過払金返還請求
過払金請求についての動画は以下をご覧ください
過払金返還請求をためらっている人へ
最近では、すっかり有名になった過払金返還請求ですが、まだ、請求をためらっている人達がいます。これらの人達は恐らく、次のようなことが不安なのではないかと思います。この疑問や不安に一つずつ答えていきたいと思いますので、当てはまる項目をクリックして下さい。
1.「サラ金に対して過払金なんて請求して、本当に大丈夫なの?あとで何か問題が起こらない?」
一般の人にとって、サラ金はやっぱり怖いというイメージがあります。昔に比べれば、だいぶ薄まっていると思いますが、まだ一部の人の頭の中には「サラ金からお金を取り戻すなんて、とんでもない。何かされたらどうするの」という心配があるようです。(私も同窓会の席で自分の仕事を話したら、友人から「お前、そんな仕事してて何かされない。」と真顔で言われました。やはりこれが一般的な感覚なんでしょう)
しかし、結論から言うと、10年以上、債務整理の仕事をしていて今のところ一度も怖い目にあったことはありません。もちろん依頼人が過払金請求をした結果、怖い目にあったという話も聞いたことがありません。この点に関しては、安心して頂いていいのではないでしょうか。
特に最近は貸金業法が改正されて、より監督が厳しくなっています。貸金業者と依頼人との間に何かトラブルが起こって、それを監督官庁に報告されたら、下手をすると貸金業者は営業停止処分になる可能性があります。そんなリスクのある行動を取ることは考えにくいですね。
2.「広告では違法利息だと言ってるけど、自分は困っている時に借りたので、今さら返してなんて悪い気がする」
いかにも心優しく真面目な日本人に、ありがちな話で、私も電話口で、このようなことを言われたことがあります。普段の生活で正直で真面目なことは確かに良いことです。きっと、とても人当たりのいい、良い人なんでしょう。
しかし、ものは考えようです。違法利息というのは誰かが勝手に言い出したことではなく、最高裁判所が認めているわけです。ということは、そもそも消費者金融やクレジット会社は不当な利益を得ていたことになります。困っている時に借りた人にとっては神様のように見えたかもしれませんが、実は貸金業者は親切で貸した訳ではありません。貸すことによって、違法利息も含めた大きな利益が得られることが分かっているからこそ貸したのです。
その証拠に、貸金業法が改正されて利率が下がったら途端に貸し渋りが起きています。現在は、新規に貸してくれと頼んでも断られるケースが増えています。彼等もビジネスですから、利益が出ないと分かったら、そう簡単には貸さないのです。
この事実を知れば、貸金業者に過払請求をすることに遠慮はいらないことに気付いてもらえるのではないでしょうか。彼らは、あなたが困っているから貸したのではありません(もちろん、口では困っているから貸したようなことを言うかもしれませんが)。この先、何年間も高い利息を支払い続けてくれることを期待して貸したのです。その結果として過払金が発生しているにすぎません。
ですから、過払請求をためらう必要は無いのです。貸金業者は違法利息であることを隠して、あなたからの支払いを受け取り続けてきたのです。ただ、それを返して欲しいと言っているだけなのですから。
真面目なのは確かに素晴らしいことですが、度を越えると、「お人よし」になってしまいます。不当な行いをしている業者に対して、こらしめるというのも真面目さの一つだと思います。過払請求をしないというのは、業者の不当な行いを認めてしまったことにならないでしょうか。さて、皆さんは、どう思われるでしょうか。
3.「もう返し終わって、せいせいしている。二度と思い出したくない。だから、やらない。」
このように考える人は比較的、郊外や郡部に住んでいる人に多い傾向があります。私の事務所の受任エリアで言うと、三河や岐阜県、三重県などが当てはまります。(もちろん、これらの地域の中にも、全くこのように考えない人もいます。あくまで比較の問題です)
実は3と4の人は、一見、違う考えのように見えますが、同じ部分も多いのです。3のように考えている人も、いざ取引履歴が開示されて正確な過払金の額が分かると、「やっぱり、やってもらおうか」と考えが変わる場合も少なくありません。ようするに、本当にどの位、戻ってくるかの具体的なイメージが出来ていないために、サラ金の悪いイメージの方が先行してしまい、ためらってしまうのでしょう。
あと、1の人との共通点もあります。過払金が発生している人は、それなりに長くサラ金と取引を続けてきたわけですから。嫌なことも経験しています。苦しい時に厳しい取立てを受けたこともあるでしょう。たぶん、過払金請求をすることで、以前に経験した苦しいイメージが浮かんできてしまうのが嫌なのだと思います。
この点は、1の時にも説明しましたが、全く心配はいりません。司法書士が過払金請求を引き受けた場合、サラ金との交渉は全て司法書士が相手になります。これを破るとサラ金は違法行為になってしまうため、まず破りません。従って、依頼人はサラ金とは離れた立場になりますから、心配するような問題は起こらないのです。むしろ、苦しい取引をしてきた人こそ、その分を取り戻すために、過払金請求をするべきだと私は思っています。
他にも、サラ金とヤミ金を勘違いしていて、それでためらっている人もいます。これは、非常にもったいないことです。何故なら、サラ金とヤミ金は全く違うからです。
確かに一般の人から見たらサラ金も充分に強引でしつこい取立てをしますので、同じように感じてしまうのかもしれません。しかし、ヤミ金と比べたら、取立ての苛酷さは比較になりません。よくテレビなどでヤミ金の取立てのひどい状況をドキュメンタリーで写したりしていますので、それを見ると、こんなところには二度とかかわりたくないと思ってしまうのも無理はありません。
ヤミ金とは刑事罰になる利息を取っている業者であって、ようは犯罪者なのです。一方、サラ金は民事裁判で無効になる利息を取っているだけで、犯罪者ではありません。ヤミ金は金を貸しただけで警察につかまりますが、サラ金は金を貸しただけでは警察につかまりません。
これは大きな違いです。ところが、テレビなどでヤミ金の取立てシーンなどが放映されると、つい自分が借りているところも似たようなところじゃないかと思ってしまったりするのです。
これまで説明したとおり、サラ金に対して過払金請求をすることは、一般の人が思っているよりも安全です。あと、サラ金を嫌がったり怖がったりして、そのために真面目に返してきた人ほど過払金が発生しているものです。一度、やってみた人は、みなさんが、「やっぱり、やってよかった」と言います。まだ、ためらっている人は、是非、一歩を踏み出してみて下さい。
4.「広告では戻ってくるようなことを言っているけど、そんなにうまい話はないと思う。どうせ請求したって、少ししか戻ってこないだろう。やっても無駄だ。」
私は本来、過払金請求を奨励する立場ですが、それでもこのように考える人は、非常に慎重で良い態度だと思っています。何故なら、こういう人は年をとっても「おれおれ詐欺」などには、だまされにくいだろうと思いますから。うますぎる広告や、センセーショナルな宣伝には警戒心を持つのは基本的には良いことです。
ただ、過払金については、私の長い経験上(過払金請求が今ほど盛んになる前から私は引き受けています)、慎重な態度の人ほど驚くほど大きな金額になっていることが多いという特徴があります。これは考えてみれば納得できることで、慎重な人ほど返済に遅れることなく真面目に、きちんきちんと返済しているからです。
その全く逆の現象として、「自分は過払いになっているはずだから、一刻も早く回収してくれ。」と強く主張してくる人に限って、取引履歴を取り寄せてみると過払いにすらなっていなかったり、あるいは過払金の額が非常に少なかったりする傾向があります。(これは本当のことです。同業の司法書士や弁護士にも確認したことがありますが、この点については皆さん同意してくれました)
このことから、慎重で過払金の金額を疑っているような人ほど、本人がびっくりするような大きな金額が戻ってくる可能性があるので、やってみるべきだということです。少なくとも、すぐにはやらなくても、過払金の金額を確かめることは最低でもやった方が良いでしょう。(当事務所では、過払金の金額を確かめるサービスも行っています)
5.「家族にナイショでずっと借りていた。ずっと借りていたので、ひょっとしたら過払いになっているかも。興味はあるんだけど、家族にばれるのが怖くて踏み切れない。」
実は、この理由でためらっている人は非常に多く、そのおかげで倒産の噂が浮かんでは消えるアイフルなどの消費者金融は何とか持ちこたえています。消費者金融やクレジット会社の側から見たら、そのままためらっていて欲しい人たちということになります。でも、これって、ちょっと悔しくありませんか。
私の今までの実務経験上、過払金請求で家族にばれたという例はありません。自己破産や個人再生だと家族にナイショで行うのは確かに難しいと思います。しかし、過払金請求は手続の性質上、司法書士と業者の間で済んでしまいます。そもそも、業者は司法書士が受任通知を出したら、直接、依頼人と連絡を取ったり接触したりすることを禁じられます。
あと、現在は司法書士や弁護士が過払金請求の依頼を受ける時は面談が義務付けられています(これを守っていない事務所は、ルールを守っていない事務所ですから注意して下さい)。その際、事務所に出入りしているところを見られてしまうんじゃないかと気になるかもしれません。
これを防ぐ為には、少し遠方の事務所を選ばれると良いでしょう。実際に、こういう理由で他の県から来られる人も珍しくありません。もちろん、あまり遠すぎるのも大変ですから、せいぜい隣の県くらいが、いいんじゃないでしょうか。
過払金請求は、医者などと違って何回も通う必要はありません。1回の面談で手続に入れることが、ほとんどです。家族にナイショの人は、手続が終わった後に、もう一度、事務所に書類を取りに来ることがあるくらいです。ですから、多少、遠方でも充分、依頼はできると思います。
上記全てが、過払金請求をためらっている人への私なりの回答です。参考にして頂いて、是非、一歩踏み出して下さい。
過払金返還請求とは?
取引期間が7~8年以上ある場合、利息制限法で再計算すると元金は既に返し終わっていて、払い過ぎになっている場合があります。その払い過ぎた金額を、業者に請求して取り返す手続きです。
どんな人に向いているの?
例えば、取引期間が7~8年以上の業者が、借入先に含まれている人
例えば、過去10年以内に完済した業者がある人
例えば、借りている業者の金利が20%を超えている人、あるいは過去に超えていたことがある人(クレジットのキャッシングも含みます)
どういう手続なの?
取引期間が7~8年以上ある場合、利息制限法で再計算すると元金は既に返し終わっていて、払い過ぎになっている場合があります。その払い過ぎた金額を、業者に請求して取り返す手続きです。(返し方によっては、5~6年で過払いになっているケースもあります。5年以上取引していれば、一応過払いの可能性を疑ってみた方がよいでしょう)
☆過払いになっているかどうか、はっきりと確かめたい人は利息計算サービスを利用して下さい。
しかし、甘く考えてはいけません。業者からすれば、一転して支払う立場に立たされる訳ですから、抵抗も非常に強くなります。
最近は過払金返還請求が激増した為、貸金業者の経営状態が日増しに悪化し、倒産するところも出てきました。また、倒産まではいかなくても、業者内部の資金が枯渇して、過払金の支払が非常に悪くなっているところもあります。このように目まぐるしく変わる最近の貸金業者の状況を分かりやすく伝える為に、新しく「最近の業者の状況」というページを作りました。どうぞ、ご参照下さい。
過払金返還請求の注意事項
「平成19年2月13日最高裁判所判決の影響」
上記判決は、全国の過払訴訟に対して多大な影響を与えていますので注意が必要です。
かつての過払訴訟では債務者有利の判決が相次いだ結果、訴訟に持ち込めば必ず勝てるという状況が続いていました。ところが、上記の最高裁判決が出てから、かつての債務者圧倒的有利の状況が変わりました。
素人の方に向けて書いたホームページなので、法律の詳しい解説は避けて、簡単にポイントだけ説明しましょう。
この判決で最も影響が出ている部分は、長い取引の途中で完済して空白期間があった後に、再び借入を始めたというケースです。この場合、最初の取引を第一取引、2回目の取引を第二取引と呼ぶことにしましょう。判決では、第一取引と第二取引の間に、双方共通と考えられる契約(基本契約または包括契約と呼ばれています)が無い場合は、第一取引と第二取引を別個の契約とみなして、過払金も別々に計算して最後に二つの過払金を合計するという解釈になる可能性があるのです。
これを受けて貸金業者は、空白期間がある取引を個別に分断して主張してくるようになっています。(当然、裁判では原告・被告とも自身に有利になるように主張してきますから)。
この計算が行なわれると、一本で計算した場合に比べて過払金は減少します。特に問題なのは、第一取引の最後が10年以上前の場合です。このケースだと、第一取引は時効で消滅してしまいます。要するに第一取引の過払金はゼロになってしまうのです。下手すると過払いだと思っていたのが、債務が残ったりするケースまで出てきています。
最高裁判決の影響で、今まで説明したような債務者不利の計算方法を主張する裁判官も、かなり出てきているのが現状です。
専門家に依頼する時は、この辺りの事情も、一通り聞いておいた方が良いでしょう。
☆この判決についても、きちんと答えられる専門家に依頼することを、おすすめします。