9月 14 2016
不動産を信託した場合の不動産取得税について(家族信託(民事信託)⑲)
不動産を信託した場合、受託者が名義人となりますが、受託者は形式的な名義人であり、経済的価値を有しないため不動産取得税は課税されません。
また、受益者についても、経済的価値は有するものの当該不動産の所有権を取得したわけではなく受益権を取得しているだけですので、やはり信託設定時に不動産取得税は課税されません。
この辺りは贈与税とは考え方が異なっています。ややこしいですね。
これは自益信託、他益信託いずれの場合も結論は同じです。
結果、不動産を信託した場合でも信託設定時には不動産取得税は課税されないということになります。
一方、信託が終了した時には、原則として、帰属権利者等に不動産取得税が課税されることになります。
ただし例外として、信託の終了時に、信託設定時の委託者がそのまま帰属権利者になる場合、または信託設定時の委託者の相続人が帰属権利者になる場合には不動産取得税は課税されません。
税金というのは、本当に複雑ですので、信託をするうえでは、事前によく準備をしなければなりません。
よく考えないで、詳しくない専門家にアドバイスを受けてしまったために、後々大きなトラブルになる事例も、見かけるようになりました。
信託自体は良い制度なのに、非常に残念に思います。
信託をお考えのみなさんは、法律に詳しい専門家と税金に詳しい専門家の両方ときちんと打ち合わせをしましょう。












