7月 07 2009
シリーズ 自己破産⑩ 破産申立その後(中半)
さて、前回からの続きです。
破産申立後の審査の結果の二つ目は、追加書類の提出です。
このケースは実は最も多いパターンです。全体の6割~7割くらいを占めていると思われます。良く追加書類の提出を命じられて不安になる人がいますが、心配することはありません。命じられる確率の方が高いのですから。しかも、このケースでは、きちんと追加書類を提出できれば、その後すんなりと開始決定が出る場合がほとんどなのです。
では、具体的に、どのような追加書類の提出を命じられるかと言うと、実は裁判官によって様々なので特定するのは難しいのです。また、同じ裁判官であっても、いつも同じものを要求するとは限りませんので、こればかりは審査結果が送られてからでないと分からないというのが正直なところです。
それでも、比較的に確率が高いものをあげると反省文になります。これは債務者の直筆が条件になっていますので、司法書士が代筆することは出来ません。こればかりは債務者に書いてもらうより仕方がありません。(そもそも反省文を他人が書いたら反省にならないですから)。
内容は何故、今回、破産しなければならないほどの借金を背負ってしまったかを振り返って、今後、同じことにならないように何に気をつけていくかなどを書いてもらうことになります。あまり短いと印象が悪いので、A4なら3枚以上くらいは書いた方が良いというのが私の感想です。
次に審査結果の三つ目ですが、最初の段階から裁判所に債務者が呼び出された場合が、これに当たります。これを破産審問と呼びます。
こうなった場合、最も厳しい結果になったと考えて良いでしょう。
通常、破産(同時廃止)の場合は裁判所に債務者は最低1回行くことになります。免責審尋と呼ばれるものです。しかし、三つ目の審査結果になった場合は、破産審問と免責審尋の2回、裁判所に行くことになるのです。
これも全体の1割~2割の珍しいケースです。でも誤解しないで下さい。別に破産が出来なくなる訳ではありません。裁判所は基本的には出来る限り破産は認める方向で審査をしますので、破産審問で裁判官が納得すれば、開始決定は出してくれます。破産審問は裁判官との1対1の面談なので債務者がドキドキするのは仕方がありませんが、極度に悲観的になる必要はありません。
以上、申立後は3つのパターンがあることを説明しました。どのパターンになっても、クリアした後は破産開始決定というものが出されます。これで破産の第一段階が終了したことになります。しかし、まだ終わりではありません。
前回も話しましたが、開始決定は「支払うべき財産が無い」ということを裁判所が認めてくれた段階です。まだ、借金の支払義務は残っています。
では、次回は開始決定の後の流れについて説明しましょう。









