司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

12月 16 2009

シリーズ 司法書士事務所の見分け方① 認定番号

 さて、本日から新シリーズとして、司法書士事務所の見分け方のポイントを私なりに解説したいと思います。

依頼者の側からすると、司法書士事務所に訪れるのは非常に珍しい経験である人が多いでしょう。従って、始めて依頼をする時は、どの事務所に行ったら良いのか迷ってしまうのが普通だと思います。そういう時に判断する目安のような情報があると便利だろうと思って、このシリーズを書くことを思い立ちました。役立てて頂ければ幸いです。(しかし、あくまで目安ですから、判断の手助けとして活用して下さい。ここに書いてあることだけで100%の判断は出来ません。でも知らないよりは知っている方が良い判断に近づくことが出来るでしょう)

 では、まず1回目として認定番号による見分け方を説明しましょう。

債務整理を業務としている司法書士は二つの番号を持っています。(ここが弁護士と違うところですね) 一つは登録番号、もう一つが認定番号です。

まず登録番号から説明すると、この番号は全ての司法書士が持っています。(逆に言えば、この番号を持っていなければ司法書士の仕事はやってはいけないことになっています) それぞれの都道府県ごとに司法書士会という組織が置かれていて、司法書士の仕事をするには必ず、どこかの司法書士会に所属しなければなりません。ちなみに弁護士も同じ方式です。(余談ですが、医者にも医師会という組織がありますが、これは強制ではありません。従って、医師会に所属していない医師は存在します) 

これに対して認定番号とは司法書士独特のもので、簡易裁判所の代理権を行使できるのは認定番号を持っている司法書士だけなのです。この番号を持っていない司法書士は業者と和解交渉が出来ません(法律で禁止されています)。具体的には任意整理や過払請求などの仕事が出来ないことになります。要するに司法書士とは資格の中に、もう一つ資格があり、認定番号を持っている司法書士は、そうでない司法書士に比べて出来る仕事の範囲が広いということになります。

では、認定番号は、どのような経緯で取得するかと言うと、司法書士試験に合格した後、更に特別研修というものを受け、その研修終了後に行なわれる認定試験に合格すると認定番号が与えられます。

認定番号は6ケタになっていて、左端の番号が何回目の認定試験に合格したのかを表しています。(試験を受けた回数ではありませんので注意して下さい) 認定試験は第1回が平成15年に行われています。例えば、この第1回の試験で番号を得た場合は認定番号の左端が1から始まっています。

2回目の認定試験は平成15年の末頃に行われ、合格発表が平成16年です。この時に番号を得たら左端は2から始まっている訳です。(ちなみに私は、この時に合格しましたので左端の番号は2です) 

 何故、このような説明をしてきたかと言うと、よく広告やホームページで事務所の紹介や司法書士の紹介がされていて、その中で合格年度や開業年度は書かれているけども認定番号を取得した年度は書かれていないケースがあります。そういう場合でも番号のルールを知っておけば、いつ頃に認定を得たのかが分かりますから、知っておいて損は無いでしょう。

認定を得た後に開業した司法書士ならば、開業と同時に債務整理を始めることが出来ます(もちろん本当に始めるかどうかは司法書士によって異なります)。しかし、開業はかなり古いけど認定は最近だとしたら、その司法書士の債務整理の経験は古いとは言えない訳です。随分と古くから開業しているから、経験豊富なんだろうと思ったら、とんだ勘違いをしてしまう可能性があります。

あと、大型事務所の場合、広告に載っている人と実際に担当する人が違う可能性があります。その場合は、実際に担当する人が、いつ認定を取得したのかは判断の材料となるでしょう。(もちろん取得が古いからと言って、それで全ての司法書士がベテランだと言ってる訳ではありません。中には古くても経験の浅い司法書士もいるでしょう。しかし、取得が最近ならば、少なくとも経験豊富とは言えないという予測は成り立つでしょう。)

 では、次回は「自分の担当は誰なのか」について考えてみましょう。