9月 14 2017
換価分割とは(遺産分割②)
不動産を相続して、その不動産を相続人の誰も利用する予定が無い場合、毎年の固定資産税の支払いが無駄になります。
評価価格の高い土地ですと、固定資産税もかなりの額になります。
相続人が1人でない場合は、誰が支払うのかでもめてしまうことも……。
このような場合は、換価分割を検討してみましょう。
換価分割とは、不動産をすぐに売却して金銭に換えてから相続人に分配する遺産分割の方法です。
分配方法が、かなり自由になりますから、よく使われる方法です。
換価分割の際の不動産の登記
換価分割の場合、一旦、法定相続人の1人に仮に名義を移してから売却します。
法定相続人が3人いたら、普通に登記をすれば3人の共有ということになります。
換価分割で、それをしないのは、1人の所有になっているほうが売却がしやすいからです。
なぜ1人の所有のほうが売却しやすいのでしょうか。
3人の共有ですと、誰か1人が売却に反対すると、買い手は困ってしまいますよね。
反対している1人がいつ賛成してくれるのか、それともずっと反対のままなのか非常に不安定な状態になってしまいます。
もちろん、3人とも賛成してくれれば問題はありませんが、買い手としてはリスクが少ないほうが良いのです。
それで、一旦1人に仮に名義を移すわけです。
そして売却後、金銭を分配すると言う方法を取ります。
換価分割の際の遺産分割協議書
遺産分割協議書の記載の仕方で注意する点が2つあります。
1つは、一旦、1人に名義が移った後の分配なので、税務署から贈与だとみなされないように記載する必要があります。
贈与とみなされた場合、贈与税がかかるからです。
贈与税は相続税よりも、はるかに高い税率ですから、大変困ったことになります
2つ目は、「仮に○○に名義を移す」というような表現を使うと、法務局での相続登記の審査が通らない、ということです。
換価分割の遺産分割協議書は、上記の2つのポイントを両方とも押さえていないと、うまくいきません。
意外と思われるかもしれませんが、弁護士さんに依頼すると、1つ目のポイントだけ押さえられていて、2つ目が配慮されていないので相続登記には利用できないというケースが実は珍しくありません。
これは、弁護士さんは不動産登記の専門家ではないために起こってしまうことです。
やはり「餅は餅屋」ということでしょうか。
逆に弁護士さんにしかできない仕事もありますからね。
上記のような理由から、換価分割を検討されている場合は、司法書士に相談されるのが良いでしょう。スムーズに進む可能性が高いと思います。












