10月 03 2012
生活保護と自己破産
長引く不況のため、生活保護の申請をする人が増えています。最近、何かとマスコミで話題になっている生活保護ですが、もちろん、不正受給は非難されて当然です。これについては厳しく取り締まる必要があるでしょう。
しかし、一方で本当に必要な人には、きちんと受けられるようにするのも重要なことです。ようはバランスの問題ですね。「生活保護など無くしてしまえ」というのも極端で間違っていると思いますが、逆に、「審査を甘くして、片っ端から通してしまえ」というのも同じように極端で国民の理解を得られないでしょう。
ここでは借金と生活保護の関係について説明してみたいと思います。結構、知られていないのですが、借金をかかえていると生活保護が受けられないのです。これは、明確な理由があって、生活保護は、あくまで本人の生活のためにつかってもらう費用なので、借金の返済にあてることは禁じられているのです。
まあ、考えてみると、借金の返済とは金融機関に、お金が移転することですから、せっかく、生活保護を与えても、それが右から左へ金融機関に払われてしまったら、何のために国家は生活保護を払っているのか分からなくなってしまいます。この点は、ご理解頂けるのではないでしょうか。
では、借金がある生活困窮者は、どうすれば良いのかというと、債務整理をすることになります。実際に、役所の窓口では、申請に来た人に借金があると、法律家に頼んで債務整理をしてもらって下さい、と言います。まずは借金を無くしてから、改めて申請に来て下さいということです。
この場合の債務整理とは、完全に借金が無くなるような整理のことを指します。従って、多くの場合は自己破産になるでしょう。もちろん、過払金が発生していた場合も借金は無くなりますが、この場合は、新たに過払金が返ってくるので、生活保護を受ける必要がなくなる可能性があります。
このように生活保護と自己破産というのは、結構、切っても切れない関係にあるのです。









