司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

8月 20 2013

クレディセゾンの任意整理(分割和解)

3:43 PM 任意整理

消費者金融業界は、改正貸金業法の施行以来、縮小や倒産、銀行による併合などが相次ぎ、それに伴って任意整理の時の条件も厳しくなる傾向がありました。

例えば、任意整理の大きなメリットの一つである「将来利息のカット」に応じなかったり、通常は3年36回分割なのに分割回数を減らすよう要求してきたり、といったものが代表的です。

一方、クレジットカード業界は確かに厳しい環境ではありますが、消費者金融とは違ってショッピングという収益源もあり、またショッピングに関しては貸出の際の収入制限の対象になっていない為、近年、大きく伸びる傾向があり、比較的マシな経営状態のところが多いようです。

そのせいか、任意整理の際も以前と同じ条件(将来利息カットで3年36回払い)で受けてくれる業者も珍しくありません。債務者にとっては大変ありがたいことです。

最近の例でも、クレディセゾンに対して一月あたり5000円の3年払いを提案した案件があったのですが、「月あたりの金額が低いので拒否してくるかもしれないな」と思っていたら、さにあらず、翌日にはOKの回答をもらいました。

以前からセゾンという業者は、あまり横暴なことを言ってこない良質な業者ではありましたが、改めて見直してしまいました。

ただ、この業者にも注意すべきことはあります。

一つは、債務者本人が取引履歴の開示請求をすると、他の業者に比べて非常に分かりにくい取引履歴を送付してくることです。恐らく、一般の人だと、どのように計算したらいいかが分からないでしょう。ところが、司法書士が介入して受任通知を送ると一転して非常に分かりやすい取引履歴を送ってきます。このように送ってくる取引履歴に差をつけているんですね。

二つ目は、任意整理が成立した後の和解契約書の内容です。セゾンが作成した和解契約書だと、万が一、失業などで支払いが途中で止まった時、残金が和解した金額(利息制限法で引き直した後の金額)を元に算出されるのかが今一つ不明確なのです。(読みようによっては、引き直し前の元の金額に戻るようにも読めてしまうということです)
これではリスクが高すぎますので、セゾンと和解する時は司法書士の方で和解契約書を作成して、きっちりと途中不払いが起こった場合でも引き直し語の和解金額を元に計算するような条項を付けています。

以上のような注意点に気をつければ、セゾンは比較的、任意整理はやりやすい業者であると言えるでしょう。