4月 10 2017
相続放棄の戸籍収集(相続放棄⑤)
相続放棄の戸籍収集は、簡単でしょうか。
それとも、大変なのでしょうか。
相続放棄の場合、単独で出来る手続なので、他の相続人が何人いるかは基本的に証明する必要がありません。
従って、不動産や預貯金の相続手続のようにすべての相続人を確定するだけの戸籍は必要とされません。
具体的には、被相続人の死亡の事実を証明する戸籍と、申述人(相続放棄をする人)が相続人の一人であることを証明すれば足ります。
ここまでなら、難しくなさそうですね。
第二・第三順位の相続放棄
ただし、第二順位(被相続人の両親・祖父母)、第三順位(被相続人の兄弟姉妹・甥姪)などの相続放棄の場合は、それほど簡単ではありません。
なぜなら、第二順位の場合は第一順位(子供・孫)の相続人がいない(あるいは相続放棄している)か、あるいは全員死亡していないと、そもそも相続人にはなりませんので、そのことを証明する必要があるからです。
少しややこしいですね。別の言い方をしましょう。
第一順位の人たちが確実にいない(あるいは相続放棄している)ことを証明しなければならない、ということです。
確実にいないことを証明する、ということはどういうことでしょうか。
この3パターンが考えられます。
これには、被相続人の出生から死亡までの全ての戸籍、更に既に亡くなった子どもがいる場合は、孫(亡くなった子どもの子)がいないことを証明するために、亡くなった子どもの出生から死亡までの全ての戸籍が必要となります。
注意が必要なのは、子どもが複数いるときです。
たとえば、裁判所に、3人の子どもの相続放棄が出されていたとしても、子は3人かどうかは、調べないとわからないのです。実は4人目が存在するかもしれません。子の数を確定する必要があるということです。
第三順位となると更に大変で、上記の戸籍に加えて第二順位の相続人がいないことも証明しなくてはなりません。
第一順位でも要求された事例
また、裁判所によっては、第一順位でも追加の戸籍を要求する場合もあります。
私が依頼を受けた事例で、お住まいは名古屋市ですが、亡くなった親が長崎県の方がいらっしゃいました。
相続放棄は、被相続人の住居のある裁判所に申述しますので、長崎の家庭裁判所に出すことになります。
そこで、長崎の家裁に出したところ、「当裁判所では、第一順位の場合でも、親と子が一緒の戸籍に入っていたときから現在までの戸籍を要求しています」と言われました。
この依頼人さんの場合、親も子も一緒の戸籍に入っていたのは長崎でも名古屋でもない別の県でした。
それから別々の戸籍に分かれてしまったので、双方ともたどっていくのは結構大変でした。
3カ月の期限がせまっていたので、専門家に依頼して良かったと言っていただけました。
このように裁判所によっては標準的な書類だけでなく、追加の書類を要求してくる場合もありますので注意が必要です。
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