司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

7月 29 2008

シリーズ 個人再生⑥

8:26 PM 個人再生

 6回目は、いよいよ個人再生申立以降の実際の流れについて説明しましょう。今回も名古屋地裁を例にして話をすすめます。

 申立の際に必要なのが、申立書類一式(家計簿・財産目録・陳述書・債権者一覧表・清算価値算出シート・住宅特則を利用する人は弁済許可申立書)、証拠書類(第5回で説明した各種書類のこと)、債権者宛名シール(裁判所が債権者に郵便を送る時の為に提出)、債権者一覧表のコピーを債権者数分(開始決定が出た後で裁判所が各債権者に送る為に提出)、予納郵券(切手の事です)、収入印紙、予納金になります。

この中で予納金は、金額が大幅に変わる可能性があります。通常、名古屋地裁では再生委員という役職が選任されることになっていますが、この再生委員の費用が高い為に、予納金が10万円近くかかってしまいます。(と言っても首都圏よりは、これでも安い方です。いかに首都圏の費用が高いかが分かります)

しかし、事件の内容が複雑でない場合、再生委員が選任されない時があります。こうなると、予納金は3万円以下になりますので、ぐっと安くすみます。では、事件の内容が複雑でない場合とは、どのような場合かが当然、気になるところですが、残念ながら明確な基準はありません。その時、その時で裁判官が個別に判断しますので、出してみなければ分からないというのが現実です。まあ、あまり期待するとダメだった時にがっかりしますから、通常は再生委員がつくものだと考えておいた方が良いでしょう。

ここでちょっと補足しておきますが、郊外の支部裁判所や大都市圏以外の裁判所においては再生委員が選任されないのが普通です。何故かと言うと、再生委員にはたいてい地元の弁護士が選任されることになりますが、大都市圏以外は弁護士の数が少ない為、再生委員のなり手がいないからです。従って、上記の裁判所においては申立費用は大都市圏よりも安くなります。弁護士の都市偏在が理由で申立費用に10万円近い差が生じる訳ですから、これは大変に不公平な制度ではないかと私は考えています。

 以上で申立は終了です。後は、裁判所が申立書類と証拠書類を審査します。名古屋地裁の場合だと1~2週間で審査の回答が送られてきます。郊外の支部裁判所だと審査期間はもっと短くて、早いところだと翌日のこともあります。

審査の結果、追加書類を求められたら追加書類を出すことになります。それで特に問題無いということになったら、いよいよ第一回の面談になります。

 では、この後の話は次回に譲りましょう。お楽しみに。

 

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