司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2月 21 2008

収入の高い人の債務整理

 皆さんは、収入の高い人は債務整理とは関係ないと思ってはいませんか。実は、そうでもないんです。今日は収入の高い人に特有の問題を取り上げてみましょう。

まず一つは、収入の高い人は借入額が非常に多くなるということです。500万円以上というケースも、めずらしくありません。これは貸金業者の限度額が高くなるからです。収入の高い人には業者も、たくさん貸そうとします。

次に、借入先に利率の低いところが多いという特徴があります。銀行系やリース系のローン会社や、比較的利率の低いクレジット会社がこれにあたります。利率が低いということは、任意整理を利用しても減額になりにくいということです。借りる時は有利ですが、債務整理になると一転して不利な要件になってしまいます。

三っ目は、収入の高い人は財産も多いということです。住宅ローンを抱えている場合も多いので、個人再生の比率が高くなります。運よく過払いになっていれば、任意整理で処理できる場合もありますが、二番目の特徴で指摘したように借入先の利率が低い場合は個人再生を考えた方が良いでしょう。

以上のように、収入が高い人が多重債務になると、低い人とは違った難しい問題が発生します。収入が低くて財産も無くて破産しか選択肢が無いという人の場合は、本人の覚悟さえ出来ていれば、後の処理は意外とスムーズに済んだりします。

収入の高い人は、苦しくなっても業者が貸してくれるので、相談が遅れる傾向があります。相談に来た時は、より深刻になっています。

一人で悩んでいる人は、一度、相談に行くことを、おすすめします。