司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 16 2021

保証協会の消滅時効 時効(85)

7:04 PM 時効

保証協会の保証付の融資が払えなかったら

都道府県や市町村の保証協会の保証を付けて資金を借りている個人や会社は多いと思います。
この融資の返済が滞った場合、保証協会が代わりに金融機関に返済して(法的に代位弁済と呼びます)、保証協会が新たな債権者となり代わりに支払った金額に、利息を付けて請求してきます。

保証協会の消滅時効

しかし、元の金融機関の融資が返せなかったから保証協会の代位弁済が行われたのですから、保証協会の請求も払えないのが一般的だと思います。
この場合、支払えないで放置していたら時効になるのでしょうか。
結論から言うと、保証協会の請求も時効になります。
ただし、保証協会は会社ではなく公的機関なので、原則として時効期間が10年になることに注意が必要です。

保証協会の時効期間の注意点

しかし、保証協会の保証契約が個人事業主や会社の委託による契約だった場合(保証委託契約と言い、よくあります)、仕事上の契約とみなされて時効期間は5年になりますので覚えておきましょう。
保証会社の保証付の融資を借りる人の大半は事業目的で借りるでしょうから、これに当てはまるケースは多いと思います。

保証協会の求償権の時効の起算点は?

時効期間は、いつからスタートするかを、時効の起算点と言います。あと、求償権とは、保証協会が代わりに返済した結果取得する請求権のことを言います。
保証協会の求償権の消滅時効は、代位弁済の時(代わりに支払った時)からスタートします。
その後、途中で支払った場合は支払った日に時効が振り出しに戻りますので、支払った時から再びスタートします。

保証協会の裁判に注意

保証協会は公的な機関なので、未払いを長期間放置すると責任を追及されます。
従って、他の金融機関と比べて、きっちりと裁判をしてくる傾向があります。
時効期間が経過する前に裁判をされて判決を取られた場合、時効が中断(振り出しに戻ること)して、更に時効期間が10年に延長されます。
保証協会の消滅時効を考える場合は、過去に裁判をされていないかを確認した方が良いでしょう。

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