司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

9月 05 2013

消費者金融の没落

最近、債務整理の相談に来られる方の特徴として、消費者金融からの借入の割合が減っていることです。

以前は、相談者の大半が、借入の半分以上を消費者金融が占めていました。借入全部が消費者金融という人も珍しくありませんでした。

ところが最近は、総量規制の影響もあってか、めっきり消費者金融の割合が減り、代わりにクレジットと銀行ローンが増えています。

先日ついに、借入が300万ちかくあるのに、消費者金融がゼロという相談者がいました。私の記憶では、個人の債務整理で、住宅ローンの保証人になっていたケースなどの特殊な例を除けば、これだけの金額を消費者金融の借入なしというのは無かったように思います。

このブログでも度々指摘してきたように、現在は総量規制が存在しますので、破産や再生になるような本人の収入を大きく上回るような借入は、かなりの割合でクレジットショッピングや銀行ローンがからんでいるのです。

それにしても、この仕事をしていると、かつて隆盛を極めた消費者金融の没落は予想以上です。私が開業した頃は、電話帳で消費者金融の項目を引くと、数十ページもの分厚い広告が載っていたものです。「こんなにあるのか!」と当時の私は驚いたものでしたが、今や生き残るのは数社なんじゃないかと思えてきます。

これで平穏になったかというと、やはり世の中は単純ではなくて、代わってクレジットや銀行がショッピング枠や貸出を増やしているようです。資金需要がある限り、どこかで貸す人がいる訳です。

むしろ、クレジットで買った商品を換金してお金に換えるような手法も増えてきていますので、こんな手法でなければ借りられないのなら、以前よりも良くなったとは言えないのでは、と思います。

そろそろ総量規制についても考え直してみる時期に来ていると思うのは私だけでしょうか。