司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

10月 12 2011

臨時ニュース 丸和商事倒産 その4

4:01 PM 過払金請求

民事再生を申し立てていた丸和商事(ニコニコクレジット)ですが、最近、弁済率が発表されたようです。何と武富士をも下回る割合で司法書士・弁護士の間に衝撃が走っています。

具体的には1000万円までの過払金に対しては1.65%、1000万円を超える過払金に対しては1.32%というものです。ほとんどの過払金債権者が1000万円以下だと思われますので、弁済率は1.65%だと考えて良いでしょう。

この弁済率だと仮に100万円の過払金があったとしても、丸和商事からの配当金は、わずか1万6500円ということになります。衝撃が走ったのも当然でしょう。いくらなんでも武富士を下回るとは多くの人は予想していなかったのではないでしょうか。

同じ静岡県のクレディア(現フロックス)の民事再生の時は弁済率が4割だった訳ですから、まさに天と地の差があります。(クレディアは内心、失敗したと思ってるんじゃないでしょうか。もう少し粘っていれば、相当、弁済率を下げられたのではないかと思っていても不思議はないです)

問題は、この非常識な弁済率の再生計画案が果たして認可されるかどうかです。しばらくすると、計画案に賛成か反対かを決める投票用紙が過払金債権者のところに送られてきます。

私の意見は、やはり、この計画案は反対多数で不認可に追い込むべきだと考えます。今回の弁済率が非常識になったのは、やはり武富士の影響が大きかったと思います。武富士の前例が無かったら、丸和商事も、これほど大胆な弁済率は提示できなかったでしょう。

もし、これが簡単に認可されてしまったら、消費者金融各社は倒産すれば過払金から開放されて再出発できると考えてしまうことになります(丸和商事には銀行のスポンサーが決定していて、認可されたら会社は存続します)。

そうなったら、次から次への倒産ラッシュが起こり、収拾がつかなくなるかもしれません。過払金債権者は大打撃を受けることになります。

どこかで負の連鎖を断ち切る必要があります。武富士、丸和商事のどちらか(願わくは両方とも)が、倒産手続に失敗するという前例を作らなければなりません。そうすれば、他の消費者金融も安易な倒産をためらうようになるでしょう。

丸和商事への過払金債権者の皆さん、反対しましょう。こんな不当な倒産を許すべきではありません。