司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

12月 18 2020

アイ・アール債権回収の「債権譲渡通知書」 時効(79)

5:03 PM 時効

アコムの子会社であるアイ・アール債権回収から「債権譲渡通知書」というタイトルの書面が届くことがあります。内容は以下のとおりです。

アイ・アール債権回収の債権譲渡通知書の内容

  1. 譲渡人と譲受人
  2. まず右上に「譲渡人」「譲受人」が書かれています。譲渡人は前の債権者のことです。アイ・アール債権回収はアコムの子会社なので譲渡人はアコムとなっている場合が多いです。
    一方、譲受人はアイ・アール債権回収になっています。

  3. 本文
  4. 「譲渡人(アコム)から未払い債権を譲り受けて、今後はアイ・アール債権回収が債権者になります。今後の連絡や支払いはアイ・アール債権回収にしてください」という内容が書かれています。
    未払い債権を長期間放置すると、このように別の回収業者に債権が譲渡されて、債権者が変わっていくことが良くありますので注意しましょう。

  5. 譲渡債権の表示
  6. アコムから譲り受けた債権の具体的な内容が書かれています。例えば、「譲渡人が〇〇様と締結した〇年〇月〇日付金銭消費貸借契約に基づく残元金〇〇円及びこれに付従・随伴する一切の権利(〇年〇月〇日現在)」のような文章です。
    この文章から、契約日・残元金などの情報が分かります。
    しかし、最終貸付日や最終返済日は書かれていませんので、そこは記憶で判断することになります。

  7. 問い合わせ先
  8. 「譲渡債権の表示」の下にアイ・アール債権回収の問い合わせ先が書かれています。しかし、消滅時効の可能性があるなら問い合わせをしてはいけません。もし連絡をしてしまうと、不利なことを言わされて後で時効による解決が難しくなる恐れがあります。気を付けましょう。

  9. お支払指定口座
  10. 最後にアイ・アール債権回収の口座が書かれています。時効の可能性があるなら、もちろん払ってはいけません。例え少額でも払ってしまうと、時効が使えなくなる可能性が高いです。

    (司法書士からのコメント)
    もっと脅迫的で強い口調の文面であったり、あるいは減額などをちらつかせて電話に誘導したりする文面をたくさん見ているので、他の回収業者の書面に比べて全体として控えめで品の良い印象です。大手アコムの子会社だからでしょうか。
    でも書かれている内容は他の回収業者と同じなので、控えめな文面に安心して業者に先に電話をしないように注意しましょう。

アイ・アール債権回収から債権譲渡通知書が届いた時の解決法

最終の貸付日と返済日が書面からでは分からないので、記憶で判断しましょう。
5年以上借入や返済が無いならば消滅時効の可能性が高いです。時効ならば時効援用通知を送れば1円も払わずに解決します。アイ・アール債権回収に連絡する前に専門家に相談しましょう。

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