司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

7月 05 2012

認知症や後遺症のある人の債務整理

高齢化社会をむかえて認知症の問題も最近では良く聞くようになりました。あるいは、意識ははっきりしていても、脳卒中。脳梗塞などの後遺症で話すことや字を書くことが困難になっている高齢者も多く存在すると思います(先日、事務所にも、このような相談がありました)。

このような認知症や後遺症の高齢者が借金があった場合は、債務整理はどうなるのかという質問は結構多いのです。確かに、認知症の場合は本人の意思確認ができませんし、後遺症で話せないし字も書けないという場合は意識があっても委任状をもらうことができません。

では、あきらめなくてはならないのかと言うと、成年後見という方法があります。最近マスコミなどでも取り上げられるようになってきましたので、言葉は聞いたことがあるという人もいるでしょう。

成年後見とは上記のような自分で意思表示が出来ない人に代わって裁判所が後見人という人を選任して、その人が代理人となって本人の意思表示をするという制度です。後見人には家族がなっているケースも多く見られます。

裁判所が後見人を決めれば、後見人によって債務整理をすすめていくことが可能になります。特に、この制度が効果的なのが、意思表示の出来ない高齢者が長期間の取引を消費者金融やクレジットからしていて、過払金の発生の可能性が高い時です。

後見人が本人に代わって過払金の請求が出来るようになりますので、本人の治療代や入院費などの負担で大変な家族には非常にありがたいことでしょう。もし、当てはまる人がいたら、検討してみる価値は充分にあると思います。