司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

1月 10 2025

トラスト弁護士法人と株式会社ギルド 時効(139)

4:15 PM 時効

トラスト弁護士法人が差出人のギルドの請求書

昨年あたりからだと思いますが、ギルドの請求書類がトラスト弁護士法人という差出人で送られてくる事例が見られるようになりました。今までは無かったパターンなので驚いている方もいるかと思います。

トラスト弁護士法人はギルドの代理人なのか

通常は、弁護士事務所が貸金業者の請求をしてくる時は代理人になっていることが圧倒的に多いです。弁護士が代理人になった場合、交渉の窓口は弁護士事務所になり、連絡も全て弁護士事務所にしなくてはなりません。

ところがトラスト弁護士法人が送ってくるギルドの請求書には、「ご相談・お問合せ先」としてギルドのコールセンターの電話番号が記載されているのです。最初に見た時は「これは一体どうなっているのだ」と正直思いました。

トラスト弁護士法人はギルドの請求通知を代わりに出しているだけ

そこでトラスト弁護士法人に直接電話をして聞いてみました。すると、「トラスト弁護士法人はギルドの請求通知を送る業務を代行しているだけで、交渉の窓口になっている訳ではありません。ですからお問い合わせはギルドに対してしてください。司法書士の先生が通知を送る場合もギルドの住所に送ってください」という回答が返ってきました。

この回答には正直驚きました。ただ請求通知を送るためだけに弁護士に依頼するというパターンは他の業者も含めて聞いたことが無かったからです。弁護士に依頼するからには当然費用もかかるでしょうから、なんでそんなことをわざわざ弁護士に頼むのか不思議ですね。

トラスト弁護士法人から届く請求通知のタイトルと表現

トラスト弁護士法人から届く最初の請求通知は「受任通知書」となっています。

実はこのタイトルは正確ではありません。受任通知書は、司法書士や弁護士が交渉の代理人になったので、今後は本人(今回の場合はギルド)ではなく司法書士や弁護士に連絡してくるようにと通知する文書のことです。

しかし実際にはトラスト弁護士法人は交渉の窓口にはなっていないので、受任通知書というタイトルは変えた方が良いのではないかと個人的には思いますね。

あと、文面の中に「未払い金の債権管理にかかる業務の委託を受けました」という文言がありますが、これも交渉の窓口になっているように読めますので誤解が生じやすい表現だと思います。

トラスト弁護士法人の受任通知書の内容

トラスト弁護士法人の受任通知書は、ギルドが送ってくる「返済相談通知」よりも情報が不足しています。非常に限られた情報しか記載されていないのです。「元金・未収金・利息損害金・合計」ぐらいしか書かれていません。ギルドの返済相談通知ならば契約日や最終貸付日や約定返済日などが書かれていることが多いので、その差は歴然です。

弁護士に依頼しておいて、もともと出していた通知よりも情報が少ないのですから、ますます不思議です。これは推測ですが、弁護士を差出人にして情報を少なくしておけば電話をかけてくる債務者が増えるだろうという読みなのかもしれません。

トラスト弁護士法人から受任通知書が届いた時の対処法

トラスト弁護士法人から受任通知書が届いても、トラスト弁護士法人は通知書の代行をしているだけで交渉の窓口になっている訳ではありません。ですから今までのギルドの通知書と同じと考えるべきです。

残念ながら書かれている情報が少ないので書類からは最終返済日は分かりませんが、ご自身の記憶で5年以上返済をしていないのであれば時効で解決できる可能性が高いです。当てはまる場合は時効に詳しい専門家に相談しましょう。

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