11月 21 2011
裁判所の特徴⑥ 名古屋地方裁判所民事第2部
前に名古屋地方裁判所は、いくつかの部に分かれているという話をしました。しかし今回、取り上げる民事第2部は他の部とは明らかに異なっています。それで単独でタイトルをつけて説明することにしました。
民事第2部は別名、民事執行部とも言います。他の民事部は訴訟を担当する部なので裁判官の考え方のクセのようなもので多少の違いはありますが、やっていることは訴訟の進行ということで共通しています。ところが、民事第2部に関しては、そもそも訴訟を取り扱っていないのです。
第2部で扱っているのは、強制執行に関する業務(差押のことです)と、あとは破産や民事再生に関する業務です。従って、債務整理に関わっている司法書士にとって民事第2部は非常に良く訪れる場所だということになります。
そして、民事第2部は、他の民事部とは建物自体が別棟になっています。これは、全く系統の違う仕事をしているのが一つの理由で、あとは他の民事部よりも取り扱っている事務の量が膨大であることも理由になっているでしょう。(職員も多勢います)
私の知る限りでは東京地裁と大阪地裁も同じように民事執行部が独立して他の建物になっています。名古屋は同じ敷地内の別棟ですが、東京や大阪は全く別の住所の建物に入っています。従って、東京や大阪で破産や差押の書類を持って、地方裁判所を探して行ってみたら、全然別の場所を指示されたということがありうる訳です。(もちろん、きちんと検索すれば、ちゃんとホームページに載っていますが、最初から同じ場所にあると思い込んでしまう人も当然いるでしょう)
ただ、名古屋でも建物が独立して別になっているのは本庁だけです。支部になると訴訟と同じ建物の中にあるのが普通です。
本庁の第2部の建物の最上階に破産係と再生係が入っています。仕切りを一つ挟んでいるだけなのですが、驚くほど交流がありません。情報交換のようなことも、ほとんど行われていないようです。
ですから似たようなケースでありながら破産係と再生係で取り扱いが違ったりします。(例えば、賃貸住宅の敷金が破産係では財産には含まれないのに、再生係では財産に含まれるとか) この辺りが、いかにも役所の縦割りという感じで、融通が利かないなあと思います。









