司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

11月 30 2018

ティー・アンド・エスの不当請求 時効(40)

7:03 PM 時効

ティー・アンド・エスとは

株式会社ティー・アンド・エスは東京都港区芝大門に本社がある業者で、様々な貸金業者の未払い債権を買い取って請求しています。従って、ティー・アンド・エスから借りた覚えが無くても、過去に借りた業者の未払い債権を譲り受けて請求しているので架空請求ではありませんので注意しましょう。

ティー・アンド・エスが買い取っている主な業者

ティー・アンド・エスは他社の未払いになった債権を買い取って請求していることが多いです。買い取っている主な業者には以下のようなところがあります。(他にもあると思いますが、経験上、多いところを列挙しました)
①タイヘイ
②オリエント信販
③クリバース
④アエル(日立信販・ナイス)
⑤日本プラム
⑥マルフク

ティー・アンド・エスから届く請求書の種類

ティー・アンド・エスからは色々なパターンの請求書が届きます。未払い債権を請求する業者の中でも請求書の種類が多い業者だと思います。例えば以下のようなタイトルの書類が届くことがあります。
①「支払通知書」
②「支払意思確認通知」
③「最後通告書」
④「和解案のご案内」
⑤「訪問に関する御連絡」
⑥「訪問予告通知」
⑦「ご連絡」
⑧「債権譲渡通知はお読みですか」
⑨「アンケートにお答えください」

①と②の内容は、「長く未払いになっているので、まずは電話をしてくれ」という意味の文章になっていることが多いです。③は「これで最後だから、無視すると訪問する」と書かれていることが多いです。④は請求額よりも低めの金額の和解案を提示して、「早く和解した方が得だ」と思わせて電話をかけさせようとする内容です。しかし、時効で解決した場合は1円も支払う必要は無いのですから、引っかかってはいけません。
あと、特に巧妙な手口だと思うのが⑨の通知です。「返済のアドバイスをするためにアンケートにお答えください」という内容ですが、うっかりアンケートに答えて返送してしまうと、返済の意思の確認が取れるような質問が含まれているので、それが証拠となり消滅時効での解決を難しくしてしまいます。いかにも親切でやっているように見える内容なので注意が必要です。

これらの通知で特徴的なのは、脅し文句が通常の業者であれば「訴える」「法的措置を取る」などが使われるのに対し、ティー・アンド・エスの場合は「訪問する」になっていることです。一般人にとって訪問されるのが何よりも嫌だということが分かっているのでしょう。

ティー・アンド・エスの自宅への訪問

ティー・アンド・エスは自宅へ訪問することがある業者です。訪問するのは業者にとっても経費と手間がかかるので実際に行う業者は少数派ですが、ティー・アンド・エスの場合は、ネットコミュニケーションズという大阪の会社に訪問請求を委託していて、実際にはネットコミュニケーションズの社員が訪問してくることが多いという特徴があります。

訪問された時に不在だった場合は、「不在通知」という書面がポストや玄関に入っていることがあります。帰宅して不在通知を見つけたら「まさか本当に来るなんて」と恐怖を覚える人も多いと思います。こういう場合は、たまたまいなかったことをラッキーだと思って、出来るだけ早くに当事務所にご相談ください。

もし訪問されてしまった場合は、例え少額でも支払ってしまうと、後から消滅時効の主張が出来なくなる恐れがありますので気を付けましょう。他にも「いついつまでに支払う」というような支払いの約束をして、それを録音されてしまった場合は、やはり後で消滅時効の主張が出来なくなる可能性があります。充分に注意しましょう。

ティー・アンド・エスの時効の可能性

ティー・アンド・エスから届く各種の請求書の中に「弁済期」という記述が書かれている場合があります。この記述が見つかった時は、弁済期から5年以上経っていたら消滅時効で解決できる可能性が高いです。
弁済期という記述が書かれていなかった場合でも(書かれていない書類もあります)、債務者の記憶で過去5年以内に借入や支払が無かった場合は、消滅時効で解決できる可能性があります。
当てはまる場合は業者に連絡する前に当事務所にご相談ください。

ティー・アンド・エスの請求に対する解決法

1.裁判をされる前
請求書が送られてきた段階では、法的に整った時効援用通知を出すことで請求を止めることが出来ます。請求すること自体は違法ではないので、通知を出さないといつまで経っても請求が止まりません。

2.裁判をされた後(訴訟の場合)
裁判をされてしまったら時間との戦いです。絶対に判決が出る前に何とかしなくてはいけません。判決が出て確定した後で相談を受けても、もはやどうすることもできません。完全に手遅れとなってしまいます。
通常訴訟の場合(送られてきた書面に「訴状」と書いてあります)は第一回口頭弁論期日までに答弁書に反論を書いて提出する必要があります。

3.裁判をされた後(支払督促の場合)
「支払督促」というタイトルの書面が裁判所から送られてきたら、訴状の時よりも急がなくてはなりません。支払督促の反論の期間は2週間しかないからです。とにかく急いで当事務所にご相談ください。
もし2週間が過ぎてしまっても、他の方法がありますが、必ず解決するとは限らなくなります。確実に解決するためには2週間以内がベストです。

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