5月 28 2014
個人の貸金の請求について
最近、個人の貸し借りの貸金請求の相談を受けることがあります。これについては以下のような注意点があります。
まずは消費者金融に対する過払金請求とは違って、相手方から証拠が提出されるということは、まずありません。(過払金請求の成功確率が高いのは、貸金業者側に証拠提出義務があるからです。しかし、訴訟全体でみれば、むしろ過払金請求の方が特殊であって、通常は相手方に証拠提出義務はありません)従って、本人が借用書のような証拠を持っていることが重要です。
もう一つは、例え訴訟で勝ったとしても、相手方に支払うだけのお金があるか、ということです。最近では過払金請求でも、中小の貸金業者に支払能力が無く回収できないというケースが増えていますが、個人の貸し借りの場合は貸金業者以上に支払能力が無いケースが目立ちます。
以上の二つの点をクリアしないと、個人の貸金請求は成功する確率が著しく低くなります。当事務所では上記2点をクリアしていない場合は、請求自体をおすすめしておりません。
では、個人の貸金請求における証拠とは何かというと、具体的には次の二つです。
一つは、相手に金を渡した証拠です。貸金請求を行うと、「そもそも、そんな金、受け取ってない」という反論をされることがよくあります。銀行の振込みなら相手方の名前と金額と日付が分かる振り込み明細、現金渡しなら領収書や受け取り証などになります。
二つ目は、返還の約束を証明するものです。これも相手方から、「確かに金は受け取ったが、それはもらったものだ、借りたんじゃない。」という反論が多いのです。これを証明するのが借用書になりますね。ちなみに借用書が一つ目の受取証も兼ねているケースもあります。
以上2点が代表的な貸金請求の証拠になります。最低でも、これらの証拠が無いと、相手が徹底的に反論してきた場合、不利な結果になることが多いです。
もっと、安心して金を貸したいと考えられている人は、やはり金を貸す時は公正証書を作るべきです。特に強制執行認諾文が付いている公正証書なら最強です。これがあれば、何と相手が金を約束どおりに返さなかった場合、裁判を起こすことなく相手の財産を差し押さえることができるからです。
あと、相手が会社員や公務員なら、相手の勤め先は必ず把握しておきましょう。何故なら、差し押さえで最も成功率が高いのは給料の差し押さえだからです。
あと、相手が事業主の場合は、複数の銀行口座を把握しておくことを、おすすめします。不動産はどうかと聞かれる人が多いのですが、不動産の差し押さえの場合、結構な額のお金を裁判所に預ける必要がありますので、よほど高額の貸金でなければ割に合わず、あまりおすすめできません。それに、事業主の不動産はたいていの場合、既に銀行などの担保に取られていますので、例え差し押さえても回ってくる確率が低いというのも、おすすめしない理由の一つです。









