事例-12
母親のタンス預金を長女の口座に入れていたケース
Yさん 女性 60代
債権者数 5社
債務総額 約600万円
結婚して、しばらくした時に内蔵の病気になり、手術をすることになりました。
しかし、手術の結果が思わしくなく、その後何度も体調が悪化して働くことが難しくなりました。
当時、夫が漁師だったため、収入が不安定で生活が苦しくなり、借り入れをするようになりました。(夫は私の両親の養子に入っていました。)その後、夫は漁師をあきらめて会社員になったので、少し収入は安定するようになりました。
ただ、私の体調は良くはならず、何度も手術をすることになり、借金も増えていきました。このままでは、とても返済できそうにないと思い、自己破産を決意しました。
事務所からのコメント
ご相談を受けた時、依頼人にめぼしい財産はなく、借金の原因も、病気をきっかけにした生活苦だったので、問題なく自己破産同時廃止の案件だとかんがえました。
しかし、詳しく財産関係を聞いていくと1つ問題があることがわかりました。
同居のお母様が自分のお金を銀行に預けないで、すべてタンス預金をしていたのです。(お母様はご自身の口座を持っていませんでした。)それを心配した依頼人である長女が、お母様のタンス預金を預かって依頼人の口座に入れていたことが分かりました。
結果的に長女名義の口座に結構な金額が入っていたことが問題になります。一旦、お母様から預かった分の預金は引き出してもらいましたが、直前に大きな金額が引き出されたことになりますので、裁判所から追及を受けることは間違いありません。(外見上は、依頼人が自分の財産を隠したように見えるからです。)
そこで、お母様のタンス預金を長女である依頼人が預かっていた経緯を詳しく裁判所に説明していきました。
このように一見、問題が無いように見える案件でも、後から問題が発覚することは珍しくありません。





















