司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

8月 21 2013

入社の時に残業代は出ないと言われた場合

「ウチの会社は残業代は出ないから、勤めるならそのつもりで」とか、「この業界では残業代は出ないのが常識だから、他の社員も了解してることだから」などの理由でサービス残業が当たり前になっている会社は少なくないようです。

入社の時に確認されていて、本人も「抗議したら就職できないんじゃないか」と思って、その場では同意していたりするので、余計に後から残業代の請求がしにくくなってしまいます。

こういうケースで本人から言い出すのは、かなり勇気のいることでしょう。頑張って主張したとしても、「お前は面接の時に了解しただろう」と言い返されてしまい、たいした反論もできずに終わることになるでしょう。

法律では、事前に、会社による残業代をカットする取り決めは無効とされています。従って、たとえ了解していたとしても残業代は請求できます。残業代の支払いは会社の法的義務なのです。

このような会社の場合、そもそも会社の体制が法律に違反していることになりますので、当事務所が介入した場合は、その辺りを指摘して会社から残業代を回収していくことになるでしょう。

この事例の場合、そもそも違法行為であることを自覚していなくて、ただ業界の慣習に任せてやっているというケースもとても多いのが特徴です。こうなると、まずは違法行為であることを認識してもらうところから始まりますので、説得もなかなか大変です。今までずっと同じやり方でやってきたわけですから、素人からの説明では、なかなか納得しないでしょう。こういう時こそ法律専門家に相談しましょう。