司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

1月 23 2012

保証委託契約の保証人

7:33 PM 自己破産

ローンが払えなくなった時、「保証人に請求がいくのは困る」と考える人は多いと思います。しかし、ローン契約書に保証人の記載が無いと、ほとんどの人は安心してしまうのではないでしょうか。ところが、そういう場合にも思わぬ落とし穴がある時があります。それが本日のテーマ、保証委託契約の保証人です。

保証委託契約とは借主と保証人(保証会社であることが多い)が結ぶ契約のことです。文字通り、借主が保証人(保証会社)に対して保証してくれることを頼む契約です。

それに対して、良く知られる保証契約とは貸主と保証人が結ぶ契約なのです。借主は実は保証契約の当事者ではありません。一般的には借主から頼まれて保証人になることが多いので、多くの人は借主が保証契約の当事者だと勘違いしている場合が多いようです。

保証人が個人の場合は、保証契約のみのケースが多いと思います。一方、住宅ローンが代表ですが、高額で長期間のローンの場合は保証会社と借主が保証委託契約を結ぶことが一般的になっています。

実は、ここが問題なのですが、大元のローン契約自体に保証人がついていないにもかかわらず、保証委託契約に保証人がついている場合があるのです。

この場合、ローン契約書を眺めていても絶対に分かりません(ローン契約書には保証会社のことしか書かれていません)。しかも、保証委託契約による保証人への請求は、前回に説明した保証会社への代位弁済が行われた後でなければ起こりません。例え滞納していたとしても、代位弁済が行われる前の段階では銀行は保証人へ請求してきませんから(ローン契約に保証人が設定されていない以上、当然ですが)全く気が付かない訳です。(住宅ローンの場合、約6ヶ月間の滞納で保証会社へ代位弁済されるケースが多いようです)

このことから、住宅ローンが払えずに自己破産に踏み切った人が、しばらくして保証会社に代位弁済がなされ、その後、保証人に請求されてびっくりするということが起こりうる訳です。

従って、自分のローンに保証委託契約が付いているかどうか、付いていたら保証委託契約に保証人が付いているかどうかを、まず確かめることが重要だと言えるでしょう。