10月 18 2011
臨時ニュース 武富士その後⑤
武富士の更生管財人(会社更生を取り仕切る役目のこと)が、武富士の元役員と大株主を相手に損害賠償請求訴訟を起こしたようです。
これは表向きは、武富士の元役員や大株主にも会社倒産の責任を負わせるというものですが、素直に、そのように評価してよいかは疑問が残ります。
何故かというと、今まで武富士の更生管財人は、過払金債権者よりも武富士に味方していると見られていて、過払金債権者側の弁護士達からは批判の対象になっていたからです。
そのように見られていた更生管財人が一転して武富士の責任を追及する訴訟を提起した訳ですから、「これは何か裏があるのではないか」と勘ぐってしまうのも無理はありません。
予想できることとしては、武富士の会社更生を成功させる為には過半数の賛成票を集めなければなりませんので、賛成票を投じてもらう為にパフォーマンスとして武富士に責任追及をしているという疑いです。
この予想どおりだと仮定すると、管財人は真面目に武富士を追求する気はなく、適当なところで訴訟を終わらせてしまう可能性があるということになります。あるいは非常に低い金額で決着を図るかもしれません。(私は個人的には、予想どおりである可能性が高いのではないかと考えています)
もし予想が当たっていたとしたら、腹立たしい反面、そこまで武富士は賛成票集めに苦労しているのか、という見方もできます。
前回の丸和商事の件でも書きましたが、武富士の会社更生が成功するかどうかは、全ての消費者金融が注目しています。武富士の過払金逃れが、うまくいけば、今後、畳み掛けるように消費者金融の倒産が次々と起こってくるでしょう。(何しろ過払金をカットして会社が存続するのですから)
従って、繰り返しになりますが、武富士の会社更生は、丸和商事の民事再生と同じく、失敗することが好ましいと考える訳です。









