司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

10月 01 2012

私の履歴書③ 学生時代(2)

8:38 PM その他

大学は文学部出身です。法律とは全く関係がありません。そもそも学生の時は、自分が将来、司法書士になるなんて想像もしていませんでした。当時は司法書士という資格の存在すら知らなかったと思います。文学部から資格試験を受ける人は、あまりいませんので、そういう情報にも詳しくなかったのです。

私が学生時代を過ごした80年代前半は、女の子は圧倒的に文学部を選択していた時代です。女性で法学部や経済学部、ましてや理系などは非常に少なかったのを覚えています。(別に、これが文学部を選択した理由ではありませんので、念のため)。当時は、明確にやりたいことが決まっている人以外は、女性のほとんどが文学部を受験したんじゃないでしょうか。ということは、当時の文学部は女性の秀才が集中して集まってくる傾向があったので、他の学部と比較しても簡単ではなかったと思います。

私が文学部を選択した理由は、第一には歴史が好きだったこと(日本では歴史は文学部に属しています)、第二はサラリーマンにあまり興味が無かったことです。(今は違います。今となっては、一生サラリーマンでなくても、人生の一部でもサラリーマンの経験をしておけば良かったなと思っています)。

当時は(恐らく今でも)、文学部は就職が悪いので有名です。何で文学部は就職が悪いんでしょうね。私には理由が分かりませんが、別に法学部や経済学部の卒業生が自分よりも、法律や経済に詳しいと思ったことは、正直あまりありませんので、ただの偏見ではないのかと思っています。しかし、現実問題として、就職が悪いのは事実です。(比較的、就職に強いと言われているウチの大学でも、文学部はあまり良いとは言えません)。

先ほどの第二にの理由が、これで説明できます。サラリーマンを目標にしている場合は、文学部は避けるのが当時の常識だったのです。だから、文学部は男性からは敬遠されました。それで、余計に女性比率が高まってしまうのです。

法律や経済に当てはまらない文系の学科は、日本では、ほとんど文学部につっこんでしまうという無茶苦茶な状態になっています。だから、「これって文学部なの」という学科も、たくさんあります。哲学、心理学、歴史学、人類学など、他の国の大学なら独立した学部になっていそうな学科が全て文学部になっているのです。これは日本の大学がサラリーマン養成学校になっている証拠ではないかと思っています。

ようするに、サラリーマンとして就職を目指す人は法学部や経済学部、商学部などに行きなさい、そうでない人は、まとめて文学部に行けば良い、という発想です。大学は興味のある学問をやる場所とは、大学関係者自体が考えていないという、良い例ではないでしょうか。こういう発想に反発して文学部に行ったという側面も私にはあるのです。

ちなみに、私は大学ではイキリス史を専攻しました。歴史に興味があったので、それ以外にもアメリカ史やフランス史の講義なども取っていました。もちろん日本史も好きですが、高校までに散々やったので大学では西洋史を中心に講義を受けていました。

それ以外に、社会に出てから必要だろうと思って、自分で経済関係の本を、やたらと買って読んでいました。経済学部なんかに負けないという気持ちも多少あったと思います。結局、大学を卒業する頃には、経済学部の人間と話をしても全く困らなくなる程度にはなりました。分野によっては私の方が詳しいと思うものもありました(ジョン・メイナード・ケインズなど)。でも法律の本は読んでいなかったですね。何故でしょう。当時の私は必要性を感じていなかったことになりますが、今となっては忘れてしまっています。タイムマシンでもあったら、当時の私に質問してみたいです。