司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

3月 19 2013

株式会社ギルドの不当請求

株式会社ギルドが最近、不当請求を行っていますので、ご注意ください。

◎不当請求とは、どんなことをしているのですか◎
具体的には、既に時効が完成しているにもかかわらず、それを隠して債務者に対して、遅延損害金を大幅に付けた金額の請求書を送りつけているのです。支払わなければ訴訟を起こす、あるいは法的手段を取るなどと書かれているため、思わず支払ってしまう人もいるでしょう。

◎支払うと、どうなるのでしょう◎
しかし、支払ってしまうと、後々面倒なことになります。債権の消滅時効において支払うことを「債務の承認」と言い、時効が完成した後に債務の承認を行うと、例え時効について知らなかったとしても、裁判所は再び時効の援用をすることは許されないという立場を取ることが多いのです。(「時効の援用」とは時効の主張をすることです)

上記のような裁判所の考え方があるため、ギルドのような貸金業者が、債務者が時効について知らないことを利用して、時効が完成しているにもかかわらず請求をしているわけです。(かつては武富士などが、これと同じことをやっていました)

例え不当請求であっても違法請求ではないため、一部でも支払ってしまうと、後で時効を理由に支払いを拒否するのは非常に困難になります。このため、電話交渉すると、非常に安い金額を提案してきて、とりあえず一部でも払わせようとする傾向があります。とにかく時効を援用できないようにしておいて、残りは、ゆっくり回収すれば良いと考えているのでしょう。

◎では、どうすれば良いですか◎
このように、素人が一人で電話交渉するのは危険が伴います。ギルド以外にも不当請求を行っている貸金業者がいるかもしれません。貸金業者からの借金の消滅時効期間は5年です。最後の取引から5年以上経っているにもかかわらず請求されている場合は、一度、法律家に相談に行った方が良いでしょう。法律家に時効援用通知を送ってもらうことを、おすすめします。

☆ 株式会社ギルドは、もともとはハッピークレジット株式会 社、株式会社信和、山陽信販株式会社の3社が合併し、トライト株式会社として設立されました。その後、株式会社ヴァラモスに社名を変更し、更に平成24年に現在の社名である株式会社ギルドになったという、非常にややこしい会社です。

☆ 一般的に貸金業者からの借入の消滅時効は5年です。しかし、例外もあります。
①貸金業者が会社ではなくて個人事業主だった場合(中小零細の街金融などに、たまにあります)は10年
②貸金業者が信用金庫や信用組合だった場合は10年(信用金庫や信用組合は非営利組織と考えられているため)
 ③上記①②の場合であっても、借りている方が事業者であれば、やっぱり5年
他にも例外はありますのでご注意ください。ここでは代表的なものをとりあげています。

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