11月
24
2010
さて、業界に衝撃が走った武富士の会社更生ですが、概要が固まってきたようなので、お知らせします。
まずは一番肝心な債権届出期間ですが、来年2月28日(月)までです。この日付までに武富士所定の債権届出書に過払債権額を記載して、期間内必着で郵送しなくてはいけません。過払いであるにもかかわらず、期間内に届出をしなかった場合は1円も戻ってこない可能性がありますから、是非とも注意しなければなりません。
私の聞いた情報によると、現在、武富士のATMで返済をすると、その人の取引が過払いになっていた場合は、過払いだから返済の必要が無いということを画面で知らされて、入れたお金が機械から戻ってくるそうです。これが本当なら画期的な仕組で、少なくとも現在、取引をしている人は自分が過払いで債権届が必要なことが分かるようになっていることになります。(もし本当なら、全ての業者がこの仕組を採用して欲しいものです。こんな仕組も、やれば出来るということになりますから)
しかし、上記のような画期的な仕組でもカバー出来ない人達がいます。勘の良い人は、お分かりでしょう。そうです、完済してしまって現在は取引をしていない人達です。これらの人達は完済していますから100%過払いになっています。要は債権届が必ず必要な人達なのです。にもかかわらず、取引が終わっている為、武富士のATMに行くことはありません。このことから、膨大な完済者が債権届の事実を知らないまま期間が過ぎてしまうのではないかと懸念されています。(実は武富士側も、それを狙っているのではないかと私は考えています。)
このような武富士側の思う壺にはまらないように、せめて、このブログを読んだ人は必ず債権届をしましょう。
次に気になる弁済率ですが、正式に決まるのは来年の7月頃になるそうです。この頃に更正計画案が出されて、どのように弁済していくかが決まります。前のブログでも書きましたが、噂ではかなり厳しい弁済率になるのではないかと言われています。5%か10%くらいになる可能性も充分にありえます。20%以上だったらラッキーだと思っておいた方が良いでしょう。それでも1円も戻ってこないよりはマシですから、債権届は忘れずに。
今は、司法書士が依頼を受けて武富士に通知を出すと、しばらくすると債権届が送られてきます。その届用紙が白い場合は過払いになっている人で債権届が必要な人、青い場合は引き直しても債務が残る人で債権届が不要な人となっています。何だか不謹慎ですが、まるで受験の合格票みたいだなと思ってしまいました。
武富士の情勢には目が離せません。今後も新しい情報が入ったら、お伝えしていこうと思っています。
11月
15
2010
ご無沙汰しておりました。本日はクレジット会社の状況について説明しましょう。
消費者金融が軒並み経営状態を悪化させて過払金の支払いが減額になっている状況で、クレジット会社に関しては、まだ救いがあるようです。
クレジット会社の経営も決して良くはありませんが、まだ過払金の大幅な減額に至っている会社は少ないようです。クレジット会社の収益源にはショッピングなども含まれていますので、この辺りも消費者金融に比べてマシな原因かもしれません。
従って、クレジットのキャッシングで長期間の取引がある人の過払請求は、今なら、まだ間に合うと言えるでしょう。それでもアイフルの子会社であるライフなどはアイフルの経営不振の影響を受けて減額傾向が出てきていますので注意が必要です。
クレジット会社で取引が長ければ過払いになりやすい会社(要は過去の利率が高かった会社)には、ニコス(旧日本信販、旧UFJカード等)、セディナ(旧セントラルファイナンス、旧オーエムシーカード等)、イオンクレジット、オリエントコーポレーション、UCS(旧ユニーカード)、クレディセゾンなどがあります。
一方、利率が元々低くて過払いになりにくい会社(または過払いにならない会社も含みます)としては、オリックス、ジャックス、楽天、旧UCカード、旧DCカード、三井住友カード、UFJカードなどがあります。
クレジット会社は普段の買物やETCカードなどで使用している為に、せっかく長期間の取引があるにもかかわらず、過払請求をためらっている方が多勢います。こういう人達の為に私は、ご自身による取引履歴の請求を提案します。現在は法律が整備されていて、名義人から直接、取引履歴の請求があった場合、会社は応じなければなりません。これは法的義務になります。相手が消費者金融だと請求をためらう人もいるかもしれませんが、クレジット会社なら消費者金融よりは頼みやすいのではないでしょうか。(もちろん消費者金融でも頼んで全く問題ありませんが)。
届いた取引履歴は引き直し計算がされている場合と、されていない場合とがあります。されていない場合は、どこか計算してくれる事務所を探すと良いでしょう。私の事務所では計算サービスを行っていますが、他でもやっている事務所があるかもしれません。
取引履歴を請求することによって、自分が過払いになっているのかどうかが、まず明らかになります。そして、もう一つ、過払いになっていた場合、その金額が分かります。これはカードの使用をあきらめても過払請求をするかどうかを悩んでいる人にとっては非常に大きな判断の目安になると思います。
例えば、もし100万円以上の過払請求が可能だったとしたら、やっぱり請求してみようと言う人もいるんじゃないでしょうか。逆に5万円だったら、やっぱり止めておこうとか具体的な判断が出来るようになります。
結果が分からない段階で、あきらめてしまうのは、ひょっとしたら後で後悔することになるかもしれません。そういうことにならないように是非、一度、取引履歴の請求を考えてみて下さい。