2月 20 2025
オリックス銀行の信託口口座 家族信託(民事信託)㉚
信託口口座とは
家族信託の受託者が使う信託口口座は、委託者の財産を預かる口座で、受託者自身の口座とは明確に区別しておく必要があります。そのために設けられたのが信託口口座で正式な信託口口座ならば、例え受託者個人に対して差押があったとしても、信託口口座は受託者の財産ではないとして差押を受けません。
ただし、便宜上の信託専用口座の場合は正式な信託口口座ではないので差押を受けてしまいます。このように信託口口座は法的に特別な口座なので、どこの銀行でも取り扱っている訳ではありません。開設できる銀行は限られています。
オリックス銀行の信託口口座
オリックス銀行は、まだほとんどの銀行が取り扱っていなかった頃から信託口口座を始めており、信託については老舗の銀行になります。実際に信託口口座を作る場合、最も利用者が多いという印象です。早くから家族信託に力を入れていただけあって他の銀行にはないメリットがあります。
それが開設手続からその後の口座利用まで全てネットでできることです。それを可能にするために、いくつかの特徴があります。
オリックス銀行の信託口口座の特徴①
オリックス銀行は、信託契約書については司法書士や弁護士などの法律専門家作成のものしか受け付けません。信託口口座の開設には信託契約書の事前審査がありますが、事前審査の申込ができるのは司法書士や弁護士などの専門家経由だけです。一般の方が直接申し込むことはできないようになっています。
オリックス銀行の信託口口座の特徴②
オリックス銀行は信託口口座を引き受ける際に、信託の当事者を限定しています。具体的には委託者兼受益者である信託契約しか受け付けていません。実際に信託契約の8割以上が委託者兼受益者になっていますので、ようは例外的な特殊な信託契約は引き受けていないということになります。
オリックス銀行の信託口口座の特徴③
オリックス銀行は、遺留分を侵害している信託契約についても引き受けない傾向があります。信託契約が遺留分を侵害できるのかについては争いがありますが、最近ではできないという見解が優勢のようです。ようは将来的に争いの種になりそうな契約は引き受けないというスタンスだということでしょう
オリックス銀行の信託口口座の特徴④
オリックス銀行は、信託契約書の中で後任受託者の取り決めを求めてきます。後任受託者とは、当初に定めた受託者が亡くなったりした場合に、前もって契約で後任の受託者を定めておくことを言います。契約が途中で宙に浮いてしまうことを防ぐ目的です。よって後任受託者の条項が無い信託契約は引き受けてもらえません。
オリックス銀行での信託口口座の開設
司法書士や弁護士に作成を依頼して、上記の特徴を踏まえて作られた信託契約書は、基本的には公証役場に行く前にオリックス銀行の事前審査に出します。理由は、公正証書にした後で事前審査が通らなかったら再び公証役場の費用がかかってしまうからです。
もちろん公証役場でストップしてしまうのも問題ですから、通常は公証人に事前に見せて(この段階では役場の費用は発生しません)OKをもらったものをオリックス銀行の事前審査に出します。事前審査が通ったら公証役場に当事者を連れて行って公正証書にするというステップになります。
公正証書が出来上がったら信託口口座の開設の申し込みをしてもらうことになります。この段階で事前審査は通っていますから手続はスムーズに進み信託口口座が開設されます。












