司法書士ジャーナル
橋本司法書士事務所ブログ

7月 16 2009

シリーズ 自己破産⑪ 破産申立その後(後半)

4:30 PM 自己破産

 さて、今回は破産開始決定後の流れについて説明しましょう。

 開始決定が出ると開始決定書が郵送されてきます。この時、免責期日呼出状という書面が同封されています。免責期日とは、免責審尋が行われる期日のことです。

では、免責審尋とは何でしょうか。これは、債務者の借金を帳消しにしてもよいか(厳密には借金の支払義務を無くしてもよいか)を裁判所が判断する為に、債務者を裁判所に呼び出して面談することを言います。

こう言うと、前に出てきた、開始決定前に1割くらい呼ばれることがある破産審問と何が違うのかと思われる人もいるでしょう。

まず、破産審問は全員が呼ばれる訳ではありません。裁判官の任意です。しかし、名古屋の場合、免責審尋は破産を申し立てた人は全員が呼ばれます。(もちろん開始決定まで、たどり着けなかった人は呼ばれません。当然ですね)

あと、破産審問の場合、呼ばれた時は裁判官と1対1の面談になりますので、かなり緊張します。しかし、免責審尋は名古屋の場合は集団面談です。たいていは10人から20人が呼ばれています。従って、裁判官から質問されるのは、その中の数人です。質問の内容も、ごく簡単なことで終わってしまいます。免責審尋で返答に困ったケースを私は今のところ知りません。

要するに免責審尋とは出席さえすれば、ほとんど問題無い手続だということです。だからこそ、絶対に遅刻や欠席はしないようにしましょう。

 ちなみに人口の少ない地方の裁判所だと、免責審尋をやらない裁判所もあるようです。その代わり破産審問に呼ばれる場合もあるので、どちらが良いかは何とも言えません。(人口が少ないと裁判官が1対1の面談をやる余裕があるということなのでしょう) 

 免責審尋に、きちんと出席して、しばらくすると免責決定という書面が送られてきます。これが借金の支払義務を帳消しにしてくれる証明書です。これで事実上、破産手続は終了です。(これも厳密に言うと、法律上の終了は免責決定が確定してからになりますが、破産の場合、免責決定が出た後に文句を言ってくるケースは、まずありませんので、事実上、終了と考えて良いでしょう)

 これが同時廃止における破産手続の大体の流れです。管財事件の場合は、もっと複雑で期間も長くなります。

 さて、次回からは新シリーズとして過払金返還請求について説明していきましょう。