司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

12月 13 2012

過払金返還請求への道②

7:37 PM 過払金請求

前回の続きで、②「広告では違法利息だと言ってるけど、自分は困っている時に借りたので、今さら返してなんて悪い気がする」という気持ちがあるため、過払請求をためらっている人についての話です。

いかにも心優しく真面目な日本人に、ありがちな話で、私も電話口で、このようなことを言われたことがあります。普段の生活で正直で真面目なことは確かに良いことです。きっと、とても人当たりのいい、良い人なんでしょう。

しかし、ものは考えようです。違法利息というのは誰かが勝手に言い出したことではなく、最高裁判所が認めているわけです。ということは、そもそも消費者金融やクレジット会社は不当な利益を得ていたことになります。困っている時に借りた人にとっては神様のように見えたかもしれませんが、実は貸金業者は親切で貸した訳ではありません。貸すことによって、違法利息も含めた大きな利益が得られることが分かっているからこそ貸したのです。

その証拠に、貸金業法が改正されて利率が下がったら途端に貸し渋りが起きています。現在は、新規に貸してくれと頼んでも断られるケースが増えています。彼等もビジネスですから、利益が出ないと分かったら、そう簡単には貸さないのです。

この事実を知れば、貸金業者に過払請求をすることに遠慮はいらないことに気付いてもらえるのではないでしょうか。彼らは、あなたが困っているから貸したのではありません(もちろん、口では困っているから貸したようなことを言うかもしれませんが)。この先、何年間も高い利息を支払い続けてくれることを期待して貸したのです。その結果として過払金が発生しているにすぎません。

ですから、過払請求をためらう必要は無いのです。貸金業者は違法利息であることを隠して、あなたからの支払いを受け取り続けてきたのです。ただ、それを返して欲しいと言っているだけなのですから。

真面目なのは確かに素晴らしいことですが、度を越えると、「お人よし」になってしまいます。不当な行いをしている業者に対して、こらしめるというのも真面目さの一つだと思います。過払請求をしないというのは、業者の不当な行いを認めてしまったことにならないでしょうか。これが私の答えです。皆さんは、どう思われるでしょうか。

次回は③についてです。