司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

12月 24 2024

保証人が自己破産した場合 自己破産㊶

10:29 AM 自己破産

保証人が自己破産すると、保証人を続けられるか

日本では実務上、保証人はほぼ100%が連帯保証人なので、この記事では保証人と言えば連帯保証人のことだと考えてください。

一般的には主債務者が自己破産して保証人が借金をかぶるというケースが多いと思いますが、逆に保証人が自己破産する場合はどうなるのでしょう。

まず保証人は主債務者とは無関係に自己破産することが可能です。感情的に迷惑をかけるという問題は別にして、法的には主債務者に告げる必要もありません。

では保証人が自己破産した場合、そのまま保証人を続けることができるのでしょうか。意外と思われるかもしれませんが、「自己破産したら保証人の資格が無い」という規定は法律上は存在しません。法的には続けられることになります。

しかし実務上は話は別です。金融機関が自己破産した保証人をそのまま認める可能性は限りなく低いでしょう。現実的には、保証人を続けるのは無理ということになります。

保証人が自己破産したら実務上はどうなるか

現実的には保証人は続けられないのですから、金融機関は別の保証人を新たに立てるように要求してくるでしょう。この要求には法律上の根拠があります。

民法450条2項には「保証人が弁済をする資力を有することなどの条件を欠くに至ったときは、債権者は、条件を具備する者をもって保証人となすべきことを請求することができる」とあります。よって主債務者は新たな保証人を探さざるを得なくなります。

更に民法137条3項には「債務者が担保を供する義務を負う場合において、これを供しないときは、債務者は期限の利益を主張することができない」とあります。

この規定により、債務者が新たな保証人を見つけられなかった場合、債務者は期限の利益(分割払いのことだと思ってください)を主張できなくなります。つまり金融機関の態度によっては一括払いを要求される可能性があるのです。

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