司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

2014年7月

7月 24 2014

住宅ローンの保証会社

住宅ローンには保証会社というものがついています。家を買う時に、保証料という名目で費用を支払った覚えのある人も多いでしょう。また、保証料が毎月に支払う利息に組み込まれているタイプのローンもあります。

では、この保証会社というのは何のためにあるのかというと、もし債務者が途中で住宅ローンが支払えなくなった場合、保証会社が代わりに銀行に残りの債務を支払ってくれるのです。

ここまで聞いて、「それは、素晴らしい」と思った人は早合点しないで下さい。保証会社が代わりに払ったからと言って残りの債務から解放される訳ではありません。(もしそうなら保証料は安すぎますね)。銀行に代わって今度は保証会社が債務者に請求してくることになります。「我々が銀行に支払った分と遅延利息を含めて支払って下さい」と言ってきます。

すると債務者にとって保証会社って何か特になることがあるのかと思うかもしれません。あえて言うと、それは、連帯保証人を建てる必要が無くなるということです。これは結構大きなメリットです。もし、保証会社を使わないとなると、間違いなく銀行から連帯保証人を要求されます。

さて、住宅ローンの支払いが厳しくなった場合、私は個人再生を選択する場合が多いですが、その際に注意点があります。

それは、滞納期間が長すぎた場合、先ほどの説明のとおり債権者が銀行から保証会社に移転してしまうことが考えられます(これを法律用語で代位弁済と言います)。通常、半年くらい滞納すると代位弁済が行われるケースが多いようです(銀行によっては期間が異なる場合もあります)。

そして、代位弁済によって住宅ローンが保証会社に移転した場合、個人再生を使うことが非常に難しくなるというデメリットがあるのです。

そのままでは個人再生の住宅特則が使えませんので、一応、「巻き戻し」という手法で、一旦、保証会社に移った住宅ローンを再び銀行に戻してもらうという、ややこしいことをする必要があります。そして、この「巻き戻し」という手法は裁判官の裁量によって出来るかどうか決まるもので、正直なところ、あまり認められている手続きとは言えません。

ようするに、保証会社に住宅ローンが移転してしまうと個人再生の成功確率が著しく下がるということになります。従って、住宅ローンの支払いに苦しんでいる人は、少なくとも保証会社に移転するよりは前に法律家に相談に行かれた方が良いでしょう。

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