11月
21
2008
さて、前回まで主要な消費者金融について話をしてきました。今回からはちょっと角度を変えて、クレジット会社について取り上げたいと思います。
恐らく一般の人の感覚では、「消費者金融=悪」、「クレジット会社=善」というイメージがあるのではないでしょうか。実は、これが大きな落とし穴なのです。
クレジット会社には大きく分けて流通系、独立系、銀行系などがありますが、改正貸金業法以前は、流通系と独立系のほとんどのクレジット会社で違法利息を取ってキャッシングをしていました。つまり、消費者金融と何ら変わりはない訳です。
一方、銀行系ではキャッシングの種類に応じて利率を変えていました。具体的に説明すると、消費者金融と同じ形式であるリボルビングローンについては利息制限法以内の適法な利率を採用していますが、翌月一括払いのマンスリークリアと呼ばれるキャッシングについては利息制限法超過の違法利息を取っていました。このことについては意外に気付いていない人も多かったようです。(改正法が成立してから各社とも適法な利率に改めたようです)
従って、クレジット会社についても消費者金融と同じように、長期間の取引があれば借金が減る可能性が大いにあるのです。
では、クレジット会社には、どのような業者があるのでしょうか。私の事務所での取り扱いを基準に考えると代表的な業者は以下のようになります。(地域密着のクレジットもありますので、地域によって違いはあると思います)
流通系・独立系
オリエントコーポレーション・セントラルファイナンス・イオンクレジットサービス・オーエムシーカード・IYカードサービス・クオーク・UCS・クレディセゾン・セゾンファンデックス・丸井・ジャックス・オリックス・ライフ等
銀行系
三井住友ビザカード・三菱UFJニコス・アメリカンイクスプレス・ダイナース・シティカード・JCB・アプラス等
それぞれに特徴があるのですが、それについては次回以降に取り上げてみたいと思います。(数が多いので、複数の業者を取り上げる予定です)
11月
11
2008
今回はCFJを取り上げます。
この会社もGEコンシューマーと並ぶ、外資系の消費者金融です。CFJはシティ・フィナンシャル・ジャパンの頭文字を取ったもので、母体は世界的金融機関であるシティグループです。
この会社の成り立ちはGEよりも、やや複雑で、元々3社だった消費者金融が合併した上で、シティが吸収したのです。元々の3社は、ディック、アイク、ユニマットと呼ばれていました。3社とも、そこそこ有名だったので、ご記憶の方も多いのではないでしょうか。(その中でもユニマットは女性に特化した展開をしていましたので、女性には割と知られていたと思います)
この会社で特徴的なのは、過払いになった状態で司法書士が債務整理開始の通知を出すと、「お客様の債務は0円とさせて頂きます。近日中に契約書を返却させて頂きます。」という、お知らせが届くことです。(専門家に頼まずに本人が取引履歴を請求した場合にも、同じ知らせが来るのかどうかは確認したことが無いので分かりません。)
要するに、「本当は過払いで払い戻さなければならないけど、こういう通知を送れば、何人かは債務無しの0円で終わらせてくれるかも」ということを期待して、やっているのでしょう。
しかし、ひと昔前の過払請求がマイナーだった時代ならば、CFJの思惑通りに請求をしない専門家もいたかもしれませんが、今となっては無駄な通知だと思います。(それとも、田舎の方だとひょっとしたら、未だに過払いの請求をしない専門家がいるのでしょうか。CFJが、この通知を止める気配が無いのが不思議でしたが、そう考えると一応、つじつまは合います。あくまで私の予想ですが)
取引履歴の開示は、主要6社の中では遅いほうです。でも、債務整理に支障をきたすほどではありません。あくまで比較の問題です。履歴が開示されると同時に例の債務免除0円の通知が入っていると、過払いだということがすぐに分かります。ある意味、利息の引き直し計算をする前に過払いか、そうでないかが分かるので便利な部分もあります。
以前は古い取引は開示されないことが多かった業者ですが、最近は古くても開示されます。この点は改善されています。
過払いに関しては、払わないということは無いですが、かなりしつこく減額を要求してくるイメージがありますね。少しでも支払額を減らそうと言う意図が強いように見受けられます。しっかり取り戻そうと思ったら粘り強い交渉が必要かもしれません。ただ、業者側に勝ち目の無い取引の場合は、こちらが折れなければ、最終的には諦めて払ってきます。
ただ、ここも親会社のシティグループがアメリカのサブプライム問題で大幅な損失を出していますから、いつ身売りされるか分かりません。そうなった場合、今までとは対応が、ガラッと変わる可能性がありますので注意が必要です。
最後に分割交渉については、よほどの長期分割でもなければ、今のところ応じてくれます。ただし、これも会社の経営状態によって変わる可能性があります。
それでは次回は、クレジット会社について取り上げる予定です。どこを取り上げるかは検討中です。
11月
07
2008
今回はGEコンシューマー・ファイナンスを取り上げます。
この会社は外資系に吸収されるまでは、レイクという会社でした。コマーシャルなどでレイクの名前が浸透していたこともあって、外資になった後も商品名としてレイクを使っています。従って、利用している人も自分が借りている会社はレイクだと思っている場合も多いのではないでしょうか。
この会社を買収した外資系はGEと言います。ジェネラル・エレクトリックの頭文字を取ったものです。実は、この会社、かの有名なエジソンが作ったアメリカ最大の電気メーカーでした。年配の人はGEの冷蔵庫とか知っている人もいるのではないでしょうか。しかし、日本の電気メーカーとの競争に負けて、今では家電はほとんど作っていません。じゃあ何をやっているのかというと、金融業です。電気メーカーが金融業者になってしまったのです。(この辺がアメリカらしいと言えばアメリカらしい)
何故、アメリカの金融業者が日本の消費者金融を買ったのかというと、少し前まで日本の消費者金融が空前の利益を上げていたからです。しかしながら、違法金利が禁止されて以来、日本の消費者金融は利益を上げるビジネスではなくなってきました。さらに、アメリカ本国でサブプライムショックが起こりました。これで、今や日本の消費者金融部門は、GEにとって、お荷物になってきています。
そこで、GEはレイクを売却しようと考えているようです。しかし、消費者金融の絶頂期は過ぎてしまいましたから、今となっては有利な条件で売るのも、なかなか難しいでしょう。新生銀行(同じ外資系ですね)が買ったという話を聞きましたが、登記されている社名が変わっていないので、状況を図りかねています。GEの名前を残したまま売るというのも考えにくいですから。
さて実務上の対応についてですが、取引履歴の開示には非常に独特の対応をします。平成5年10月以前の開示は絶対にしてこないのです。その代わり平成5年以降は素直に割と早く出てきます。内容も、まあ信用してよいでしょう。しかし、平成5年以前の開示に対しては、「自動削除システムにより、当社は保管していない」という主張を決して曲げません。全国の弁護士・司法書士を探してもGEから平成5年以前の開示を受けた人はいないはずです。
では、平成5年以前の取引がある人はどうするかと言うと、例えば頭0計算と言って、平成5年10月時点で発生している残高を0円として過払金の請求をしていく方法があります。これは大抵の場合、債務者有利の計算になりますので、GEが都合が悪いと考えたら、顧問弁護士が推定計算をしてきます。(GEは過払訴訟で弁護士が出てくる確率が一番高いです) 要するに履歴が無いから手元にある情報から推定で計算したものを出してくるのです。この計算を調べると意外にまともな計算である場合が多いので、これを基準にして交渉する場合が多いです。
この会社は割とマニュアル通りの対応をしてくることが多く、その辺りが外資系らしく感じます。例えば、取引途中に空白期間がある場合でも、その空白が1年以内だと、あまり争ってきません。1年以上だと取引履歴自体を別にして主張してきます。従って、マニュアルで許されている範囲内ならば、驚くほどあっさりと支払ってくれることもあります。
分割払いに関しては、特に問題ありません。割と条件に応じてくれる方だと思います。
では、次回は、もう一つの外資系であるCFJを取り上げます。
10月
31
2008
今回はアイフルを取り上げます。
アイフルは武富士と並んで、主要6社の中では、独立系と呼ばれ、銀行や外資系金融とのつながりがありません。もう一つアイフルの特徴として、主要業者の中で唯一、東京に本社を置いていません。(アイフルの本社は京都です。一般の人は意外に知らないんじゃないでしょうか。)
本社が他の主要業者とは違うことで、アイフルの独自性は武富士よりも際立っているように思います。例えば、業界が絶好調だった時期に銀行を買収しようとして(提携ではありませんよ、要するにアイフルが銀行の上に立とうとしたのです)、財務省に、にらまれたこともあります。
その後も、様々な金融業者を傘下に治めています。有名なところでは、トライト、ワイドなどがそうです。
アイフルで注意すべきは、不動産担保ローンに非常に力を入れている点です。依頼者の中にもアイフルの不動産担保をつけられていて苦労したケースが結構あります。不動産担保がついていると普通の任意整理の分割に応じなかったりするのです。いざとなれば不動産を競売することが出来るので強気で交渉してきます。
これからアイフルの不動産担保を考えている人がいたら、止めておいた方が良いと忠告します。(アイフルに限らず、貸金業者に公正証書や担保を取らせることは危険です。後で非常に苦労することになります)
取引履歴の開示に関しては、以前は、なかなか開示しないケシカラン業者リストに入っていましたが、今は問題ありません。かなり古い履歴でも開示されます。開示のスピードも早い方です。ただ、ここも最近は、取引途中の空白期間が長い場合は、最初から二つに分けた履歴を送ってくる傾向があります。
過払請求に関しては、以前は訴えれば割とスムーズに支払ってくれる会社でした。あまり争ってこないという印象です。しかし、最近は途中に空白期間があると、取引の分断の主張はしてくるようになっています。
分割払いになった場合は、結構、融通のきく業者です。ただし、不動産担保ではないという条件つきです。不動産担保がついていると一転して強硬姿勢をとってきますので、注意が必要です。
では、次回はGEコンシューマー・ファイナンス(レイク)を取り上げる予定です。
10月
23
2008
今回はプロミスについて取り上げます。
プロミスは主要6社の中ではアコムと似たところのある業者です。両方とも銀行と密接な関係を持つことによって貸金業界冬の時代を切り抜けようとしています。
アコムの三菱東京UFJ銀行に対して、プロミスは三井住友銀行と提携関係にあります。聞いたところによると、三井住友銀行の中にプロミスから借り入れの出来るATMが設置されている支店があったそうです。三井住友銀行のカードローンの審査に落ちた人が、すぐにプロミスの借り入れの審査が受けられる訳です。私は普段、三井住友銀行を使いませんので、直接、この光景を見たことはありませんが、本当なら非常に怖いことだと思います。
あと、旬のアイドルを使ったTVコマーシャルでイメージ戦略をしている点も、アコムと似てますね。皆さんも何度か見たことがあるでしょう。アイフルもイメージ戦略は上手ですが、アイドルではなくチワワでしたね。
次に実務上の対応ですが、これもアコムと似ています。まず、取引履歴の開示は割と正直で、まあまあのスピードで出てきます。ごまかしの心配も、ほとんど無いので信用しても良いでしょう。ただ、取引の途中で、ある程度の空白期間があると、二つに分けて出してくる傾向があります。これは、「プロミスは一連計算をしませんよ」という自己主張だと考えて良いでしょう。
従って、過払金の請求の場合は、アコムの態度と非常に似ています。法律的に争える場合は、しつこく争ってくる傾向があります。他の業者に比べても弁護士をつけてくる確率が高い業者です。逆に法律的な争点が無い場合は割と素直に払ってきます。
分割払いの交渉は、他の業者よりも、まとまり安い印象を受けます。少なくとも、ひと昔前の武富士のように「将来利息をつけなければ和解しない」などと言うことは、今のところはありません。この点は評価できるでしょう。
あと、司法書士の立場から付け加えると、この業者は管理センターの名称や場所を良く変えるのが困りものです。管理センターは司法書士や弁護士の交渉の窓口になるところです。私の事務所のある中部地区で言うと、最初は中部北陸管理センターが名古屋にあり、それが閉鎖されて次に大阪にある西日本管理ブロックになり、今は東京の法務管理部(昔は東日本管理ブロックと呼んでいました)になっています。その度に、連絡先や書類の送り先が変わるので、いい加減にしてくれと言いたくなります。
では、次回はアイフルを取り上げる予定です。
9月
26
2008
今回はアコムについてです。
アコムは主要な消費者金融の中ではプロミスと並んで銀行と密接につながっています。アコムの提携先銀行はメガバンクの一つ三菱東京UFJ銀行です。いずれは銀行に吸収されるのでは、という噂も流れているくらいです。
例えば、キャッシュワン(三菱東京UFJ系列のローン会社)のカードローンを借りると保証会社がたいていアコムになっています。キャッシュワンの審査も事実上アコムのノウハウで行っているという噂です。
この銀行との提携がアコムの長所であると同時に短所にもなっています。長所の部分は、法律違反に関して他の消費者金融よりも気を使っていることです。従って、武富士やアイフルに比べると強引な手法は少ないと言えるでしょう。まあ、一見、優等生に見える部分があります。(本当に優等生とは、もちろん思っていません。あくまで比較の問題です)
一方、短所と思える部分は、法律を前面に出して徹底的に争ってくる場合があることです。違法な手段というのは借りてる債務者にとっては、やっかいなものでしょうけど、法律家にとっては攻撃しやすいとも言えます。しかしながら、アコムは法律を盾にして正当性を主張してくることが多いので、やっかいで手ごわいのです。逆に法律で勝ち目が無いと分かった時には、ウソみたいに素直に従ってくることもあります。
取引履歴の開示に関しては、まあ早い方でしょう。そんなに待たされることはありません。長期間の取引の場合でも、ほとんど開示されます。ごまかしについても、あまり心配する必要は無いでしょう。
分割払いの交渉は、本人の支払能力さえ充分ならば、割とスムーズに決着できます。この点は評価できると思います。債務が残る場合は、ありがたい業者です。
過払いが発生している場合は、先ほども触れたように、法律で争う余地が有る場合と無い場合で極端に態度が違います。争う余地が無い場合は非常に素直に支払ってきます。入金も早い方です。しかしながら、争う余地がある場合(最近では、途中で長い空白期間がある取引の場合など)は、途端に徹底的に争ってきて場合によっては弁護士をつけてくることもあります。法律で業者が勝てる可能性があると判断した時のアコムは、正直、武富士よりもやっかいです。この辺が銀行的と言われる所以です。
従って、過払請求をする場合は注意した方が良いでしょう。ケースによっては思わぬ抵抗にあうかもしれません。
あと、アコムで注意したいのは、取引期間が長くて過払いになっている人に対して、積極的に利息無しの分割払いの和解を勧めていることです。過払いになっていることに気付かない人が、この誘いにのってしまい、中には「アコムは苦しい自分に有利な条件を出してくれて親切な会社だなぁ」などと思っている人までいるのです。
他の会社の取立てがきつくて相談に来て、取引履歴を取り寄せてみたらアコムもしっかり過払いだったなんてことが良くあります。今、このブログを読んでいる人で「あ、私もその和解結んじゃった。もう手遅れなのかな」と思った人は、あきらめないで下さい。和解契約書に印鑑を押した後でも過払請求は出来ます。実際に過払請求をしても、和解を結んだことを理由にしてアコムが過払請求を拒否することはありません。アコムにしてみれば、「あ、ばれちゃったか」という感じなのでしょう。
アコムについては、この位にしておきましょう。次回はプロミスを取り上げます。
9月
19
2008
今回は武富士を取り上げます。
いわずと知れた巨大消費者金融であり、かつては業界トップだったこともありますが、創業者社長が事件を起こして以来、営業成績はかんばしくなく、以前の面影はなくなりつつあります。しかしながら、強引な態度や理不尽な要求などは未だ健在の部分もあり注意が必要です。
アコムやプロミスが銀行と手を組んで生き残ろうとしているのとは対照的に、武富士は独立系と呼ばれ他の金融機関との提携という話は聞こえてきません。良くも悪くも、このことが武富士の特徴となっており、アコムとプロミスが銀行を意識した法律を全面に押し出した対応をしてくるのに対して、昔ながらの消費者金融らしい強引な対応が目立ちます。
任意整理の通知を出すと、本社管理部(東京都新宿区西新宿)に窓口が移行して、この部署で全ての決済が行われるようです。本社管理部は債務が残る場合と、過払いになる場合とで部署を分けています。このことから、どこの部署になったかが分かった時点で過払いか、そうでないかが分かる仕掛けになっています。
対応は主要な消費者金融(私の独断による分類では、武富士・アコム・プロミス・アイフル・CFJ・GEコンシューマーが入ります)の中では、かなり遅い方です。取引履歴が送られてくるのも主要6社の中では一番遅いですし、取引履歴が送られてから和解交渉の為に電話をしても「まだ担当が決まっていないので交渉は、もう少し待ってくれ」などと言われたりします。また、交渉が担当者レベルでまとまりかけて上司の決済に上がった時も、決済にかかる時間が遅かったりします。
取引履歴の開示は、よほど古くない限り全て開示されます(昭和からでも出てきます)。ごまかしも、ほとんどありません。この点は信用しても良いでしょう。
債務が残って分割払いを頼む時は、以前は異様に強気で分割を拒否していた時期もありました。分割にするならば将来利息を全額要求してきました。これでは、任意整理をするメリットが無いので、大勢の依頼人が武富士だけ残して滞っている時期があったのです。さすがに今では分割を認めるようになりましたが、それでも和解日までの利息を要求してきたり、一筋縄ではいきません。
一方、過払金の請求に対しては今のところ、しつこい抵抗はしてこないように思います(いつ方針が変わるかは分かりませんが)。それでも消費者金融全般に言えますが、任意の請求で素直に満額支払ってくるところまではいきません。やはり、満額請求しようと思ったら、訴訟に持ち込むのが結果としては早いでしょう。任意請求だと、のらりくらりと待たされて埒があきませんから。
武富士の最近の状況は、こんなところです。では次回は、アコムについて取り上げます。
9月
12
2008
次回からは、新しいシリーズとして「任意整理における各業者の対応」を述べてみたいと思います。
任意整理の場合、破産や再生と違って、業者ごとに交渉して業者ごとに決着していきますので、業者による対応の違いが結果に影響を与えます。
そこで私の経験を元にして、主要な業者の特徴を紹介していきたいと思います。
このシリーズを始めるにあたって、一つ注意して頂きたいことがあります。それは、時期や人によって同じ業者でも対応に違いが出ることがあるということです。
例えば、あくまで私の経験を元にして紹介していきますが、別の司法書士や弁護士の時に違う対応をされたということはありえます。従って、あくまで目安と考えて下さい。
また、同じ業者でも時期によって対応を変化させることがあります。その時、その時の会社の経営状況、新たな最高裁判決、新しい法律の制定、マスコミの報道、などなどに貸金業者も影響されるのです。従って、ここで紹介した対応が、ずっと続くものではありません。
上の二つを比べた場合、恐らく私の予想ですが、時期による変化の方が人による変化よりも大きいように思います。ある時から急に対応が変わったというのは私も何回か経験していますから。
以上のことを念頭に入れて次回からのシリーズを読んで頂ければ、参考になる部分はあると思います。それでは、次回は武富士を取り上げる予定です。
11月
19
2007
取引期間が7年以上の長期にわたる人は過払いの可能性があります。うまく、過払いになっていれば後は取り戻すだけですから依頼した人にとっては、メデタシメデタシで、あまり問題はおきません。しいて問題になる可能性はクレディアのように破綻した時くらいです。
ところが、取引期間が短かったり、あるいは取引期間が長くても過払いにならなかったりした時(取引の仕方によっては、こういうケースもあります)は、分割払いの交渉を成立させなければなりません。実は、これが最近やっかいになってきているのです。
主要な消費者金融(武富士・アコム・プロミス・アイフル・GEコンシューマー・CFJなど)やクレジット会社の場合は、今まで通り分割払いに応じてくれる場合が多いのですが、中堅以下の消費者金融業者では、だんだん分割払いに対して厳しいことを言うようになってきています。
中堅以下の業者は今や、いつ倒産してもおかしくないと言われていますので、我が身の事情も影響しているのでしょう。分割払いの交渉の時に「分割にするなら将来の利息もつけてくれ、つけてくれないなら和解に応じない。」と言ってくるようになってきています。
任意整理と言えば「将来利息のカット」は、今までは常識でした。しかし実は法的な根拠は無いのです。もし、業者が訴訟をしてきたら債務者が不利なのです。「生活が困窮している債務者に将来利息の支払は無理だから」という理由で、一種の紳士協定のような習慣となってきたものでした。
業者自体が倒産するかもしれないという状況に陥って、紳士協定を破る業者が増えてきた訳です。
これは重大な問題です。最後の手段としては特定調停があります。最近、特定調停に回して成功したという事例を聞きましたから、業者もそこまでやれば応じるということなのでしょうか。
いずれにしても、今後は分割払いの時は注意する必要があるでしょう。