司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

5月 24 2011

ヴァラモスの支払い

3:19 PM 過払金請求

 ヴァラモス(旧トライト)の過払金の支払いに関して興味深い事がありましたので、取り上げたいと思います。

 ヴァラモスはトライトから商号が変更してから著しく過払金の支払いが悪くなり、任意請求はもちろんのこと、訴訟をしても元金の1割から2割程度しか和解金額の提示が無いという、非常に支払情況の悪い業者として有名になっていました。このブログでも過去に何度か取り上げて非難しております。

ところが、ヴァラモスの和解提案を拒否して、簡易裁判所で勝訴判決を取ったところ、驚くような事件がありました。以下に詳しい説明をしましょう。

まず、判決書が届いて2週間が過ぎると確定します。確定とは相手方の控訴(もう一度、裁判をすること)が出来なくなり裁判が終了することです。とりあえずヴァラモスは控訴して再び争うことはしてこなかったようです。もっとも取引の途中分断があるような場合は控訴してくる可能性はありますので断定は出来ません。

確定してから、しばらくするとヴァラモスから電話があり、少し金額がアップして3割程度の金額が提示されました。勝訴判決を取っても、この程度の金額しか提示してこないのです。これを拒否して、「そんな金額は呑めないから、近いうちに差押えを実行します」と回答しました。

そうすると何と驚いたことに、回答してから1週間程度で事前通知は一切なしで、依頼者本人の元に郵便為替で過払金満額が送られてきたのです。表示金額は判決金額に更に遅延利息まで追加されたものでした。当然、依頼者は大喜びです。

一部の貸金業者が事前通知無しで本人宛に振込みや為替送付を行っているという情報は得ていましたが、実際に目の当たりにすると、やはりびっくりします。私の場合は、そういう話を耳にしていましたので、一応、依頼者に「突然、入金されたり、郵便為替が送られてくるケースもあるようなので注意だけはしておいて下さい」と伝えておいたので、あまり混乱は起きませんでしたが、こういう情報が全く無い状態で受け取ったら相当あわてたのではないでしょうか。

事前通知はありませんが事後報告はありました。ヴァラモスから手紙で本人宛に郵便為替を送った旨と金額が書かれたものが送られてきました。わざわざ事後に送ってくるところが嫌がらせの匂いを感じてしまいます。もっとも、結果的には満額プラスアルファーを回収しているので良いと言えば良いのですが。

ヴァラモスが常に、このような処理をしているのかどうかまでは断言できません。また、いつから、このような処理をするようになったのかも、はっきりとはしません。ただ、ここで言いたいのは、少なくとも今後は、こういう処理をしてくる可能性がある以上、ヴァラモスに関しては必ず判決を取って差押えまで実行することが必要だろうと言うことです。

 最近の貸金業者は経営状態によって態度をめまぐるしく変えてきますので、このやり方が、いつまで続くのかは分かりません。半年後には同じことをしても満額払わなくなっているかもしれません。これからヴァラモスへの過払請求を考えている人は余り過度な期待をし過ぎないようにして下さい。だからと言って確実な変化の情報が出回るまでは、安易に低額で和解することは避けた方が賢明でしょう。