司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

10月 10 2017

シーエスジーの「調査開始予告」「身辺調査開始予告」 時効(20)

3:35 PM 時効

北海道が本拠地の債権回収業者に株式会社シーエスジーがあります。何故か債権回収業者は北海道が本拠地の業者が多いですね。私も父親の本籍が北海道で親戚もいるので、他人事とは思えません。

この業者は、かなり品の無い書面を送ってくる場合があるので注意が必要です。例えば「調査開始予告」とか「身辺調査開始予告」などのタイトルで、しかも相当に大きな文字で書かれているため、一件、ヤミ金融かと思ってしまいます(もちろんヤミ金融ではありませんが、まるでヤミ金融だと勘違いされることを期待しているのではないかと疑いたくなる書き方です)

書面の内容は、以下のようなものです

調査開始予告
貴殿は、第1段階目のお手紙にも全く反応なく、入金及び連絡さえも頂けなかったことを受けて当社は次の第2段階へ移行致しました。
調査完了いたしますと、直接玄関先で全額請求となりますので、今回の期限内にご連絡をお待ちしております。

身辺調査開始予告
再三、再四に渡り、返済の催告をしておりますが、未だに解決に至らないのには、様々な事情があるのだと思われます。しかし、当社といたしましてもいつまでも放置は出来ず、今後は身辺調査も含め、回収の為に具体的措置を講じなければならないこととなりました。
事情によっては相談に応じたいと考えておりますので、調査が始まる前の解決をお勧めします。
連絡期限 〇年〇月〇日 ○時迄

いずれの書面も、相当に高圧的で脅しの効いた文面になっていますが、その割には具体的には何をされるのかが分かりにくい文章です。
例えば、「調査」または「身辺調査」とは何なのか、具体的措置とは何なのかは全く書かれていません。(通常は法的措置と書きますから、これなら裁判をするんだろうと想像できます)

恐らく分からないけど何か重大なことをされるのではないか、という雰囲気を意図的に作って、電話をさせようとしているのでしょう。

この戦術にのせられて電話をしてしまうと、そこで支払いの約束などをさせることによって、消滅時効の主張を出来なくしてしまおうという意図があるものと思われます。

とにかく債権回収業者は消滅時効の主張をつぶす為に、「あの手この手」で業者に電話をさせようと工夫してきます。電話をさせることによって、少額の支払いでもさせてしまえば、それで消滅時効は主張できなくなることを知っているからです。

つい最近も、親が亡くなって3カ月以上経ってから、シーエスジーから親宛に上記の書面が届いた方がいました。3カ月経過していますので相続放棄は困難です。請求額は利息損害金を含めて何と400万円を超えていました。しかし、この方は業者に連絡する前に事務所に相談に来られましたので、無事、消滅時効の援用通知を出すことで1円も支払わずに済みました。

「業者に連絡するより前に専門家に相談を」が非常に大切であることを分かって頂けたでしょうか。

より詳しい情報を知りたい方は以下をクリック

http://www.hashiho.com/debt/shometsu/