相続財産 : 不動産無し 預貯金約100万円
借金 : 約1300万円
被相続人 : 父
相続人 : 子ども2人
父親が在日韓国人で愛知県在住。子が帰化した日本人で静岡県在住の方の依頼でした。父親が愛知県在住だったので私の事務所に依頼されたようです(相続放棄は亡くなった方の住所地の裁判所に申し立てます)。
在日韓国人が被相続人の場合、韓国が戸籍制度を廃止してしまったため、戸籍謄本を取得することができません。代わりに韓国政府発行の基本証明書・家族関係証明書といった書類を、大使館または領事館で取得することになります。
しかし、ここで一つ問題が発生しました。領事館で申請しても被相続人の書類が見つからなかったのです。実は、こういうことは珍しくありません。在日韓国人の中には、結婚したり引っ越ししたりした時、本国の大使館や領事館に報告していない人が結構いるのです。すると本国が被相続人の最新の状況を把握していなくて、基本証明書や家族関係証明書が取れないというケースがあります。
今回の場合も、そのケースでした。出ないものは仕方がありませんので、努力したけど事情があって出せなかったという理由を説明した上申書を作成して、代わりに「大韓民国国民登録証」を裁判所に提出しました。
裁判所も納得してくれたようで、無事、相続放棄が認められました。