司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

6月 22 2021

アルファ債権回収の「不当請求」 時効(91)

3:14 PM 時効

アルファ債権回収とは、どんな会社か?

アルファ債権回収は新生銀行グループの債権回収会社です。従って、新生銀行カードローンや新生フィナンシャル(レイク)、新生パーソナルローン(シンキ)などから譲り受けた債権の請求が多いのが特徴です。
他にも奨学金の未払いの請求も多いです。日本学生支援機構(育英会)や千葉県・神奈川県などの奨学金の回収も行っています。

元の業者は、どこなのか?

アルファ債権回収に移る前の業者として、比較的多いのは以下の通りです。

  • 新生銀行
  • 新生フィナンシャル
  • 新生パーソナルローン
  • 日本学生支援機構(育英会)
  • アプラス
  • ニッセン・クレジットサービス
  • 静岡銀行
  • ※上記のうち、新生銀行グループまたは奨学金が特に多い印象を受けます。

    アルファ債権回収から届く督促状

    アルファ債権回収からは「督促状」というタイトルの書類が届くことが多いです。内容は以下の通りです。

    1. 本文(冒頭に以下のような文章が書かれています)
    2. 当社は下記「譲受債権の内容」のとおり、貴殿に対する債権を譲り受けました。つきましては、至急、下記「ご請求金額」を「ご返済金振込口座」へご送金いただきますようお願い申し上げます。なお、お支払いについてのご相談、本書面記載内容に関するお問い合わせ等につきましては、上記「担当部署」までご連絡ください

       

    3. ご請求内容
    4. 請求金額の合計と内訳が書かれています。
      内訳は、元金・遅延損害金・保留金となっています。
      保留金とはアルファ債権回収独特の表現で、未払いの遅延損害金を意味しているようです。(他の業者の請求で保留金と言う表現は、あまり見たことがありません)。他に約定弁済期日が書かれていることが多いようです。約定弁済期日は最後の返済日を表していると考えられます。

    5. 譲受債権の内容
    6. さすが新生銀行グループの業者だけあって、内容が詳しいので細かいことまで分かるようになっています。
      債権譲受日・契約番号・債権譲渡人・債権種類・損害金利率・譲受債権額などが書かれています。

    アルファ債権回収の消滅時効の確認

    時効期間が経過しているかどうかを判断するには、書面の「ご請求内容」という見出しを見つけてください。次に、「約定弁済期日」という欄に書かれている日付を確認してください。
    もし、この日付が5年以上前であれば消滅時効で解決できる可能性が高いです。アルファ債権回収に連絡する前に専門家に相談しましょう。
    ※ただし、奨学金の場合は時効期間が10年になりますので注意してください。

    消滅時効による解決法

    アルファ債権回収の請求は、長年未払いの状態で放置された債権が多いため、高額な遅延損害金が上乗せされて驚くような金額で請求されることも珍しくありません。
    例え時効期間が経過していても請求自体は違法ではないため、放置しても請求は止まりません。いずれ自宅を訪問されたり裁判を起こされる可能性もあります。これが刑事事件の時効とは異なるポイントです。

    ただし、法的に整った時効援用通知を専門家に出してもらえば、ほとんどのケースで請求が止まり、支払いを拒否できます。

    しかし、相手に連絡をして、安易な発言をすると後に時効を援用できなくなる場合があります。相手は債権回収のプロですから、個人での対応はリスクがあるので注意しましょう。

    アルファ債権回収と事故情報(ブラックリスト)について

    JICCやCICと言った信用情報機関に登録できるのは貸金業登録をしている会社ですが、アルファ債権回収は借金の回収をおこなう債権回収会社なので、信用情報機関に登録できるような貸金業者ではありません。

    従って債権がアルファ債権回収に譲渡されている場合は、債権が譲渡されてから1年~5年で事故情報は抹消される取り扱いになっているようです。
    よって、債権がアルファ債権回収に譲渡されてから5年以上経過しているような場合は、アルファ債権回収が借金の請求をしていたとしても、信用情報機関には事故情報(ブラックリスト)が載っていない可能性があります。

    なお、奨学金の場合には以前は延滞をしても事故情報が掲載されることはありませんでしたが、日本学生支援機構については、平成21年度以降に貸与を受けた奨学金については、全国銀行協会の信用情報機関に登録される運用に変更されていますので注意しましょう。

    消滅時効について、より詳しい情報が知りたい場合は以下をクリック

    消滅時効