12月 17 2008
シリーズ 各業者の対応⑪
今回は、オリエントコーポレーションとセントラルファイナンスについて取り上げます。
まず、オリエントコーポレーション(以下、オリコと呼ぶ)については、業務の範囲が非常に広く、様々な種類のカードを発行しており、カード以外にも様々な商品を持っていることが上げられます。
例えば、通常のカードとは別にアメニティと呼ばれるキャッシング専用のカードがあったり、自動車ローンや契約書型クレジット(商品を購入する際に、1回ごとに契約書を書いて、その都度審査をする個別のクレジット契約のこと)も手広く取り扱っています。
従って、クレジットがらみの債務整理をすると、かなりの確率でオリコが入ってくることになります。まあ、債務整理の常連といったところです。
この業者は最近でこそ改善されましたが、以前はかなり問題のある業者でした。最も問題になっていたのは取引履歴を正直に出してこないことでした。要するに、ごまかしていたのです。
具体的に説明すると、過払いが見込まれる長期の取引の場合、必ずと言って良いほど、取引当初1年くらいの返済額が極端に少ない金額になっていたのです。
オリコに問いただすと、取引当初は債務者が実際に支払った金額ではなく、別の基準で計算された金額を記載していたと言います。だから、ごまかしではないと主張してきますが、はっきり言って、この主張は無理があります。
何故なら、取引履歴のどこにも、上記の説明が書かれていないからです。これでは、気がつかなかった法律家は、最初から実際に支払った金額として計算してしまいます。(事実、そのようなケースは珍しくなかったと思われます)
私は、疑い深い性格なので、依頼者から引落口座の通帳を借りて、オリコの取引履歴の返済額と実際に引き落とされた金額をつき合わせてみて発見したのです。(こういう調査をしていなかった弁護士や司法書士は少なからずいたと思います。)
後に問題となり、最近では、取引当初の計算の基準が分かるような形で取引履歴が送られてくるようになりました。まあ進歩と言えるでしょう。ただ、私としては、「最初から実際に支払った金額で全て記載してこいよ」、と言いたい気分です。
もう一つ、中部地方で勢力を持っているクレジット会社のセントラルファイナンス(以下、CFと呼ぶ)についてですが、ここもオリコと同じ問題を抱えていました。要するに取引履歴のごまかしをやっていたのです。
まあ、オリコと同じようにCF自身は、「当社独自の計算基準であり、ごまかしではない」と言ってます。しかし、それならば取引履歴と一緒に実際の支払金額とは違うという注意書きや、独自の計算方法について書かれた書面があってしかるべきだと思いますが、残念ながら、そんな注意書きや書面は入っていませんでした。(よほど非難があったのか、途中から計算方法の書面は入るようになったと記憶しています)
CFの場合も、私は依頼者の通帳を調べていて気がついたのですが、こういう作業を全ての弁護士や司法書士がやっていたかどうかは非常に疑問です。ごまかしに気がつかなかったケースも多いのではないでしょうか。
CFに関しても、最近では普通の取引履歴を送ってくるようになりましたので改善されたと言って良いでしょう。改善の度合いはオリコよりも評価できると思います。まあ、当たり前のことをしているだけなので評価するというのも、おかしな話ですが。
私が債務整理の仕事をしてきて、取引履歴のごまかしという点では最もひどかったのが、今回取り上げたオリコとCFです。ようやく最近まともになりましたが、以前はひどいものでした。
このような経験があるので、私はクレジット会社の印象が良くないのです。
では、次回はライフカードについて取り上げます。









