3月 16 2011
クレジットのマンスリークリア(前編)
クレジットカードのキャッシングには2種類の方法があります。(カードによっては1種類しかないものもあります)
一つは、リボルビングと言い、消費者金融と同じ方法です。一定の限度額を設けて、その限度額内ならば、いつでも借入が可能で、それに対して返済は最低弁済額を超えていれば少額でも構わないというものです。
この方法は一見、便利で借りやすいように見えますが、実は借金の総額が、なかなか減らないという重大な欠点をもっています。しかも、返済額が少額なので気付きにくいのですが、利息は借金の総額に対してかかっているので、実は非常に高い利息を支払っていることに気付きにくいのです。
「高い利息を払っていることに気付きにくい」ということは貸金業者にとっては誠に都合が良い訳で、だからこそ消費者金融などは、ほとんどの業者がリボルビングを採用している訳です。これは裏を返せば借りる側は非常に損をしているということになります。(ほとんどの人は、最も損をする借り方であることに気付きません)
一方、クレジットもリボルビング方式は主流です(理由は儲かるからです)。しかし、クレジットの場合は、もう一つマンスリークリアという借入方式を選べるカードがあります。多くは銀行系などの審査が厳しめなカードが多いようです。この方式は、まとまった金額を一度に借りて、翌月には一月分の利息を付けて全額返済するという方法です。
意外なことに、マンスリークリア方式の方が利率が高いことが多いのです(私は、これはリボルビングに借り手を誘導する為の業者の作戦ではないかと思っています)。従って、目先の利率に惑わされてしまう人も多勢いて、利率が低いからリボルビングを選んでしまうことが良くあります。ところが、ここに落とし穴があるのです。
リボルビングは高い限度額が長期間ずっと維持されますので(長いときは10年以上)、トータルでは非常に高い利息を支払っています(だからこそ過払請求が起こっている訳です)。ところが、マンスリークリアの場合は短期間に精算が済んでしまいますので、実際にはリボルビングほど多くの利息を支払っていません。10年間マンスリークリアを繰り返した人と、リボルビングで借り続けた人を比較してみれば、利息の金額の差は一目瞭然の結果になるでしょう。(もちろんリボルビングの方が高くなります)
それが証拠にクレジット会社はキャッシングのリボルビングキャンペーンや、あとからリボルビングに変更できるプランを盛んに用意しています。何故、彼らがリボルビングを、こんなに勧めるのか、答えはリボルビングがクレジットに大きな利益をもたらすからです。
逆の見方をすれば、リボルビングを良く使う人はクレジットを儲けさせていることになります。どうでしょう。リボルビングを使っている人は、だんだん悔しくなってきたのではないでしょうか。
なかには、そのことに気付いて、リボルビングでは借金は一向に減らないし、いつまで経っても利息ばかり支払っている、これからはマンスリークリアにしようと考える人もいます。
この考え方自体は間違ってはいません。借り手が少しでも利息を減らそうと考えるのは自然で合理的な行動です。むしろリボルビングの罠に良く気がついたと言うべきでしょう。ところが、なかには複数のマンスリークリアを綱渡りのように融通しあって毎月大きなお金が動くようになってしまう人もいます。そうなると、翌月一括払いなので、ほんの少し計算が狂っただけで破綻に追い込まれることもあるのです。
次回はマンスリークリアを利用して破綻した場合の債務整理についてです。









