10月 05 2023
陳述書による相続放棄 相続放棄⑲
死亡から3カ月を超えた相続放棄
被相続人の死亡から3カ月を超えてしまった場合、裁判所は簡単には相続放棄を認めてくれません。法律には「知った時から」と書かれていますが、いつ知ったのかを客観的に証明する必要が出てくるからです。
後から知らなかった借金の請求が来た場合
この時、後から知らなかった借金の請求が来た場合は、比較的証明がしやすいケースです。日付の入った借金の請求書が有力な証拠となるからです。
しかし、相続放棄したい理由が借金ではなく、例えば田舎の壊れかけた不動産を解体費用が売却価格を上回るから相続したくないという理由だったらどうでしょう。3ヶ月を超えてしまった場合、知った時を証明するのが難しいとは思いませんか。
知らせてくれた人の陳述書を提出する
このような事例で、被相続人の死亡を知らせてくれた人の陳述書を提出して、家庭裁判所の審査を通したことがあります。もちろん死亡を知らせてもらってから3ヶ月以内だったケースです(死亡日からは3カ月を過ぎていた)。
陳述書とは当事者または関係者が該当する事件について知っていることを書き記した書面のことです。法律専門家が関与している事件では、専門家が聞き取ってその内容を整理して記述するのが一般的です。
他に「知った時」を証明する証拠が無かったので、陳述書と言う証拠を使いました。しかし、陳述書は主観的なものなので、客観的な証拠に比べると弱い部分があります。正直、審査が通るかどうかは賭けでした。結果的に成功しましたが、もし客観的な証拠があるならば、そちらを優先して使うべきだと思います。
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