司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

3月 14 2012

ブラックリスト(事故情報)の説明責任

5:31 PM 過払金請求

最近、相談にきた方に、「まだ残債のあるクレジットの取引で、記憶では10年くらい取引していると思うんだけど過払請求をしてもらえないか」という依頼がありました。

私は、この人に「まだ残債が残っている以上、可能性は高いですけど必ず過払いになっているとは限りません。そもそも取引期間の記憶が違っているかもしれませんし、カードは持っていてもショッピングだけでキャッシングは使っていなかった期間があるかもしれません。もし、過払いにならなかったらブラックリスト(事故情報)に登録されてしまいますけど、それでも、よろしいですか。」と尋ねたところ、この人は、「ブラックリストって何ですか」と聞き返してきました。

かなりポピュラーになってきたなと思っている債務整理の専門用語ですが、今でも知らない人は結構いるものです。やはり法律専門家は、このような相談者の利害にかかわるような情報は、きっちり提供しなくてはいけません。

ブラックリストについて詳しく説明すると、この人はびっくりして、「テレビのコマーシャルとか見ていたら、もっと簡単に出来るのかと思ってました。」と答えたのです。

他にも、このような人は、きっと沢山いると思います。テレビコマーシャルや地下鉄の吊り広告では、いかにも何のリスクも無く過払請求が出来るように勘違いしてしまう人がいるということが良く分かった瞬間でした。

結果的に、この人は一度、持ち帰って検討することになりました。今までリスクがあることを知らなかった訳ですから、ある意味、当然でしょう。

コマーシャルなどを流している事務所は、他の広告媒体とは比べ物にならないくらい大量に人の目にふれる訳ですから、その分、他の広告よりも責任も重くなると考えるべきでしょう。

ノーリスクで過払請求が出来るような誤解を生むような表現は、出来れば改善して欲しいものです。(ちなみに完済して債務が無い状態で過払請求をする場合は、ブラックリストには載りません。この場合はノーリスクと言えます。)