5月
10
2012
株式会社アオバという地場の街金融相手に過払金請求を行っています(ヤミ金融じゃありません)。典型的な小規模零細の街金融で、店頭窓口での貸し借りが主流の業態です。
ここが予想通り、過払金を全く払おうとしません。まあ、この手の小規模街金融の経営が、よろしくないことは、こちらも理解はしていますが、さすがに1円も払えないということはありえないでしょう。全く回収できないとなると、黙っている訳にはいかなくなります。
それで、店舗に対して動産執行を2回かけてみたところ、2回とも空振りに終わりました。それでもプレッシャーにはなっただろうと思って少しの支払いを期待したのですが、やはり全く払おうとしません。街金融、恐るべしという感じです。
いかにも、「やれるもんならやってみろ」と言わんばかりの開き直った態度に、私も腹が立って来て、ついに財産開示を申し立てました。これは以前にもブログで、ご紹介したとおりです、。(同業者でも、なかなか財産開示までやって請求する事務所は少ないと思います。相手も、びっくりしたでしょう)
もとより財産の開示など期待しておらず、あくまで過料の制裁を下してもらう為の手続です。過料の制裁は行政罰で、車の駐車違反の反則金のようなものと思えば分かりやすいでしょうか。ようするに前科にならない罰金のようなものです。
過料の制裁は裁判官の判断次第なので、財産開示を申し立てたからと言って必ず出される訳ではありません。開示期日の裁判官の態度を見て微妙だなと思っていましたが、先月、めでたく過料の制裁が決定したとの知らせを受けました。
これで、少しは懲りて支払う気になったかと期待したのですが、残念ながら私が甘かったようです。やっぱり支払ってきません。過料を支払うくらいなら、少し負けた金額を、こちらに支払った方がマシではないかと思ったのですが、どうも常識が通用しない相手のようです。それとも、国家の制裁である過料すら踏み倒すつもりなのでしょうか。
このまま諦めるのもしゃくなので、次は何をしてやろうかと考えているところです。
4月
27
2012
株式会社ヴァラモスが、また商号を変更しました。新しい商号は株式会社ギルドと言います。恐らく、ネオライングループではなくなったことが、きっかけだとは思いますが、それにして良く商号を変える会社です。
変更したのは商号だけではないようです。以前にブログに書きましたが、判決を取っても支払わない業者ではありましたが(その後、差押を通告すると支払ってきたことはありました)、少なくとも控訴はしてきませんでした(ひょっとして、控訴されている人もいたかもしれませんが、私は今まで無かったです)。
ところが、商号が変わってから会社の方針も変わったらしく、今回は、判決で勝った後に控訴してきました。それにしても一体、何を理由に控訴するつもりなのか理解に苦しみます(控訴理由書は、まだ送られてきていません)。争点になりそうなものは見当たらないので、まさに時間稼ぎとしか思えません。
裁判は、これからなので今後どういう態度に出るかは、まだ分かりません。支払がより悪くなっていないことを願いたいと思います。
2月
27
2009
本日はコーヒーブレイクと題して、債務整理以外の話をしたいと思います。と言っても日常のよもやま話を面白く表現するのは、あまり得意ではありませんので、債務整理以外の法律の話です。(あまりブレイクになってませんかね)
債務整理以外の裁判関係の依頼で比較的多いのが個人間の貸金請求事件です。今日は、これについて話しましょう。
個人の貸金請求では、請求する方(貸した方)も、請求された方(借りた方)も両方、経験があります。
借りた方の依頼の場合は、既に訴訟や差押などが起こっている場合がほとんどです。そもそも、借りた方は返さなければ損失は発生しませんから、訴訟でも起こされない限り法律家に頼もうとは考えない訳です。
訴訟が起こされているということは、相手方に契約書や借用書があると考えて良いでしょう。契約書や借用書が無くて訴訟を起こす人は相当に無茶だと言えます。下手をすると裁判所から架空請求と認定される恐れがあるからです。(もっとも借りた方が何の反論もしなければ、貸した方の言い分が認められてしまう可能性もありますが)
従って、借りた方の戦い方としては、借りた事実そのものを争うのは難しく(契約書に書かれていますから)、借りたけど既に返したとか、時効で払う必要は無いとか、で争うことになります。
それでも勝てそうにない時は、今、持ってないから負けてくれとか、分割にしてくれとか、言わば、法律とは関係ない、相手方にお願いする方法になってきます。(結構、有効な方法ですが、お願いが、いつも通用するとは限りません)
一方、貸した方の戦い方としては、まず契約書か借用書があるかどうかで大きく違ってきます。
契約書か借用書があれば、かなりの確率で勝つことが出来ます。問題は、勝った後、どうやって回収するかです。
一般の人は裁判に勝てば全て万事解決と思っている場合が多いのですが、実は裁判に勝っても素直に払ってくれる人は少数です。何故なら、それで払ってくれるような人だったら、そもそも裁判にはなっていないからです。
従って、相手方の財産に効率良く差押をかけることの方が、実際には大きな仕事になり、ここで空振りすれば、勝った裁判も水の泡となってしまいます。(このような事態を防ぐ為に裁判の前に仮差押えをしておく方法が良く使われます)
また、契約書や借用書が無い場合は、貸した方が圧倒的に不利です。借りた方に「借りてません」と言われてしまったら、契約の存在自体を証明しなければいけなくなるからです。
私はまだ、このパターンの依頼は受けたことがありませんが、かなり勝つのが難しくなるのは間違いないでしょう。
相手方が無関心で答弁書も出さず、訴訟にも欠席してくれたら勝つ可能性はあります。しかし、相手方に否定された状態で、貸金の約束があったことや、相手方が金を受け取ったことを証明するのは至難の業だと思います。(ちなみに、上に挙げた二つが貸金契約の存在の証明になります)
さて、今回は債務整理以外の話を取り上げてみました。たまには、こういう話題も混ぜていきたいと思います。