10月 13 2010
臨時ニュース 武富士 その後
主要消費者金融武富士の事実上の倒産で、激震が走った貸金業界ですが、やはり相当な影響を各方面に与えたようです。
まずは武富士自身に関することでは、過払金の訴訟が全国的に中断しました。武富士が申請した会社更生法の規定によれば、更正開始決定後は訴訟が中断することになっています。要は過払金の請求は全て会社更生の手続に沿って処理されることになるため、抜け駆けで回収することは出来なくなる訳です。前回のブログにも書きましたが、現在請求されている全ての過払金に対して一律のカットがされることになります。
しかし、カットされても回収できれば、まだマシな方で、債権届出期間に過払金の請求を武富士にしないと、そもそも1円も支払ってもらえない可能性も出てきました。こんなことにならないように武富士と5年以上の取引がある人は、とにかく取引履歴の請求をして、過払いが判明したら必ず請求するようにしましょう。債権届出期間は武富士の担当者の話によると、11月下旬から3ヶ月間くらいではないかと言ってました。もちろん、この期間は、まだ確定ではありません。しかし、早く届けるに越したことはありません。
ところで、武富士の影響は、むしろ他の貸金業者に波及していることが深刻な問題となっています。
武富士ほどの大企業が倒産したことによって、他の業者も一気に守りの姿勢に入って、今までよりも過払金の支払いに対して厳しい態度を取るようになっています。
例えば、アコムなどは今までは長くても半年以内に一括で支払っていましたが、最近では8ヶ月後、10ヶ月後などに延長してきています。それ以上、早く支払うように交渉すると、「それなら分割払いで、お願いします」、と言い出す始末です(今までアコムは過払金の支払で分割と言ってきたことはありませんでした)。
アコムのような銀行系の業者ですら、そんな態度ですから、次の倒産候補であるアイフルに至っては、もっと厳しい態度に変化しています。今や過払元金の3割で和解してくれと言ってきます。今までは少なくとも元金の55%と言っていたのが、更に下がった訳です。
アイフルに関しては、今後は難しい判断になってくるでしょう。正直、いつ倒れるか分からない状況ですから、どこまで請求していくべきかは悩ましい状態が続くと思われます。
他の消費者金融にも影響は必ず出てくるでしょう。従って、せっかく、最近の状況として書いてきたシリーズですが、武富士の倒産をきっかけにして業界を取り巻く状況は、再び、がらりと変わったと言って良いと思います。今後は今まで通用していたことが通用しなくなるようなことが頻繁に起こってくるでしょう。落ち着くまでには、しばらくかかると思われます。また、落ち着いた頃を見計らって、このブログで状況を発表していきたいと思います。









