11月 21 2022
2回目の差押 強制執行(差押)②
2回目の差押
例えば100万円の確定判決(債務名義)を獲得して、債務者の預貯金口座の差押をしたとします。ところが押さえた預貯金口座には50万円しか預金がなかったとすると、残り50万円については差押をする余地が残っていることになります。このような時に2回目の差押をすることになります。
2つのパターン
2回目の差押には2つのパターンがあります。
- 1回目に差し押さえた金額を、まずは回収してから2回目の差押をする
- 1回目の差押は回収せずにそのままにして、2回目の差押をする。
の2種類です。
2つのパターンの使い分け
2つのパターンは、どのように使い分けるのでしょうか。
まず、通常は1.のように回収してから2回目の差押をするケースが多いです。後で説明しますが、この方が必要な書類が少なくて手続が簡単だからです。
では2.の方法を選択するのは、どの様な場合でしょうか。例えば1回目の差押が定期預金だったケースが考えられます。なぜなら定期預金を差し押さえても満期日にならないと回収に応じない銀行が多いからです。事務所で経験した事例では、最高3年待たされたことがあります。
(2)の場合の必要書類
1回目の回収をしないで(できないで)2回目の差押をする時は、回収できた場合に比べて必要な書類が多くなります。例えば以下のような書類です。
- 執行文の再度付与(債務名義の再度付与)
1回目の差押が継続中なので債務名義は返却されていません。なので2回目の差押には債務名義と執行文の再発行をしてもらう必要があります。この手続のことを「執行文の再度付与」と言います。執行文の再度付与と言うと執行文だけを再発行してもらう手続のように感じられるかもしれませんが、債務名義と執行文の両方の再発行が可能です。ただし、仮執行宣言付支払督促のように執行文が不要な債務名義の場合は、債務名義だけの再発行手続をします。
- 債務名義使用中証明
執行文や債務名義の再発行を裁判所に申請する時に必要な書類として「債務名義使用中証明」があります。1回目の差押の回収をしていないので、差押は継続していますから「使用中」ということになります。使用中だから追加の発行を申請しているという証明のために付ける書類です。
強制執行を担当する執行裁判所と、債務名義を取得する裁判所が異なるために、このような手続が必要になるのです。
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