司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

3月 29 2017

本当はもっと高い賃金の単価  残業代請求⑮ 

残業代請求をする場合、まずは賃金の単価を計算する必要があります。1時間当たりの単価に残業時間をかけて1.25倍したものが残業代となるからです。(正確には、深夜や休日などは倍率が異なりますので、もう少し複雑です)

しかし、相談者が最初に予想してきた金額を見ると、ほとんどの場合、この単価を安く見積もっています。会社が出してきた残業代計算の単価を使っていることが多いからです。

残業代計算をする時の賃金単価のことを専門用語で「算定基礎賃金」と言います。算定基礎賃金は労働基準法で計算の仕方が厳格に決まっています。しかし、ほとんどの会社では(特に中小企業では)、算定基礎賃金の計算が間違っています。残業代を安くするために、わざと間違えているのか、それとも正しい計算の仕方を知らないのかは分かりません。

従って、私の経験では、相談者が当初に予想した残業代よりも、事務所で計算した方が高くなるケースがほとんどです。それはそうでしょう。残業時間にかける金額が高くなったら、当然、計算結果も高くなりますから。

会社の提示した単価で残業代計算をして、自分で請求しようとしている人は、請求金額が実際よりも少なくなり損をしている可能性があります。私の取り扱った事例の中には、相談時の本人の計算では63万円で、事務所で計算したら134万円になったケースが実際にありました。司法書士報酬を差し引いたとしても、大幅な増額になりますね。

実は、会社は、本人が直接に請求すると、多少の減額交渉をしますが、その後は意外と支払う場合が多いのです。これは、法律家から請求された場合に比べたら随分と安い請求だということが分かっているからではないかと、私は個人的に思っています。(下手に支払いを渋って、法律家に駆け込まれたら敵わない、それなら今のうちに支払って終わらせてしまおうと、思っているのではないでしょうか)

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