というのは、ある意味、預金と同じです。しかし、時効になったり、業者が経営破綻したりすると、その預金が引き出せなくなってしまうのです。銀行の預金が引き出せなくなると聞いたら大抵の人はあわてて銀行に走るでしょう。ところが同じようなことが起こっているのに、過払金の場合は実感が伴わないせいか、放置している人がまだ大勢いると思われます。引き出せなくなる前に専門家の扉をたたくことを、おすすめします。

過払金請求|2009年7月30日

シリーズ 過払金① 過払いになる取引とは

 さて、今回からは過払金について説明していきましょう。

過払金は今、一番ホットな話題と言ってもよいでしょう。債務者に有利な最高裁判決が立て続けに出た結果、3年ほど前から空前の過払金ブームと呼ばれる現象が起きました。相談で最も件数の多いのも過払金に関することです。

しかし、あまりにも加熱したブームになった結果、ちまたでは怪しい情報も同時に増えてしまったのも事実です。素人の方には怪しい情報かどうかの区別がつかない場合も多いので、相談を受けていると、全く間違ったことを信じている人も大勢いるという状態になっています。

そこで、まずは過払金に対する正しい情報を、このブログで知ってもらおうと思います。これを読んだ皆さんは、今後は怪しい情報に惑わされないで下さい。また、怪しい情報に惑わされている知り合いがいたら、是非、教えてあげて下さい。

 それでは、まず過払いとは、どんな場合に発生するのか、ということです。

かなり有名になって、今では知っている人も増えてきましたが、過払いとは「出資法」と「利息制限法」という二つの法律の制限利率が異なっていることから発生します。

具体的には現状の出資法の制限利率は29.2%ですが、一般的な貸付金額である10万円以上100万円未満の取引の場合の利息制限法の制限利率は18%です。(利率は全て年利です)

この二つは一体、何が違うのかと言うと、出資法に違反すると刑事罰になりますが、利息制限法に違反しただけでは民事上無効になるだけだということです。

もう少し分かりやすく言うと、出資法に違反した業者は警察の捜査の対象になります。そもそも存在自体が違法な業者であって、正規の貸金業者とは呼べません。故に、出資法違反の業者のことを「ヤミ金」と呼びます。(ちなみに広告では出資法以内の利率をうたっておきながら、実際に借りてみると出資法をオーバーしていたという業者もいます。もちろん、これも「ヤミ金」です。)

では、利息制限法の利率をオーバーしているけど、出資法の利率は越えていない業者(消費者金融とクレジットは、ほとんどがこのパターンです)は、どうなるのでしょうか。

これが、いわゆるグレーゾーン金利と呼ばれているものです。消費者金融やクレジットは、このグレーゾーン金利で今まで稼いできた訳です。

先ほど利息制限法の利率を超えると民事上無効になると言いましたが、この意味を分かりやすく説明しましょう。

これは、裁判で争った場合、あるいは法律家が介入した場合は、超えた部分の利息は認められませんよ、ということです。

 では、超えた利息(以下、超過利息と呼びます)は実際に支払われている訳ですが、無効になったら既に支払った超過利息は、どうなるのでしょうか。この答えは、超過利息は利息ではなく元本を支払ったものとみなすのです。

するとどうなるか。超過利息を1回払えば、その時の元本がその分減ります。次の利息は減った元本に対してかかりますから、利率の超過分と減った元本分の両方の効果で2回目の超過利息は相乗効果で更に大きくなります。

2回目の超過利息も元本を支払ったことになりますから、更に元本が減ります。そして、3回目の支払いでは2回目で減った元本に対して利息がかかるので更に、、、、、という具合に相乗効果で元本が減っていく訳です。

 従って、上記のような計算をしていくと、支払い年数が長ければ長いほど元本は急カーブを描いて減っていきます。そこで長い取引の場合、ある時、元本が0円になる時が訪れます。この時が過払いなるかどうかの分岐点です。

元本が0円になっても、まだ取引が続いていた場合、その後の支払いは過払いとなります。要するに支払い超過となっている訳で、その分を取り戻せますよ、というのが過払金の根拠なのです。

元本0円になってからの支払いが長ければ長いほど、過払金の額も大きくなります。だから、過払いの相談を受けると法律家が、「取引年数は何年くらいですか」と真っ先に尋ねるのは、そういう理由があるからです。

ただし、過払いが発生した後も、過払金を打ち消すくらいの大きな額の借入をした場合は、過払いは消滅して、また元本が残ってしまいます。

例えば、10万円の過払いが発生している時に、30万円の借入をしてしまった場合は、差し引き20万円の元本が残ってしまいます。こうなると、また同じように、次の支払いの超過利息で元本を減らしていくことになります。元本が0円になるまでは、しばらく過払いは発生しません。

このように過払金の発生には、各人の取引傾向が強く影響を与えますので、一口に、「何年以上は過払いだ」とは言えないのです。まさに、5年で過払いになる人もいれば、10年でも過払いになっていない人もいます。

従って、あまり断定的に、「〇年以上は必ず過払いだ」などという広告を見つけたら、その事務所は信用しない方が良いでしょう。

 もちろん、断定的でなく、大体の傾向として取引が長い方が過払いになりやすいというのは、あるでしょう。

以下、私の経験で大体の傾向を述べると、5年未満で過払いになっている人は、ほとんどいません。非常に少ないと思います。

5年~7年で、たまに過払いの人が出てきます。でも、この取引年数だと割合としては半分以下です。

7年を超えてくると、一転して過払いの人の割合の方が多くなります。半分以上が過払いだと思います。

10年以上になると、今度は、ほとんどの人が過払いです。過払いにならない人は非常に少数になります。でも、少数でも一応、いるということは覚えておいて下さい。決して100%ではないのです。

 相談をしていると、2年か3年くらいの取引で、「過払いを取り戻して欲しい」と言ってくる人がいます。決して珍しくありません。こういう相談を受けていると、「ああ、間違った情報が氾濫しているんだなあ」と痛感します。その為にも、このブログで正しい情報を獲得して下さい。

 では次回は、「完済している取引について」です。

 

過払金請求|2009年7月23日

クレディア再生計画案

 本日は臨時ニュースが入りましたので、シリーズに割り込んで、お伝えします。

 昨年9月に民事再生を申し立てていた、お騒がせ消費者金融クレディアが本年5月21日に東京地裁に対して再生計画案を提出しました。その計画案によると、私が思っていたよりも、過払請求債権者に対して配慮した内容になっています。(クレディアの民事再生に引っかかって、あきらめかけていた過払債権者には朗報です)

 提出された計画案では、「一律40%の弁済率で一括返済。ただし、30万円までの少額債権については全額弁済する」とのことです。この計画案が通れば、民事再生としては、かなり割の良い弁済率で返還が受けられることになるでしょう。

 民事再生には債権者の頭数の半数以上が反対すると不認可になるという決議要件があります。(通常の民事再生の場合は個人再生と違って、積極的同意が必要。つまり、何も言わない無言の債権者は反対したとみなされる)

 過払債権者は全国に多数いますので、この集団に賛成してもらえない計画案では認可されないとクレディアは考えたのでしょう。

 なかなか良い計画案ですが問題は銀行などの債権者が納得するかどうかです。銀行などは高額債権者になりますので、ここから強い反対が出ると計画案が通らない可能性もあります。悩ましいところです。

 何故かと言うと、たとえカット率が同じでも、高額債権者ほどカットされる金額は多くなりますから、面白く無い訳です。他にも、30万円以下の全額返済の規定などは、過払債権者にとっては非常に大きいですが、何千万・何億と貸している金融機関から見たら、ほとんど意味の無い金額になります。しかし、30万円でも何万人という債権者に返したら結構な金額になってしまいます。明らかに、この規定は過払債権者を意識したものだということが分るでしょう。金融機関にとっては、こんな金があるなら弁済率を少しでも上げろと言いたくなるでしょう。

 この計画案は過払債権者にとっては、なかなか良いものです。クレディアに債権届をしている過払債権者は積極的に賛成して、この計画案を通す方向で協力するべきだと思います。

過払金請求|2008年5月27日

ゲートキーパー法

 ゲートキーパー法って聞いたことありますか。正確には犯罪収益移転防止法と言い、略して犯収法と言ってる人もいるようです。正式名称は長ったらしいので、ここでは犯収法と呼ぶことにします。

この法律は3月1日から施行された新しい法律で、要はお金にからむ取引をする時は厳重に本人確認をするようにと、特定の事業者に義務を負わせるものです。

その特定事業者には金融機関、宅建業者(不動産屋のこと)などがあり、専門職として司法書士も含まれています。(弁護士は日弁連の決める内部規定で同様の義務を負わせるようです)

債務整理業務の中では当面は過払金返還請求が、この法律の対象になります。すなわち、過払金返還請求を引き受けて本人確認を、きちんとしていなかった場合は法律違反になるということです。依頼をする債務者の側でも、ちゃんとした事務所か判断する材料になりますから、良く覚えておきましょう。

しばらく後には、司法書士会の会則で、より厳しい本人確認が義務付けられることになっています。その時は過払請求だけでなく、破産や再生についても本人確認の徹底が必要になると考えられます。

全国から大量に依頼を受けるというスタイルの事務所もありますが、このような事務所では本人確認の徹底を今後どのように行っていくかが問題になってくるでしょう。

少なくとも北海道や九州からの依頼で、免許証のコピーを送ってもらっておしまいにしているような事務所は、明らかに犯収法違反になってしまいますから注意が必要です。

 

 

 

過払金請求|2008年3月 6日

最新最高裁判決

 1月18日に最新の過払金返還請求に関する最高裁判決が出ました。結果から先に言うと、債務者にとって非常に不利な内容となっています。

最近、争いになることの多い、取引の途中で空白がある場合の過払請求訴訟ですが、今回の最高裁判決により、空白を無視して一連計算することが、今後は厳しく判断される可能性が高いでしょう。

 判決では、一連計算する為には以下のようなことを、きちんと調べる必要があると言っています。

例えば、空白前の契約書の返還、カードの失効の有無、空白期間に業者と債務者が接触したかどうか、などが挙げられています。

最高裁判決は全国の下級裁判所に影響を与えますから、今後は一連計算で過払訴状を出すと、上記の事実の有無を、いちいち証明させられる可能性があります。証明できなければ、不利な分断計算になるかもしれません。

今後、途中に空白のある取引の場合は、分断計算になる可能性も視野に入れていく必要がありそうです。

過払金請求|2008年1月23日

完済した業者

 最近よくある質問に「完済した業者があるんですけど過払金は取り戻せますか」というものがあります。実際は、どうなのか、いくつかコメントしてみたいと思います。

まず完済した時期(払い終わった年月日)が今から10年以内ならば過払金を請求する権利があります。過払金請求権(法律用語では不当利得返還請求権と言います)は10年で時効により消滅するとされているからです。

ならば10年以内に完済した取引は全て過払請求できるのかと言えば必ずしも、そうとは言えません。何故なら、小さい業者だと倒産している場合もありますし、たとえ営業していたとしても取引履歴を全く保管していないケースもあるからです。

完済して取引の終わった業者の書類を債務者が大事に保管しているケースは少ないですから、業者が保管していないと、お手上げです。この点、小規模業者は、あまり期待できません。

しかし完済した相手が大手の業者の場合は、取引履歴が保管されている場合が多いので期待できます。大手業者で10年以内の完済があれば過払金の請求を考えた方が良いでしょう。

ただし最近はクレディアのように大手でも破綻するところが出てきましたので、大手であっても取りはぐれる可能性があります。「10年までには、かなり時間があるから大丈夫」という判断は注意した方が良いかもしれません。

過払金請求|2007年11月 5日

過払金の分割払い

 最近、過払金の請求をすると「分割払いでないと支払えない」という業者が増えてきました。一つ前のブログでも書きましたが、いつ破綻しても不思議ではない業者が増えつつあるように感じます。

私が今までに分割払いを要求されたのは、ネットカード(旧オリエント信販)、三和ファイナンス、アエル(旧日立信販)などですが、今後増えてくるかもしれません。分割でなければ過払金が支払えないということは相当、資金繰りが苦しくなっていると考えられます。

分割の場合、注意しなければならないのは分割を払いきるまで業者がもつのかどうかです。そもそも財務状況が苦しいから分割になる訳ですから支払いの途中で業者が破綻する恐れもでてきます。

今後は、業者によっては満額回収にこだわらないで減額してでも早期に回収することを考えた方が良い場合もでてきそうですね。

過払金請求|2007年10月29日

三和ファイナンス

 中堅消費者金融の三和ファイナンスが現在、貸し出しをストップしています。これは非常に危険な状況だと感じています。

振り返ると、クレディアが破綻する少し前も貸し出しがストップしていました。これは果たして偶然でしょうか。

三和ファイナンスはクレディアのような一部上場企業ではありませんから、もし破綻してもクレディアほどの影響は出ないかもしれません。しかし、実際に借りている人から見れば、破綻したら大変な問題でしょう。

特に三和との取引が5年以上あるような場合は過払いの可能性がありますので、破綻が現実のものとなれば、クレディアのように過払金の返還が受けられなくなる恐れもあります。

三和との取引が長い人は早めに専門家に相談した方が良いかもしれません。

 

過払金請求|2007年10月29日

クレディア2

クレディアの経営破綻で、かなりの人が被害を受けたようですね。2週間ほど経って分ってきたことがあります。

 

まず、早く和解して支払いの了解を取っていても取り扱いは同じだったようです。

例えば、訴訟をした結果、9月10日に和解で決着して「9月末日の支払い」と和解契約書に書かれていたとします。この場合、和解したのが民事再生の申立前だから払ってもらえるのか、と言うと、どうやら契約書を交わしていても9月13日以降は一律支払停止らしいです。

 上記のようなケースで支払停止になった人は、本当に気の毒ですね。支払日まで決まっていて後は振込を待つばかりだった訳ですから。

 

 聞くところによると、過払いをあてにして他の業者の支払契約を結んでしまっている専門家もいるらしいです。私は入金を確認するまでは絶対に支払契約は結ばない方針なので、幸いこのような目にはあっていませんが、実際こんな目にあった人はどうするんでしょうね。さすがに支払契約をむすんだ貸金業者は無かったことにはしてくれないでしょうから、自腹を切って支払うんでしょうか。

 

いずれにしても、債務整理業界全体がクレディア問題で揺れた2週間でした。

過払金請求|2007年9月27日

クレディア

「ついに来たか」、と思わず声を上げたくなる事態が先週に起こりました。

何と一部上場企業である消費者金融「クレディア」が経営破綻して、東京地裁に民事再生の申立をしたのです。今年に入って過払金返還請求が激増した結果、消費者金融はアブナイと言われてきましたが、まあ破綻するとしても中小業者だろうと言われてた矢先、いきなりの大型破綻です。
まさか中小も生き残ってるうちから、クレディアが破綻するとは。業界でも衝撃が大きいのではないでしょうか。

クレディア破綻が債務者に与える影響は、何と言っても過払金が取れなくなることでしょう。
今後、クレディアに対して過払金が発生している人は民事再生の手続の中で配当を期待するしかなくなります。配当は裁判所においてクレディアの財産調査をしてから決まりますから、いくらもらえるか検討もつきません。すずめの涙になる可能性だってあるのです。

クレディアが破綻した以上、他の消費者金融も安全とは言えません。次にどこが破綻しても、おかしくない状況になったと考えた方が良いでしょう。
すると注意すべきなのは、現在長期の取引がある人達です。過払請求が遅れた為に取れなくなるという可能性がある訳ですから。
過払請求で迷っている人は、早めに請求することを考えないと、第2・第3のクレディアになるところが出てこないとも限りません。用心して下さい。

過払金請求|2007年9月20日



(C)Copyright 2005-2007. 愛知県日進市 橋本司法書士事務所 All Rights Reserved.