8月 09 2013
更新の無い賃貸借契約とは?
通常の賃貸借契約の場合、当初の契約期間が終了しても、借主が更新を望んだ場合は、正当な理由が無い限り貸主は拒否できないのが一般的な取り扱いです。
では、例えば、マンションのオーナーが転勤になって、家族全員が引越している間に部屋を誰かに貸していたとしましょう(このようなケースは良くあります)。転勤期間が3年と決まっていたとして、3年後には戻ってきて部屋を使いたい場合は、どうしたら良いのでしょうか。
こういう時に利用されるのが、「定期建物賃貸借」という契約です。これは通常の賃貸借契約とは次に示す点で大きく異なっています。
それは、「契約期間が固定されていて、契約の更新が無い」という点です。
例えば、定期建物賃貸借契約で3年契約となっていたら、3年経ったら借主の意志とは無関係に契約が終了します。前述の転勤したオーナーの場合も、安心して戻ってこれます。ただし、以下の点には注意が必要です。
一つは、貸主は、借主に対して、あらかじめ契約期間の更新がなく、期間の満了によって契約が終了することを書面を交付して説明する必要があります。
そして二つ目は、契約期間が1年間以上の場合、貸主は借主に対し、期間満了の1年前から6か月前までの間に期間満了によって契約終了する旨の通知をする必要があります。
上記2点の注意事項を守れば、固定期間の賃貸借を望む大家さんにとっては非常にメリットのある契約です。
また、定期建物賃貸借契約は公正証書により締結しなければならないと考えられている大家さんがいますが、それは間違いです。法律の条文では「公正証書等の書類」と書かれていますので、一般の契約書でも締結は可能です。公正証書だと費用がかかるからと、二の足を踏んでいた大家さんは、もう一度検討してみて下さい。









